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2023.03.29
Mori Calliopeが語るネットラップ、言語の壁を越えてリスナーたちと向き合う方法。
死神の素顔が見え隠れするスリリングなインタビュー。
クリエイター
この記事の制作者たち
「活動開始当初が、私の楽曲が最も支持されなかった時期でもあると思うんですよね。視聴者には『芝居がかっている』ように見えてしまって、すぐに飽きられてしまっていた…」
Mori CalliopeというバーチャルYouTuber(VTuber)がいる。
カバー株式会社が手掛けるVTuber事務所『ホロライブプロダクション』傘下の「ホロライブEnglish」に籍を置く彼女のYouTubeチャンネル登録者数は200万人を突破しており、動画の総再生数は3億回を超える。
カリオペの最大の武器は、自身が全作詞を担当するオリジナルの楽曲群だ。VTuberデビューから2年足らずでEP2枚とアルバム1枚をリリースし、この4月にはユニバーサルミュージックのEMI Recordsからメジャーデビューを果たした。
そんな彼女が自身の音楽活動のルーツに言及する際、「(日本の)ネットラップ」というキーワードが使われてきた。さらに彼女の楽曲のクレジットを確認すると、ネットラップシーンと縁の深いプロデューサーやアーティストの名前が並んでいる。
彼女は一体何者なのか。そして、彼女はこのマイナーなサブジャンルをいかに駆使して、VTuberとアーティストの壁を越えたのだろうか?
死神の素顔が見え隠れするスリリングなインタビューが始まる。
目次
- 「最初はラップするのがすごく怖かった」
- Mori Calliopeは『ヒップホップ』なのか?
- 死神VTuberのつくり方 ―Calliope流キャラクターソング論―
- 「英語だけで日本人に共感してもらうのは難しいよ」
- 「でも、日本語のラップは面白い!」
──この度はマレニア戦(ゲーム『エルデンリング』のボス)でお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。
Mori Calliope まだ倒せていないんですよね(笑)。今日中には倒したいと思います。
──そんなわけであまりお時間も取れないようなので……
Mori Calliope 大丈夫です(笑)。
──改めて、EMI Recordsからのメジャーデビューと1st EPのリリース決定おめでとうございます。
Mori Calliope ありがとうございます!
──Mori Calliopeさんは自身の音楽のルーツをネットラップだったと語られていますが、私自身もネットラップというかニコラップのファンだったので……。
Mori Calliope わかります、わかります。RainyBlueBellとか本当に大好きです。
──ネットラップに出会ったきっかけは?
Mori Calliope きっかけは学生時代に観たFAKE TYPE.のMVでした。彼らはDyes Iwasakiとトップハムハット狂から成るグループで、過去にはニコラップというジャンルでも精力的に活動していたんです。
彼らにハマっていくうちに、らっぷびとやアリレム(ALILEM)やRainyBlueBellといったアーティストをYouTubeがオススメしてくるようになったんです。正確には、彼らがニコニコ動画にアップしていた動画の再投稿版だったんですけど(笑)。
──なるほど。それでは、最初はネットラップのMVやキャラクタービジュアルに惹かれた感じですか?
Mori Calliope アニメーションを勉強していたので、もちろんキャラクタービジュアルや、そこに込められたストーリー的なものにも興味を持ちました。すごいクールだなと思って。
でも、音楽自体にも惹かれましたね。私が聴いて育ったラップや、欧米で当時人気だったラップと比べて、日本語のネットラップのサウンドはすごくユニークだったんです。よりメロディックで、よりポップな感じだったのが良かったんです。
だから、ビジュアルと音楽の両方に惹かれましたね。
──ネットラップにハマる前は、どういった音楽やヒップホップを聴いていたんですか?
Mori Calliope 正直、あまりラップ・ミュージックのファンではなかったんですよ。
昔はロックが好きで、主にアメリカのパンクバンドを聴いていました。でも大人になるにつれてラップも聴くようになって、「ロック以外も面白い」と思うようになりました(笑)。
──そこは誰もが通る道ですよね(笑)。
Mori Calliope それで有名どころのエミネムとかを聴くようになりました。彼のフロー(*ラップにおける節回し)やスタイル、言葉遊びからは非常に影響を受けていますね。
その他にもN.W.Aみたいな大御所も聴きました。彼らのストーリーテリングがすごく大好きで。
──ラップ自体はネットラップに出会ってすぐに始めたんですか?
Mori Calliope 実は、最初はラップするのがすごく怖かったんですよ。
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