Interview

  • 2023.07.29

これが最後のチャンス──20年、MCバトルのステージに立ち続ける晋平太の本音

ラップ、DJ、ブレーキング、グラフィティ、それぞれのやり方で参加できる

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ピースの輪に入る方法は人それぞれ

──ヒップホップは絆を生む、人生の助けになる。一方で、ラッパー=不良といったステレオタイプなイメージで捉えることで、ラップ自体を嫌悪する人も残念ながらいます。

晋平太 そう思う人も、実際にラップをしてみれば、頭や気持ちを使うものだと理解してくれると思いますね。

ラップのカッコ良さって、やってみないとわからないんで。まずはいろんな人に試してもらいたい。

そもそも、ヒップホップは参加型の文化だと思うんですよ。たとえば、MCバトルを見てジャッジしてもいいし、しゃべりが得意ならラップをするのもいい。言語表現が苦手ならグラフィティもある。

そういうのが苦手でも、運動神経が良いならダンスだってある。みんなの雰囲気をつくるのが得意で、音楽が好きならDJをやればいいわけですよ。

ファッションが好きなら、その分野で活動することもできる。ヒップホップは、各自の個性にハマりやすいから素晴らしい。始め方はそれぞれで、そこからユニティしていく方法を探すんです。

自分を表現する方法を知っていて、損することは1つもない。だからこそ広げていきたいんです。今徐々に広がっているのはすごく嬉しいですよね。

「B-BOY PARK」から現在まで、MCバトルを見続けてきた

両国国技館で開催された「戦極MCBATTLE 第29章」

──「戦極MCBATTLE」が武道館や両国国技館で開催されています。最近、MCバトルのスケールがどんどん大きくなっていると感じています。

晋平太 俺が初めて「B-BOY PARK」のMCバトルで優勝したのが2005年。その時も会場が両国国技館だったんですよ。

当時はMCバトルとブレイキングバトルの両方を国技館で開催したんですけど、席はガラガラで。もう、関係者と出場者しかいないんじゃないかくらいでした(笑)。

それでも当時、俺らは日本で唯一のタイトルをかけて燃えてた。昨日(両国国技館で開催された「戦極MCBATTLE 第29章」で)見た景色は、同じ場所なのにまったく違う光景でしたね。

晋平太 呂布カルマが「MCバトルはMCバトルだけでもうカルチャーだ」と言っていたんですよ。俺も同じことを考えていて。

20年前からMCバトルをやってて今も試合に出てるのって、漢(a.k.a. GAMI)くんやFORKくん……あとは俺くらいなんじゃないかな。MCバトルが登場して、文化として成立するまでをずっと見続けている。貴重な体験をさせてもらっているなと感じました。

KREVAの躍進から始まったMCバトルが、メジャーになるまで

──「B-BOY PARK」のMCバトルが開催された当初、リスナーとしてもインパクトが大きかったのを覚えています。

晋平太 俺は日本のMCバトルの歴史って、1999年の「B-BOY PARK」から始まったと捉えています。当時は大きな大会が「B-BOY PARK」しかなかったから、ものすごく価値がある大会だった。今は当たり前だけど、優勝賞金が出るなんて当時は信じられなかったから。

KREVAくんが3連覇して、次の年にはもう紅白に出てた(2002年の「NHK紅白歌合戦」にKICK THE CAN CREWとして出演)っていうのも大きかった。MCバトルの頂点はメジャーに続いてるんだって見せてくれたことで、なおさらそこを目指す意味が生まれた

──そこから10年が経って、MCバトル自体がどんどんメジャー化していきましたね。

晋平太 アンダーグラウンドなMCバトルのシーンが盛り上がり始めるんですよ。大きなきっかけとして、2005年の、カルデラビスタが優勝したUMBのDVDが売れたらしくて。

DVDを買った人も、みんなひとりで見るだけじゃなくて、友だちなんかと見ていて。そうして人づてに全国へと広まっていった。

そこから全国で予選が始まっていったのは大きいですよね。2011年の「UMB」本戦なんて、DOTAMAやNAIKA MC、呂布カルマ、R-指定、輪入道とか、今も現役で活躍するラッパーがほぼ出揃ってましたからね。

その後、『BAZOOKA!!!高校生ラップ選手権』が火をつけた。高校生がこんなにハイレベルなバトルをできるとは、俺も当時は思ってなかった。

しかも、若い子たちがハツラツとやっている姿って、人を惹きつける力があるじゃないですか。プロ野球は見ないけど甲子園は見る、みたいな。

若い世代が注目を集める中で、同年代のやつらがラップを真似して、流行がつくられていった。そこで一気に広がり、地上波の『フリースタイル・ダンジョン』に繋がったのかなと思いますね。

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