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一つのテーマを、連続した企画として発信していく「連載」は、KAI-YOU Premiumの目玉コンテンツの一つです。
単発では伝わりづらい長期的視野を見据えたテーマはもちろん、気になる識者や著名人のロングインタビューや、特定のテーマを掘り下げたレポートやレビューなどを発信していきます。
10代でイラストレーターとしてデビューし、小説やCDのイラスト、TVアニメのキャラクター原案、漫画や小説の執筆、作詞と、多岐に渡る活動を続けるloundraw。
2019年には、花譜やカンザキイオリらを擁するクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」を抱えるTHINKRの中に、アニメーションスタジオ「FLAT STUDIO」を設立。
その連続対談イベントとしてオンライン開催された「FLAT STUDIO SESSION」でのトークをここに収録する。
漫画『竜女戦記』の都留泰作。SF小説『横浜駅SF』の柞刈湯葉。漫画家でもあり、文化人類学者、また京都精華大で教鞭を執る学者でもある都留と、SF作家でありながら、漫画原作者、生物学者としての出自をもつ異色の対談。
ふたりの創作論をはじめ、漫画とSFにおける「世界観」の構築、専門知と物語の重なり、現代におけるフィクションの意味性、漫画・SF小説というメディアのそれぞれの武器、ウェブと紙媒体の未来、そして都留が称賛する『ゲーム・オブ・スローンズ』をいかに更新するか。
ほかの漫画批評では読むことのできない、当事者作家、そして学者による圧倒的な創作論。
SNSを中心としたインターネットサービスの発展によって、個人が気軽に創作を発表できるようになった現在。
クリエイターが会社に属さなければ身を立てられなかった時代は終わり、様々な領域で個人作家たちが活動を展開している。
イラストレーターは刻一刻とその在り方が変容している職種の一つだ。
日々目にするものの中にも二次元イラスト的なプロダクトが増え、その活躍がオタク領域だけではなくなって久しく、SNSによってファンとの距離も密接となり、その振る舞いにタレント的な要素まで求められる場合も見られる。
本連載では領域が広がり続け、その定義も変わり続ける現在を確かに生き抜くイラストレーターにフォーカスし、新たな時代のイラスト表現の可能性やクリエイターの矜持を解き明かしていく。
日本のポップカルチャーにおいて、漫画の存在は大きい。
多くの映画やアニメーションなどの映像作品の原作という中心的な役割を担い、長年続く出版不況の中でも漫画のメガヒットは続いている。幼い子どもから、大人にまで、あるいは海外にまで届く射程の広さを漫画は持っている。
そして、主に漫画雑誌という連載媒体をほぼ変えないままに、今、ますます漫画は面白くなっている。
神話をベースにして読み解いた画期的な『HUNTER×HUNTER』批評で話題を読んだ気鋭の書き手・岩永亮祐が、現代の漫画、その物語の構造を解き明かす。
この連載を読めば、あの話題作や人気作がなぜ人を惹きつけるのかを理解することができる!
ラッパーとYouTuberという存在を横断し、越境し、アンダーグラウンドから絶大な支持を集めるSILENT KILLA JOINT。
2017年に傷害事件で逮捕され、2年半の懲役刑という空白の期間──彼が服役する前に残したいくつもの種はインターネット上の音源/MVとして残り、それに触発され、リスペクトを送るラッパーは少なくない。
なによりも特筆するべきは、彼が不在だったその2年半の間に「ヒップホップ」も「YouTube」も日本で爆発的なプロップスを獲得し、発展を遂げたことだ。
本インタビューでは「SILENT KILLA JOINT」のこれまで語られなかった彼の独自すぎる経験、そして期せずして「先行者」となった彼の胸中を前後編に分けて深掘りしていく。
「自分を愛し、人生を楽しめ」
一貫してそう説き続け、手本を示すようにその活動のすべてを楽しみつくす「九条林檎」が見据える覇道の先とは?
「バーチャル蠱毒」ともいわれた苛烈な「最強バーチャルタレントオーディション~極~」を勝ち抜き、生き残る彼女が見てきたバーチャルの風景をいまここで振り返る。独自の哲学を展開しながらVRと戯れる、VTuberシーンに毅然と挑む彼女の強かさは、やがて一過性のバズでは獲得しえない熱狂的な信望を集めていく。
クリエイターとして、バーチャルタレントとして、九条林檎として、気丈な振る舞いを貫く孤高の吸血鬼の美学、コンテンツ論に迫る。
e-Sportsの台頭や配信サービスの充実化、ソーシャルゲームの隆盛──エンターテイメント産業において、近年のゲームの活躍はめざましいものがある。
そしして、人はゲームを「上手くなりたい」「強くなりたい」「もっと楽しみたい」と思う。ゲームが流行れば流行るだけ、その攻略情報は価値あるものとなっていく。
「ゲーム攻略サイト」というインターネット黎明期から存在したサイトが、IT業界のバズワードとなって久しい。
今後さらにゲームは発展していくだろう。そうなった時、我々はどのようにして、ゲームを取り巻く状況環境と付き合っていけばよいのだろうか?
2010年代の終わり、VTuberの勃興や歌い手のメジャーシーンへの台頭など、ネット発の文化がさら勢いを増した。
同時に、かつてニコニコ動画で一世を風靡した、ボーカロイドを用いたクリエイターたちも新たな才能が登場していくこととなる。
カンザキイオリは、次世代のボカロPとしてカリスマ的な支持を集める存在だ。だが、その特徴的なバンドサウンドと研ぎ澄まされた、ともすれば過激な歌詞はシーンの「中心」というよりも、さらに尖った場所にいたアーティストのように映る。
その才能が発見されるのは早く、VTuber「花譜」のメインコンポーザーに起用されるほか、彼女と共にクリエイティブチーム「KAMITSUBAKI STUDIO」への所属も発表。さらに、音楽だけでなく小説『獣』を敢行するなど、その活動は多岐にわたる。
一方で、その作品以外、彼のパーソナリティはほとんど明かされていない。KAI-YOU Premiiumでは、カンザキイオリに初のインタビューを敢行。
匿名性に覆い隠された現代、一人の音楽家として、表現者として、カンザキイオリはどのように生きるか。
KAI-YOUはこれまで、Webメディアというシステムや業界、あるいはそこで働く人々についての、自己言及的な記事や取材をあまり行なってこなかった。
それは「ポップ」を標榜する我々にとって、あくまでコンテンツこそが主軸であり、光であり、読者や楽しんでくれる人たちにとって、その受け皿であるメディアの裏側を見せる必要性を感じなかったからに他ならない。
しかし2019年に入ってからというもの、多くのWebメディアが閉鎖したり、人員削減を断行するなどのネガティブな報道が多く目に入ってきた。そしてやはりそれは他人事ではなく、KAI-YOU Premiumという新たなメディアを発足した理由の一つにもなっている。
経営者として、編集長として、プロデューサーとして、記者として、様々な立場や経験を経た4人のWebメディア有識者たちは、現在のWebメディアというビジネスとその役割、情報環境の変化について何を思うのか。
ポリティカルなイシューと大衆の媒介者となるアメリカのコメディアン。その中でも急先鋒と目され、世界的に注目を集めているのがハサン・ミンハジだ。彼のNetflix番組『ハサン・ミンハジ: 愛国者として物申す』では、「Supreme」というポップな話題から「インドの選挙」というディープな話題まで、巧みな比喩表現で風刺するハサンによる、スタンダップコメディの真骨頂を味わえる。
さらに、一流報道機関出身のライターやリサーチ・チームにバックアップされた膨大なレファレンスや、バックに流れるリッチなグラフィック。他者への想像を欠いた言葉の殴り合いが社会の二項対立を生み、ユーモアの役割も問われるなかで、彼のユーモアは単なる「風刺」にとどまらない。想像力を与えてくれるハサンのジョークを読み解く、『ハサン・ミンハジ: 愛国者として物申す』の副読本。いま、世界では何が起こっているのか?
驚異的なスピードで発展し、マネジメント事務所や運営企業の隆盛も目立ったVTuberムーブメント。サービスやプロダクトへの大型投資が行われる一方、無所属で活動を行う「個人勢」の存在を忘れてはいけない。
兄ぽこさんは、ショートアニメ「オシャレになりたい!ピーナッツくん」を制作しつつ、主人公・ピーナッツくんや実の妹を「甲賀流忍者!ぽんぽこ」としてVTuber化し、NHKへの番組出演、TVアニメへの登場、n-bunaさん、デカキンさんとのコラボなどを実現。企業勢が登録者数の上位を占めるVTuberシーンにおいて独特の存在感を放っている。
既存のネット文化に比して、「個人クリエイティブの発表の場」という属性の薄いVTuberシーン。兄ぽこさんは、無所属のクリエイターとして今のVTuberシーンをどう捉えているのか、どのような未来を見据えているのだろうか。
NetflixやAmazon Primeなどの映像ストリーミング・サービスは、現代の映像視聴環境に大きな変化を生み、オンラインプラットフォームでの「世界同時配信」はコンテンツのボーダーレス化を促した。
このよな映像作品を取り巻くそんな状況を下支えしている仕事のひとつの「翻訳」だ。190ヶ国・28の言語での配信において、「翻訳家」の重要性はより高まっている。
しかしながら、多額の予算をかけた大作コンテンツに携わるつくり手と、翻訳家の価値のギャップが小さいとは必ずしもいえない実情がある。翻訳家の労働環境や、ストリーミングサービスの翻訳の質の低下などは、翻訳という作品を生み出す工程に横たわる大きな問題でもある。
作品を生み出すクリエイションに、「翻訳」は含まれないのか。翻訳・通訳に携わる者らに話を聞き、ストリーミング時代の「翻訳の価値」を探る。
1970年代から続く、コミックマーケットが成立させた「同人」による経済圏。
クリエイターも消費者もフラットに、同好の士であること、あるいは「オタク」であるという共通項が生み出す楽しさによって独自の発展を遂げてきた。
もうインターネットが登場して以降は、毎日がコミケみたいなものなのかもしれない。自分の趣味性や特技、好きなことを活かし、売りにして生業とすることは当たり前のものとなった。
そんなシーンの一端を担う、「コスプレ」と呼ばれるジャンルにおいて、不動のトップで在り続けるのがえなこさんだ。彼女は、10代からコスプレをはじめてコミケに参加。瞬く間にインターネット上で話題を呼び、長年一般から見た「コスプレイヤー」のパブリックイメージとなっている。
近年、e-Sportsの隆盛が喧伝されるほか、YouTubeやTwichを中心にゲーム実況における環境整備が続き、「ゲーム」を取り囲む環境が大きく変化している。「ゲームをプレイするということがお金になる」ことが当たり前のように知られることになり、エンドユーザーに対する興味や関心も変化が起こっている。
そんな時代について、競技アナログゲームの祖『Magic: The Gathering』のプロプレイヤー/ライターの細川雄哉は何を思うのか。「いまゲームをプレイするということは、どういうことなのか」「ゲームが生み出す熱狂の正体はなんなのか」について考察していく。
いまや国内だけでなく世界で放送・配信されている日本のアニメーション。TwitterなどのSNSをはじめ、インターネット上ではアニメの様々な側面が語られている。しかし、その多くは断片的で「なぜそのように語られるのか?」「なぜ話題なのか?」といった背景を、ネット上の盛り上がりから把握するのは難しいと言わざるを得ない。
アニメを取り巻く環境の中から「もっとアニメを深く楽しめる」切り口をピックアップ。アニメジャーナリスト・数土直志が、歴史や背景、国内外での評価の違いなど様々な視点から、アニメを楽しく観るために必要な事象を解説していく。
今、バーチャルというこれまで未踏だった新しい世界に文化経済圏(エコノミー)が成り立ちつつある。
ヘッドマウントディスプレイや3DCG、Unityといったバーチャルリアリティを支える技術やガジェットが個人にまで浸透し、VTuberをはじめとする、バーチャルの世界で活躍するタレントやクリエイターたちが登場。企業も次々に新しい世界に参入し、ビジネスと文化を急速に発展させている。
まだ未開の世界、バーチャルとは一体何なのか。
今後私たちに何が可能になるのか。何がもたらされるのか。バーチャルガールズユニット・KMNZ プロデューサー ninoP(二宮明仁)がその実践と思考を記述する。
ファッションやアート、大衆音楽、あるいは政治にまで影響を与えるまでに成長した現代のストリートカルチャー。特に10代や20代の若者にとって、その声を代弁するかのような表現を行うヒップホップのアーティストやミュージシャンの影響力は日に日に増していっている。
世界中を席巻するストリートカルチャー、ヒップホップの魅力とはどこにあるのか、今何がユースたちの間で巻き起こっているのか?
この連載では、自身もアーティストとして活動する東大卒/ネットシーンの発ラッパー・RAqさんが、日本国内で生活する中ではなかなか分かりづらい、深い文脈を持つ海外アーティストたちの「リリック」に焦点を当て、解読。
1人のアーティストの思想を知ることは、シーンを読み解くヒントとなり、そして「世界で何が起こっているのか」を知ることにも繋がっていく。
子役、ブロガー、ギャルモデルを経て、現在はYouTuberとして活躍するてんちむさんと、レズビアン風俗「レズビアン東京」の売れっ子キャストであり、インフルエンサーとしても支持されるゆづきさん。
二人の共通点は、ネット上にたくさんのファンを持つ、多くの人から憧れられる存在であること。そして、過去の自分からの「変身」をとげた経験があることだ。
メイクやコスプレ、加工アプリ、整形など、自分の姿を手軽に変えられるツールが一般化し、それをSNSなどで「シェア」することが当たり前となった昨今。誰でも気軽に「変身」できる一方で、コンプレックスやガサツさのある「映えない」現実の自分とのギャップは広がるばかりだ。
変身が手軽だからこそ「自分も変わらなければ」という圧力を感じることもあるかもしれない。
2017年に起こしたVALU騒動によって、人気絶頂の最中に活動休止した禁断ボーイズ。活動再開後は、かつての過激さはなりを潜め、動画の方向性を模索。
個性的な髪色も反省の意を込めているのか、黒に戻したまま。かつてNextStageに所属したレーベルメイトが次第に再生数や登録者数などで復活を見せる中、彼らは2019年現在も未だにVALU事件をひきずっているように見えた。しかし、2019年7月20日を皮切りに突如として髪の毛の色も元に戻し、さらなるブーストをかけていくことを宣言。なぜ彼らは立ち直ることができたのか。この2年の間に、何が彼らの間にあったのか。
新しい地図 join ミュージックへの楽曲提供や、m-floのアルバムへのリミックスでの参加、自身もワーナーから楽曲をリリースするなど、音楽家として多くの実績を持つSASUKEさんは16歳の高校生。
10歳でアポロ・シアターのアマチュアナイトにおいて日本人史上最年少で優勝。その後路上パフォーマンスがTwitterで話題を呼ぶと、SNSを中心にファンを増やし、奔放なスタイルで人気を確立させた。
しかし、そんな彼も一人で育ったわけではなく、傍らには常に見守る親の姿がある。
SASUKEさんが音楽に傾倒するきっかけをつくり、活動をサポートし続けるお父さんにもインタビューを敢行。その家庭にフォーカスしていく。
Web小説の歴史は長い。インターネットが民間でも気軽に利用されるようになってから、個人サイトや掲示板では小説家志望やアマチュア作家たちの練習の場として、あるいは同好の士たちによるコミュニケーションツールとしても機能してきた。
そして現代。そんなネット発の小説群が出版業界、エンターテイメント業界に大きなインパクトを与え続けている。その中心的な場として在るのが「小説家になろう」というプラットフォームだ。
異世界転生を物語の軸に据えた「なろう系」と呼ばれる小説は次々にコミックやアニメーション作品の原作となり、凄まじい点数が書籍としても刊行されている。そんな影響力を持ち、月間20億PVという日本発Webサービスにおいて有数の巨大サイトである一方、その実態はネット小説になじみの深い人ですらあまり知られていない。
『ロッキンユー!!!』は読み切り版が投稿されるとTwitterで大反響を呼び、Webコミック媒体「少年ジャンプ+」で連載が開始。瞬く間に人気作品の一つとなった。
しかし人気の最中、突然の終焉。作者は「今後は個人で続きを描く」と発言。人気の内に終了するというのは劇中でも大きくフィーチャーされるロックバンド「NUMBER GIR(ナンバーガール)」に通ずるものがあるが、作品を愛するファンとしては納得がいかないのも事実だ。
王道ではなくとも確実に人の心を奪う不思議な魅力を放った作品と作者のルーツを辿ると共に、彼女の愛した音楽、漫画についての思いを聞いた。
2019年現在、「叩いてもいいキャラ」の筆頭は安田大サーカスのクロちゃんだろう。『水曜日のダウンタウン』でその生態が次々に暴露されたことで“モンスター”としてのイメージが定着し、そのキャラを存分に活かした彼は、むしろタレントとしては輝きを増してテレビでも引っ張りだこだ。
子役タレントとして活躍してきた「はるかぜちゃん」こと春名風花さんも、幼い頃から心ない言葉に晒され続けてきた。彼女は高校時代を、学校側の理解を得て自分とは別人の「西村風花」という別人格として過ごしてきたことを明かしている。
「キャラクター」という言葉はとても都合が良い。自分を守る盾にもなれば、人を攻撃する言い訳にもなる。ほとんど接点はないながら、「キャラクター」として晒され、同時に武器にもしてきた2人の邂逅。
「KAI-YOU.net」でライターデビューを果たしたラッパー・ハハノシキュウ。この春には、星海社から小説家としてデビューを果たし処女作『ワールド・イズ・ユアーズ』を上梓した。
彼から届いた一本の小説。それは、実に“奇妙”としか形容できない類の内容だった。最初は困惑し、次に腹を立て……最後は総毛立った。それを味わうために必要な条件はたった一つ。“最後まで読み通す”ことだ。簡単に聞こえるだろうが、この『韻も踏まずに』を前に、それは決して容易くない。
韻を踏むように文字を書き綴ってきたハハノシキュウが描いた、“誰もが日常的に韻を踏む世界”における「MCバトル」の物語。そこではすべてが“反転”する。
これは異世界転生モノであり、MCバトル強者によるMCバトル小説であり、散文小説への挑戦であり、なぜ「MCバトルというものが必要とされるのか」という問いに対するひねくれたラッパーからのアンサーである。
思想家/批評家であり事業家でもある東浩紀さん。
東日本大震災および福島の原発事故を経ての復興計画の提案にはじまり、戦後日本の美術批評、ロシア現代思想や日本の批評を捉え直す試み、グローバル時代の観光哲学や時代を映す鏡としてのゲーム特集……それらはこの10年、彼の思想の結実でもある「ゲンロン」という場づくりを通して、精力的に行ってきた言論活動の軌跡のほんの一端に過ぎない。
大学の教授や研究者になる未来や、粛々と作家として自著の出版を重ねる未来、あるいは利益を追求した事業を拡大する未来など、無数の選択肢に背を向けて、東浩紀さんはあえて、言論空間を絶やすことなく守り続け、それを事業の根幹に据えた経営者であり続けてきた。
なぜ、批評は必要なのか? 未来に影響を及ぼすメディアとは何なのか? 平成が終わる大きな節目に、それを考え実践し続けてきた東浩紀さんに、自身の活動の命題を問い直すロングインタビュー。
初音ミク10周年をはじめ、米津玄師や須田景凪らボーカロイドをルーツとするアーティストたちの躍進といったメモリアルな出来事を経て、ボーカロイドシーンはまた新たなフェイズに突入している。
紅白へ出場した米津玄師を中心に、ボカロPとしての活動をルーツに持ちながらJ-POPのフィールドで活動をするアーティストはその存在感を増し続けている。同時に、YouTubeやTikTokという新たなプラットフォーム発のヒット曲も誕生。これまでとは様相の違った需要も生まれはじめている。
みきとPさんは、新たなフィールドへ活動を移すボカロPたちと比べても遜色のない実績を持ちながらも、ボカロPとしての活動を貫く。独特の発展を遂げてきたボーカロイドというシーンに何を見出だしたのか。ボカロPをつらぬき、最前線で戦い続ける真意を探っていく。
1998年より『週刊少年ジャンプ』にて連載を開始した漫画家・冨樫義博さんが描く『HUNTER×HUNTER』。
主人公のゴン=フリークスが父親であるジンを探すためハンターとなり、キルア、クラピカ、レオリオといった仲間達との絆を深めながら、未知なる敵との戦いを描いていく。
緻密に計算された高度な攻防と読者の予想を上回り続ける展開で人気を博す一方、非常に寡作なことでも知られ、現在までに500回以上の休載を繰り返していることも話題となった。
本特集では、作品にまつわる疑問や伏線などを考察。一読しただけでは伝わりづらい冨樫義博作品に通底する思想を紐解く。