Interview

  • 2026.09.03

藝大出身アート系クリエイター集団「アートゥーン!」が語る、芸術の“存在意義”

※本稿は、Webメディア「KAI-YOU」にて2026年8月26日に公開された記事を再構成したものです。

藝大出身アート系クリエイター集団「アートゥーン!」が語る、芸術の“存在意義”

東京藝術大学出身の8人組アート系クリエイター集団・アートゥーン!

メンバーには画家、作曲家、プロドラマー、音響エンジニア、建築家、グラフィックデザイナーといった、多種多様なバックグラウンドを持つ芸術家たちが集結。

美術/音楽を軸に、ジャンルを超えた創作活動および動画投稿を行っており、YouTubeのチャンネル登録者数は現在20万人を突破している。

アートゥーン!

アートゥーン!

今回KAI-YOUでは、アートゥーン!のメンバーであり、画家として活躍する真田(真田将太朗)さんと作曲家の桶家(桶家武尊)さんにインタビューを実施。

渋谷のライブハウス「WWW」での初の音楽ライブを控える彼らに、グループのコンセプトとして掲げる「芸術をもっと身近に」という言葉の真意や、その可能性について語ってもらった。

取材・文責・インタビュー写真:都築陵佑

目次

  1. 個展に「QuizKnock」Tシャツで現れたbaton社長──アートゥーン!結成の運命的な夜
  2. アートゥーン!がコンセプトに「芸術をもっと身近に」を掲げる理由
  3. アートゥーン!真田「『ハイカルチャーは難しい』と遠ざけるのはもったいない」
  4. 日常生活の中の小さな嗜好性や表現への欲望こそ“芸術”
  5. アートゥーン!桶家が投げかける“言語化”への問い
  6. 渋谷WWWを鼓膜と皮膚を揺らす「非言語コミュニケーション」の現場に

個展に「QuizKnock」Tシャツで現れたbaton社長──アートゥーン!結成の運命的な夜

──アートゥーン!は東京藝術大学の出身者8名で構成されています。結成の経緯を教えてください。

真田 大学時代、藝祭(=東京藝術大学の学園祭)などで学科の垣根を超えて集まる機会がありまして。そこで仲良くなった友だちや知り合いがメンバーの中心になっています。

真田

真田:2000年生まれ、兵庫県出身。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。画家としてGINZA SIX、各地百貨店などで個展を開催。JR東日本 長野駅や上野駅の構内常設壁画を手がけ、2025年にベストデビュタントオブザイヤーに選出。ミラノ・コルティナ2026 冬季オリンピック 日本代表選手や、SUPER FORMULA ドライバーのヘルメットデザインなども手掛ける。

真田 当時から、漠然と「僕らのふざけた会話のノリを活かしたYouTubeチャンネルをやれたら良いね」という話は話していました。

桶家 本当に、やんわりね(笑)。

桶家

桶家:東京藝術大学音楽学部声楽科除籍。オペラを得意とし、アートゥーン!のファーストリリース曲「青く」では作詞・作曲・ボーカルを担当。作曲家、ボイストレーナーとして活動し、企業のCM音楽制作や映画の劇中音楽提供などもしている。趣味は、料理、ダンス、麻雀、ボードゲーム、TRPG、ゲーム全般、アニメ、漫画。特技はクラリネット。

真田 ただ、僕らは美大生や音大生という、良くも悪くも我が道を行くタイプの集まりで。「誰が動画編集やスケジュール管理などの実務をやるのか」という問題が解決しないまま構想の段階で止まっていました。

そこに、知的エンタメ集団・QuizKnockを運営する株式会社batonの社長の衣川(衣川洋佑)さんが現れたんです。

──衣川洋佑社長との出会いはどのようなものだったのでしょうか?

真田 僕の個展のレセプションパーティーに、知り合いの紹介で衣川さんが来てくださったんです。そのとき、衣川さんはなぜか「QuizKnock」のTシャツを着ておられて(笑)。

桶家 そう、本当にその姿で現れたんですよ(笑)。

真田 その場で衣川さんに「YouTube、一緒にやりません? 」と話を持ちかけたら、「ええやん! 」と二つ返事で快諾してくださったんです。

そこからもの凄いスピードで話が進み、トントン拍子でbaton所属グループとして活動する運びとなりました。

最初に僕と桶家、建築家の八木の3名が参加することになり、そこから仲の良かった藝大メンバーに声をかけ、現在の8人の形にまとまっています。

【10分でわかる】藝大卒クリエイター集団 アートゥーン!って何者!?

アートゥーン!がコンセプトに「芸術をもっと身近に」を掲げる理由

──アートゥーン!が「芸術をもっと身近に」をコンセプトに掲げることにした理由を教えてください。

真田 既存の美術界やクラシック音楽界を見てみると、コンサートや美術展といった「芸術に触れることができる現場」自体は、すでに一般層に向けて広く開かれています。チケット代を払えば誰でも入れるし、無料の展示だって山ほどある。

それにも関わらず、「敷居が高い」と思われていたり、「知識がないから」と躊躇されたりしている。そこに強いもどかしさを感じていました。

桶家 クラシック音楽に関して言えば、歴史的に見れば、現代が最も敷居が低い時代なんです。

クラシック音楽はもともと貴族階級の音楽で、かつてはクローズドな舞踏会や交流会などでしか聴けないものでしたが、今やコンサートのチケットを買ったり、音楽ストリーミングサービスを利用すれば、誰もが聴ける状況になっています。

でも、いざ聴くかどうかとなると、まずその音楽作品の存在を認知しているかどうかという壁があります。

だからこそ、みんなの生活に根ざしているYouTubeやTikTokといったSNSを通じて、まずは知ってもらえるきっかけをつくりたい

そこから、より深みへと興味を伸ばしてくれたら良いなと思っています。

アートゥーン!の最も再生されている長尺動画(記事執筆時点)

真田 僕ら自身、藝大で自分の専門外の表現に触れて、世界が広がる面白さを経験してきました。

その最初のきっかけさえあれば、誰でも芸術を楽しめるはずです。その入り口を提供できる場として、YouTubeというプラットフォームを選びました。

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  • アートゥーン!真田「『ハイカルチャーは難しい』と遠ざけるのはもったいない」
  • 日常生活の中の小さな嗜好性や表現への欲望こそ“芸術”
  • アートゥーン!桶家が投げかける“言語化”への問い

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