2010年代の終わり、VTuberの勃興や歌い手のメジャーシーンへの台頭など、ネット発の文化がさら勢いを増した。
同時に、かつてニコニコ動画で一世を風靡した、ボーカロイドを用いたクリエイターたちも新たな才能が登場していくこととなる。
カンザキイオリは、次世代のボカロPとしてカリスマ的な支持を集める存在だ。だが、その特徴的なバンドサウンドと研ぎ澄まされた、ともすれば過激な歌詞はシーンの「中心」というよりも、さらに尖った場所にいたアーティストのように映る。
その才能が発見されるのは早く、VTuber「花譜」のメインコンポーザーに起用されるほか、彼女と共にクリエイティブチーム「KAMITSUBAKI STUDIO」への所属も発表。さらに、音楽だけでなく小説『獣』を敢行するなど、その活動は多岐にわたる。
一方で、その作品以外、彼のパーソナリティはほとんど明かされていない。KAI-YOU Premiiumでは、カンザキイオリに初のインタビューを敢行。
匿名性に覆い隠された現代、一人の音楽家として、表現者として、カンザキイオリはどのように生きるか。