インディーゲーム、VTuber、TRPG…新世紀を切り開く「同人」という魔法
2021.01.27
アニメ『SSSS.GRIDMAN』から考える、特撮的想像力の拡がり(とその閉塞性)について。
※本稿は、「KAI-YOU.net」にて2018年に配信された記事を再構成して掲載したもの
「……『大日本人』だこれ」
アニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』を見て、そう思ってしまいました。独特のリズムを持った本作は、平成が終わる年に“平成怪獣特撮”というジャンルで黙殺された要素を抱えていると感じます。
一体『SSSS.GRIDMAN』の何を見て『大日本人』だと感じたのでしょうか? そして平成特撮とはなんだったのでしょうか。一言で言い表すなら、僕にとって新条アカネは松本人志です。
※この記事には『SSSS.GRIDMAN』のネタバレが含まれております。ご注意ください。
目次
- ドキュメンタリー的な怪獣特撮アニメとは?
- 公開から11年『大日本人』の持っていた可能性
- 怪獣特撮のもうひとつの可能性を追求していた両作
1993年に放送された円谷プロ制作による『電光超人グリッドマン』。日本アニメ(ーター)見本市にて公開された短編アニメーション版を経て(外部リンク)、2018年10月より、最新作『SSSS.GRIDMAN』が放送されました。
『キルラキル』のTRIGGERが制作すると聞いたとき、アップテンポな演出に期待した自分は、『SSSS.GRIDMAN』のある種ドキュメンタリー的な手法に驚きました。
「ドキュメンタリー的」というのは、まるで現実のハンディカメラで撮影したかのようにアニメのキャラクターを映す質感のことです。第1話を観たとき、冒頭から戦闘までBGMがまったく入っていないことに驚きました。環境音や部活の音が無造作に入り込み、ジャンプカットもガンガン入っています。
これらは『涼宮ハルヒの憂鬱』の「サムデイ イン ザ レイン」や『リズと青い鳥』を代表とする、京都アニメーションの手法を思い出させます。ドキュメンタリー的な演出によって、キャラクターがまるで現実にいるかのように感じさせる効果を出した、先駆的なスタジオです。
ただ『SSSS.GRIDMAN』は、「ドキュメンタリー的」と言い切れるわけではありません。話数によっては、あまり気持ちよくない映像のリズムだったり、奇妙なカットもいくつか入っていたりします。つまりは映画の素人がつくったように見える部分すらあるのです。
もちろん、その「下手さ」は意図的なものでしょう。
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