KMNZ衣装手がけた「モリオン航空」インタビュー VR時代のファッションとは
2021.07.13
誕生して50年以上経ち、熟成を重ねて、国内でも新たな局面を迎えつつあるヒップホップシーン。目まぐるしく音楽トレンドが移り変わる中、ヒップホップコミュニティーがメタバース空間上にも広がっていることを知っているだろうか?
クリエイター
この記事の制作者たち
ソーシャルVRサービスのひとつ「VRChat」では、毎週木曜の深夜にVR空間に集まってフリースタイルサイファーを実施しているコミュニティが存在する。その名は「Cipher Communication Circle(通称・C3サイファー)」。
今回、VRChatを基点に精力的に活動するVRヒップホップユニット・CROWKのMCでもあり、日本のVRChatコミュニティ黎明期からC3サイファーを主宰してきたSeathree a.k.a. WisKさん(以下、WisKさん)に2時間におよぶインタビューを実施。
VRという新しい「地方」で芽吹くヒップホップの実像に迫る。
「C3サイファー」主宰者のSeathree a.k.a. WisKさん。今回はインタビューもVRChat上で実施した。
目次
- VRChatのサイファーコミュニティ「C3」とは?
- 「俺、ヒップホップをろくに知らなかったんですよ」
- ゲーマーがヒップホップコミュニティを建てるまで
- C3サイファー誕生秘話「世界初 VR MCバトル主催」
- 6年続けた中で生まれたVRヒップホップシーン
- リアルのサイファーイベントからVRChatに来たケースも
- VRとリアルのフリースタイルの違い
- 「リアルはやっぱり憧れがある」現場で感じたVRとの違い
- VRヒップホップが「リアル」と認められる日は来るか?
- 目指すは10周年──VRChatという「地方」で待つ未来
そもそも「C3サイファー」とはどんなコミュニティなのか。そこからお伝えしよう。
「Cipher Communication Circle(通称・C3サイファー)」は、VRChatで発足したヒップホップコミュニティである。主な活動は、毎週木曜の夜にVRChat上の専用ワールドでおこなうフリースタイルラップのサイファーイベント。現在コミュニティのDiscordサーバーには国内外問わず300人ほどの参加者がいる。
Youtubeのバトル用ビートやTypeビート音源を、ワールド内の動画再生プレイヤーで再生し、各自3-5人程度の輪をつくりフリースタイルラップをする。
入退場は自由。毎週20人から30人ほどのメンバーが、思い思いに自分のフロウを披露している。日付が変わる頃にはイベントはお開きだが、その後熱量高く深夜までサイファーを続ける者もいる。
「C3サイファー」開催の様子。このように円となって現実のサイファー同様にフリースタイルを行う
現在、コミュニティ発足から6年目。ほぼ毎週続けているサイファーイベントの開催回数は300回を超えた。
他にもサイファーメンバーの1人であるryouryouさんが企画する「One Week Challenge」では指定のビートとお題で1週間以内に曲をつくり披露し、お互いのLyricやフロウに刺激を受け合う企画があったり、音源制作の機材相談に乗りあったり、Discordのボイスチャット機能を使ったサイファーをしたり、活動は多岐にわたる。
2024年秋には音楽即売会イベントM3に、有志メンバーでサークル出展を実施。活発にヒップホップを楽しんでいるコミュニティと言えるだろう。
コミュニティが続く中で、実際にラッパーとして活動をはじめるメンバーも複数出てきた。
VR上でライブ活動や音源リリースをするユニットやラッパーは20組近く存在しており、主宰のWisKさんのVRヒップホップユニット・CROWKは結成5年目にして、川崎のCLUB CITTA'を中心に開催される音楽ライブイベント「Vの宴」に2回出演した実績を持っている。
もともと大阪・北海道で実際にMCバトルに参加していたゴンザレス下野など、リアルでラッパー活動をしていてVRChatに参入してきたメンバーも数割存在し、未経験からVRChatでラップをはじめたメンバーと切磋琢磨している。
VRというニッチな「地方」での局所的な盛り上がりを少しは感じてもらえたと思うが、次のセクションからはWisKさんに順を追って話を聞いていく。
──「VRChat」でサイファーをはじめたのはどういった経緯だったのでしょうか?
WisK 俺、ヒップホップをろくに知らなかったんですよ。一時期、90年代後半から00年代くらいかな。日本でヒップホップが覇権を取るくらい流行った時代を通ってきたんですけど、俺は当時歌唱至上主義者の過激派だったので、ラップは全く聴かなかったんです。
──え、そうだったんですか!てっきりVRChatはじめる以前からヒップホップお好きなのかと思いました。
WisK だから、まずはVRChatをはじめたところから話しますね。
続きを読むにはメンバーシップ登録が必要です
今すぐ10日間無料お試しを始めて記事の続きを読もう
残り 12244文字 / 画像10枚
800本以上のオリジナルコンテンツを読み放題
KAI-YOU Discordコミュニティへの参加
メンバー限定イベントやラジオ配信、先行特典も
※初回登録の方に限り、無料お試し期間中に解約した場合、料金は一切かかりません。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。