境界線を飛び越えて──ボーカロイドが繋ぎ、残した文化と才能
かつてニコニコ動画で一斉を風靡したボーカロイドの文化。
「歌ってみた」や「踊ってみた」等の音楽の同人・二次創作だけでなく、そのキャラクター性を用いた創作群は小説になり、ゲームとなり、様々な商業的なエンターテイメントをもたらした。
一時は「衰退論」が囁かれたものの、才能あるクリエイターの存在は潰えなかった。現在は主戦場となるプラットフォームを移し、YouTubeやTikTokでさらに新しい才能が登場し、さらに裾野を拡大し続けている。
ボカロPとしてキャリアを積んでから、J-POPシーンの勢力図を塗り替えるようなアーティストの存在も当たり前の状況となった。私たちは、”ボカロ以後”の音楽を聴いている。
このような状況の変化とボカロ文化のさらなる成長と発展について、本連載ではボカロ文化を下支えしてきたキーマンたちに取材。ボカロ文化とは何だったのか。そして今後はどのようなシーンを形成していくのか。