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2022.11.05
ディスに対してアンサーを返すヒップホップ文化における「ビーフ」。日本語ラップのビーフ事情とは?
※本稿は、2016年に「KAI-YOU.net」で掲載されたものを再構成している
クリエイター
この記事の制作者たち
ヒップホップにおけるビーフについて書くよう依頼を受けた。
しかし「そもそもビーフって何?」という読者も多いはずだ。まずそこから簡単に解説しよう。
目次
- ビーフは、間違いなくヒップホップの目玉のひとつである
- 日本のビーフ事情とは 「K DUB SHINE VS DEV LARGE」から考える
- ビーフ「K DUB SHINE VS DEV LARGE」のポイントは2つ
- 必ずしもディスに対するアンサーがあるわけではない
- 過熱したビーフは肉弾戦にも発展
- エンターテイメントに振り切ったビーフも
- 日本のヒップホップに、ビーフは華を添えるのか?
ビーフとは、ラッパー同士が楽曲を通してディスりあうことなどを指す。では、なぜ「牛肉」(BEEF)なのか。
元ネタは1984年にアメリカで放送されたファストフードチェーン・ウェンディ―ズのテレビCMだ。このCMでは他社のハンバーガーの肉の小ささを揶揄するため「肉はどこ?」(Where's the beef?)と繰り返す。
この挑発的なキャッチフレーズから、BEEFがディスりあいを意味するようになった。
アメリカのヒップホップでは、今に至るまでビーフが絶えない。というより、ビーフがヒップホップの目玉のひとつであると言ったほうがよいだろう。
西海岸勢と東海岸勢のラッパー達がディスりあった東西抗争が最も有名だ。このビーフはノトーリアス・B.I.G.と2PACがそれぞれ銃殺されるという最悪の結果になった。
ほかにも、2000年代前半に合計7曲でお互いをディスりあったJay-ZとNas、ヒップホップ雑誌『The Source』をディスったエミネムなど、トップのラッパー達もビーフに参加している。
近年でもドレイクとミーク・ミル、カニエ・ウェストとウィズ・カリファ、同じくカニエとテイラー・スウィフトなどのビーフが記憶に新しい。
では日本のビーフ事情はどうだろうか。
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