『映像研』×chelmico MV監督 田向潤の「Easy Breezy」ではない制作の裏側
2021.09.10
渋谷や銀座、恵比寿──場所がカルチャーの器となり、時代を駆動させてきた歴史がある。原宿はユースカルチャーの街であり続けたが、2000年代初頭までは、ポップカルチャーを推進するコンテンツ業界から軽視されてきた。
それでも原宿の可能性を信じ、こだわり続けた結果、世界を巻き込んだ1人の男がいた。原宿という場所の持つ力とは何なのか?
クリエイター
この記事の制作者たち
ASOBISYSTEM(アソビシステム)は、きゃりーぱみゅぱみゅさんやcapsule、中田ヤスタカさんといった現代を代表するアーティストが所属する会社。
その事業内容は幅広く、クラブイベントの企画運営にはじまり、ファッション事務所としての役割や、メディア運営なども行い、それぞれがリンクした複合的なビジネスを展開している。
カルチャープロダクションとしての横断的な活動は「カルチャー×ファッション×音楽の融合、そして原宿」というテーマのもとに行われ、多くの原宿系と呼ばれるアーティストやモデルが所属して様々なプロジェクトや作品を発表。その形容しがたい「アソビらしさ」から、若者を中心に支持を集めている。
ASOBISYSTEMの代表取締役社長をつとめる中川悠介さんに、創業の経緯やきゃりーぱみゅぱみゅ誕生の舞台裏、そして、原宿に10年以上こだわり続けるその真意を聞いた。
取材・執筆:米村智水 取材・編集:新見直
目次
- クラブから生まれたASOBISYSTEM
- 原宿という場所性が生み出すネオ・カルチャー
- 現代の速度、きゃりーぱみゅぱみゅというアイコン
- アソブための思想! アソビシステムというチーム
- ブレずやり続けることの強さ
- 世界と遊ぶためのシステム=コンテンツ
※本稿は、2013年6月「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
ASOBISYSTEMが開催するイベント「ASOBINIGHT」
──きゃりーぱみゅぱみゅさんの人気に顕著ですが、傍から見ていても、中川さん率いるASOBISYSTEMは飛ぶ鳥を落とす勢いの会社だと思います。まずはそんなASOBISYSTEMがどのように発足していったのでしょうか?
中川悠介 最初のきっかけは2002年に開催して5年間続けた「美容師ナイト」というクラブイベントを企画したことです。
月曜日だと安くクラブが借りられて、しかも美容師は平日の休みも多いから、原宿で有名な美容師にも出演してもらって1000人規模の集客があった。そのころ企画したメンバーと一緒に、これを会社にしたら面白いな、と思ったんですよね。そうやってイベントを続けていく中で、どんどん原宿関係のクリエイターやDJ、モデル、イベンターといった人脈が広がっていった。そこで一念発起してASOBISYSTEMをつくりました。
──これは僕らの経験で申し訳ないのですが、イベントでの収益化はとても効率が悪いし、リスキーなものだと思うのですが……。なぜそれを会社に?
中川悠介 そうですね(笑)。
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