「幸せになっちゃダメだと思っちゃう」充実してるのに不安。ラッパーCharluの告白
2025.06.12
クリエイター
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41歳の主婦が、今漫画関係者を騒がせている。
『バ先のパート主婦(41)を家に連れ込んだら10年ぶりの汗だく本気セックスで巨乳首ビン勃ち放尿アクメした話』。
2025年1月にアダルト作品販売プラットフォーム・FANZAで発売されたエロ漫画であり、生成AIによって制作されたことが明言されている。11万ダウンロードを超える大ヒットを記録、さらに5月に発売された続編は3日間で4万DLを超え、2025年6月現在、男性向けAI生成作品の歴代売上本数ランキングで1位と3位に踊り出た。
こうして『バ先のパート主婦』は、「AI漫画時代の黒船」として、エロ・一般を問わず多くの業界関係者を震撼させた。
『バ先のパート主婦』サンプル/画像はFANZAより
今回、KAI-YOU編集部と私、エロ漫画批評家の新野安は、『バ先のパート主婦』の作者であるmamaya先生への取材にこぎつけた。
プラットフォームの流行をどう読み解き、AIとエロでどう稼ぐのか。AIにより極限まで効率化された、新時代の漫画制作とはいかなるものか。
──そんな話を予想していた我々の前に現れたのは、ジリ貧の生活の中で家族と自分の人生を性癖に賭け、不器用ながら真摯に創作へ向き合う「エロ漫画バカ」の姿。そして彼の、日進月歩のAI界隈において、異質なほど「真面目」な漫画制作手法だった。
目次
- 「茶色い◯◯」の封印を解いたら……
- 家族の生活を背負い、AI同人に賭ける
- AIエロ漫画、その驚きの制作手法とは……?
- AIが生み出す、絵柄の化学反応
- 『橘さん』、フリーハンド魂……影響を受けた名作たち
- 「AI漫画も人間がつくってんだな」と思ってほしい
──まずはおめでとうございます! 1作目はすでに11万DLを突破し、2025年5月17日に発売された2作目も月間ランキング1位ですよね。『バ先のパート主婦』のAV化も決定しているとのことで、もはや「AIとしては」なんて枕詞が不要なエロ漫画界の大ヒットだと思います。ご自身としては、どんな感想をお持ちですか?
mamaya もうなんか、意味がわからないというか、飲み込めてないですね。自分の身の丈を完全に超えた異常な売れ方をしていて、ちょっと呆けています。もちろん、総合ベストテンに入ることを目指してコツコツ頑張っていて、少しずつ順位も上がっていたんですけど、まさか突然こんなことになるとは……。
──ご自身としても、意外なヒットだったと。
mamaya そうですね。僕は企画(の立案)にめちゃくちゃ時間をかけるタイプで、AI作家としても筆が遅いんです。それを同人仲間に相談したら、「一回、何も考えずにつくってみたら?」って言われて、そこからつくりはじめたのが『バ先のパート主婦』なんですよ。
──「何も考えずにつくる」というのは、具体的にはどういうことでしょうか?
mamaya 今まで封印してたんですよね。茶色い……とか。
──茶色い何ですか?
mamaya 茶色い乳首とか。
──えっと……どういうことでしょうか(笑)。
mamaya 僕のフェチなんですよ。やっぱり人気があるのはピンクの乳首じゃないですか。でも、僕が好きなのは茶色い乳首だったり、リアルな体型だったり、40歳を超えたヒロインなんです。僕自身がアラフォーなので、そういうくたびれた熟女に惹かれるんですよね。
でもこれまでは、描写がリアルすぎると読者に忌避感を持たれると思って、避けていたんです。今回は、そういう余計なことは考えずに、自分の性癖を全部詰め込んでみた。そしたら突然大ヒットしたので、驚いているんです。
──なるほど……! 先生のサークルでは、もともと母子ものや熟女ものが多いですが、そのあたりも先生のご趣味が反映されているのでしょうか。
mamaya その通りですね。自分の性癖ですし、そこを外したら意味がないと思っています。
AI同人をはじめたいという方に向けて、X(旧Twitter)のスペースでお話をすることがあるんですが、創作活動を一切してこなかった方が本当に多いんですよ。僕もそうだったんですけど。
そういう方って、そもそも何かを伝えたくてはじめているわけではないので、どうしてもマネタイズが先行しがちなんです。僕もそういう気持ちがゼロというわけではありません。副業を色々試した結果、今AI同人に行きついているので。でも、最終的には自分で企画を立ててキャラクターをつくらなきゃいけない。そのとき、マーケティングだけでユーザーさんの股間にぶっ刺さるものがつくれるかっていうと、それは無理だと思うんです。
やっぱり、創作性が大事なんです。だからスペースでも「性癖の棚卸し」をしましょうと話しています。自分がFANZAで何を買っているのか見直して、自分の性癖をちゃんと見つめ直す。自分が何を表現したいのかをはっきりさせる。そもそもFANZAで買い物したことすらないって人も多いんですけど、それじゃユーザーのニーズなんてわかるわけがないですよね。
熟女や母子ものも、もちろん自分の性癖がベースになっています。だからこそ『バ先のパート主婦』が売れてくれて、ホッとしました。
──私も今、ちょっと安心しました。情報商材とか副業収入にしか興味がない人が出てきたら、どう話を進めようかと身構えていたところだったので(笑)。
mamaya そこは両輪だと思います。もともと同人って、同好の士と一緒に楽しむためのものでしたよね。同じアニメが好きな人たちで盛り上がって、「お心遣いで印刷代をいただきます」みたいな。
でも今のDL同人は、完全に産業として成立しています。僕もビジネスとして攻略して、儲けたいという気持ちはあるんです。でも、割り切れていない自分もいて、「人妻熟女のこういうところがエロいよね」っていうのも、読者と共有したいんです。だから感想をもらえるのが本当に嬉しいんですよ。
──先生の作品のレビューって、「AI漫画としてどうこう」ではなく、「ヒロインがめちゃくちゃエロい」とか「可愛い」とか、そういう内容が多いですよね。
mamaya そう、それが一番嬉しいんです! AIの絵が嫌いとか、そういうフィルターをぶち抜いて、キャラクターを好きになってもらいたい。そのために描いているんです。
ここで、「情報商材」「マネタイズ」といった言葉のニュアンスについて少し補足しておこう。このやりとりの背景には、現在、AIによる同人作品の制作が、「働かずに儲ける方法」として喧伝され、創作に関心がない人々を引き付けているという事情がある。
このあたりの界隈の雰囲気は、Googleで「AI 同人 情報商材」で検索したり、KAI-YOU Premiumの連載「AI時代の手引書」を読んでもらえればわかると思う。
現在、FXやアフィリエイト、まとめサイトといった類と同じ、やや胡散臭いバズワードとして、AIエロ同人が存在しているのだ。そうした匂いに引かれた人々によって、粗雑なAI作品が日々生み出され、FANZAに毎日数百件単位で登録されている。エロ同人に限った話でもなく、音楽やイラストの業界でも、同様の状況が起こっている。
mamaya先生は、自身の出自がこうした界隈にあることを否定しない。しかしながら、「創作性」や「性癖」へのこだわりには、「儲けたいだけ」のAIユーザーと一線を引こうという意思も感じられる。彼がAIエロ漫画へ向かったモチベーションはどこにあるのだろうか。
──先ほど創作の経験がなかったとおっしゃっていましたが、漫画だけでなく、イラストや小説なども含めて、何も経験がなかったんでしょうか。
mamaya もう一切何も。ただの読み手のおじさんですね。
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