Column

  • 2022.06.15

ラッパー・ハハノシキュウによる「読むだけで口喧嘩が強くなるコラム」

空前のMCバトルブームが起こり始めていた2016年。

「読むだけで口喧嘩が強くなる」を謳い、実際にテキスト上でMCバトルを繰り広げつつMCバトル指南を行うという、ラッパー・ハハノシキュウによる離れ業への挑戦の記録。

ラッパー・ハハノシキュウによる「読むだけで口喧嘩が強くなるコラム」

クリエイター

この記事の制作者たち

女子高生と俺は光合成するようなスキルでまずはマイクを持つ
漢a.k.a.GAMI /vs SALVADOR戦ROUND2@フリースタイルダンジョン

これは、ラッパー・ハハノシキュウによるMCバトルコラム連載の第0回である。

※本稿は、2016年に「KAI-YOU.net」で掲載された連載を再構成している

先攻1本目・KAI-YOU編集部

はじめまして、KAI-YOU編集部です。突然ですが、MCバトルというものをご存知でしょうか?

これは、先攻/後攻に分かれたラッパー同士が即興でラップを行う手法・フリースタイルで、互いのプライドをかけて熾烈な戦いを繰り広げるというものです。

1試合ごとに生まれる数々のドラマや、流れる様に繰り返されるフロウ、一瞬にほとばしるMCたちの圧倒的な熱量といったさまざまな魅力が重なりあい、若者を中心に注目を集めています。

「3 ON 3 FREESTYLE MC BATTLE」「B-BOY PARK」「UMB」といった日本3大MCバトルといったMCバトルをはじめ、「BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」やZeebraさんがオーガナイザーをつとめたTV番組「フリースタイルダンジョン」も回を増すごとに話題を呼んでいきました。

戦極MCBattle」や「凱旋MCBattle」といった大会も、現在ますます人気で隆盛を極めています。

密着『KOK2021』MCバトルの舞台裏「震える、何回やっても」

そんな熱狂的な盛り上がりをみせている一方で、互いを罵り合う(disる)というMCバトルの特性から、ヒップホップに詳しくない方たちからすると「ちょっと怖い」というイメージも強いよう。

そこで、あらゆるポップカルチャーの発信をモットーとするKAI-YOUでは、MCバトルの魅力をお伝えするため「オタク系ラッパー」と評されながらも唯一無二の存在感を見せつけ、長年にわたりMCバトルというカルチャーに身を投じているハハノシキュウさんに連載記事の執筆を依頼!

MCバトルをテーマに、ハハノシキュウさん本人がラップにこだわる理由や、ステージに立つラッパーの視点からしか捉えられないシーンの状況をさまざまな角度から綴っていきます。

今回は、連載を目前に控えた第0回として、MCバトルとは一体なんなのか? というところから、ハハノシキュウさんに改めて語っていただきましょう!

後攻1本目・ハハノシキュウ

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「3 ON 3 FREESTYLE MC BATTLE」「B-BOY PARK」「UMB」といった日本3大MCバトル、という一文が妙に引っかかった。なぜなら2016年時点のバトルシーンにおいて編集部のいう「日本3大MCバトル」は存在しないからだ。

正確には存在し過ぎている。日本のMCバトルは、代表的なものを3つに絞ることができないくらい数多く存在し過ぎている。

という具合に、僕は非常に性格が悪い(みなさまがこうして読んでくれている文章ですが、初校はあまりにも性格が悪すぎてお蔵入りになりました)。

編集さんがなけなしの知識で一生懸命蹴ってくれた先攻の1バースに早速ケチをつける。そして、ケチをつけることによってMCバトルというものを体感してもらえたら幸いだ。

>「3 ON 3 FREESTYLE MC BATTLE」
2016年現在、この名称のイベントは行われていない。

>「B-BOY PARK」
近年は代々木公園を解放した大々的なMCバトルを開催していない。

>「UMB」
行われているが、LIBRA主催のものと9SARI GROUP主催のものと2つの「UMB」が別々で開催されている。

時代は変わる。

数が多いのでDVDが流通で販売されているものに限定するが、2016年時点で活発なMCバトルイベントを箇条書きで紹介していく。

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いずれも極めて高い人気をほこるイベントだ

「高校生RAP選手権」「戦極MCBATTLE」「THE 罵倒」「ENTER」「ADRENALINE MC BATTLE」「AsONE -RAP TAG MATCH-」。さらに、9SARI GROUP主催「UMB」がその名を変えて「KING OF KINGS」として再始動している。

これだけMCバトルの大会を羅列したが、僕の文章を読んでいただくにあたり、上記の知識は特に必要ないと宣言しておく。編集さんのバースに早速ケチをつけたように、なにもステージの上だけがMCバトルの真実ではないからだ。

というわけで、前振りが長くなってしまったが、僕の話を始めさせてもらう。2015年10月上旬、僕はラッパーとして一件の仕事の依頼を受けた。それは、アイドルにラップを教えるといったものだ。

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