NetflixやAmazon Primeなどの映像ストリーミング・サービスは、現代の映像視聴環境に大きな変化を生み、オンラインプラットフォームでの「世界同時配信」はコンテンツのボーダーレス化を促した。
このよな映像作品を取り巻くそんな状況を下支えしている仕事のひとつの「翻訳」だ。190ヶ国・28の言語での配信において、「翻訳家」の重要性はより高まっている。
しかしながら、多額の予算をかけた大作コンテンツに携わるつくり手と、翻訳家の価値のギャップが小さいとは必ずしもいえない実情がある。翻訳家の労働環境や、ストリーミングサービスの翻訳の質の低下などは、翻訳という作品を生み出す工程に横たわる大きな問題でもある。
作品を生み出すクリエイションに、「翻訳」は含まれないのか。翻訳・通訳に携わる者らに話を聞き、ストリーミング時代の「翻訳の価値」を探る。