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  • 2022.09.22

画像生成AIと著作権を弁護士が解説 Stable Diffusion流行やmimic炎上

画像生成AIと著作権を弁護士が解説 Stable Diffusion流行やmimic炎上

パクリやトレース、著作権侵害、テクノロジーへの対応など、ポップカルチャーに関する法律的な問題が注目される機会は増え続けている。そこでKAI-YOU Premiumでは「ポップカルチャー×法律 Q&A」の連載を立ち上げることにした。

クリエイターを騒がせるネットやカルチャーの争論を、弁護士の協力のもとで現行法の観点から見つめ、クリエイターが「できること」や「知っておくべきこと」を紐解いていくのが狙いだ。連載を通して、クリエイティブが阻害されない一助となることを願う。また、感情論によらない法律的な解釈を知り、事案に対する課題を切り分けながら、さらに論じていく道筋も示していければと考えている。

連載に協力してくれるのは、“For the Arts”を旗印に、芸術活動を支援する法律事務所として知られる「骨董通り法律事務所」に所属する寺内康介弁護士。

法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)は、初めに選んだ道を変えずにキャリアを積む人が多いと言われるが、寺内氏は元裁判官から弁護士へ転身した異色の経歴を持つ。もともと観劇好きで知的財産に関心の深かった寺内氏。事実を認定して線引きし、問題を「最終的に」解決する裁判官から、クリエイターを「前線」から支えたいという思いで弁護士としての活動にチェンジしたという。

連載第1回は『画像生成AIと法律』がテーマ。世界的に「Midjourney」や「Stable Diffusion」が話題となり、日本では画風を学ぶAIイラストメーカー「mimic」が物議をかもしたばかり。

法的にはどこまでが適し、どこからが反するのか。「実はAI制作者にとって日本はパラダイスと言われる」と寺内氏。その実情と論点とは?

目次

  1. Q1. 他人の著作物をAIの機械学習に利用してもよいのか?
  2. Q2.「mimic」の炎上とサービス休止。法律の専門家はどう見る?
  3. Q3.画像生成AIでつくられた画像は、誰に著作権が発生する?
  4. Q4.画像生成AIでつくられた画像が、著作権侵害になる場合もある?

Q1. 他人の著作物をAIの機械学習に利用してもよいのか?

Q1. そもそも、他人の著作物をAIの機械学習に利用してもよいのでしょうか?

日本の法律では、AIの機械学習を目的にした著作物の利用は「著作権法第30条の4第2号」で基本的に認められています(法令文)。著作物の種類や用途、商用利用の有無は問わず、許諾も不要ですが、「著作権者の利益を不当に害してはいけない」という但し書きが付いています。

このように、他人の著作物をAIに学習させること自体は認められていますが、このことと、出力されたイラストや画像が既存の作品と似ていた場合に、それが著作権侵害に当たるか否かは、分けて考えなければいけません

この「著作権法第30条の4」による規定は、平成30年(2018年)の法改正で定められましたが、制定当時から海外と比べても先進的なものでした。たとえば、今でもイギリスでは他人の著作物を機械学習に用いることについて、研究といった「非商用や非営利の目的に限る」という前提があります。

その点で、現状の日本は、AI学習にとってのパラダイスと言われたりします。平成30年の法改正で、用いるデータは公表・非公表を問わないという条文にもなりましたから、インターネット上にある出所不明の画像をクロールして学習させることも、法律的には問題ありません

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アメリカには機械学習を想定した独自の規定はなく、いわゆる「フェアユース」の考えが適用されます。ざっくり言うと、著作権者に損害を起こさない公正な利用であれば原則的にOKとする、包括的な規定です。日本の法令はこういった包括的なものはなく、個別のケースに向き合うものですが、「著作権法第30条の4」は日本にしては珍しいと言えるほど、“ゆるさ”をもたせた事例の一つでしょう。

背景には、日本におけるAI開発を世界に先んじてより推進させようとする政策的な狙いがあります。

もう一つは、そもそも「著作権法第30条の4」は著作物に表現された思想感情の「享受」を目的としない行為であれば権利者を害するおそれは低い(例えば自動翻訳の精度を上げるために膨大な文章を機械学習させても作家の権利を害するおそれは低い)として規定されたものですが、実際に蓋を開けてみると「学習」をしたAIが一般的に解放されて誰でも画像を無数に「生成」できる未来が到来してしまったという言い方が適切なのかもしれません。

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「自分の画像をAI学習に使うのは禁止です」はなぜ効力がない?