思想家/批評家であり事業家でもある東浩紀さん。
東日本大震災および福島の原発事故を経ての復興計画の提案にはじまり、戦後日本の美術批評、ロシア現代思想や日本の批評を捉え直す試み、グローバル時代の観光哲学や時代を映す鏡としてのゲーム特集……それらはこの10年、彼の思想の結実でもある「ゲンロン」という場づくりを通して、精力的に行ってきた言論活動の軌跡のほんの一端に過ぎない。
大学の教授や研究者になる未来や、粛々と作家として自著の出版を重ねる未来、あるいは利益を追求した事業を拡大する未来など、無数の選択肢に背を向けて、東浩紀さんはあえて、言論空間を絶やすことなく守り続け、それを事業の根幹に据えた経営者であり続けてきた。
なぜ、批評は必要なのか? 未来に影響を及ぼすメディアとは何なのか? 平成が終わる大きな節目に、それを考え実践し続けてきた東浩紀さんに、自身の活動の命題を問い直すロングインタビュー。