VTuberビジネスモデル総まとめ 2023年の生存戦略に求められるアップデート
2023.11.08
TVアニメ『SPY×FAMILY』のシーズン2が2023年10月から毎週土曜に放送中だ。
OP主題歌はAdoさんが歌唱する「クラクラ」。OP映像の演出はアニメーション監督の湯浅政明さんが手がけている。
2020年代における最重要アーティストの1人であるAdoさんと、『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『映像研には手を出すな!』など、独特な躍動感が冴えるアニメーションで知られる湯浅政明さん。
そんな2人が、「少年ジャンプ+」人気作のアニメ化で、贅沢な“共演”を果たした。
OP映像で描かれるのは、フォージャー家の優雅でアクロバティックなティータイム(?)。これまでの『SPY×FAMILY』OP映像の中で最も人間離れしたアクションシーンが、どうコミカルかつリズミカルに表現されたのか、掘り下げていきたい。
※画像はすべて『SPY×FAMILY』ノンクレジットOP映像より
本稿は、KAI-YOU.netで2023年10月に公開された記事を再掲載したもの
目次
- 印象的に登場するドット表現:コミック媒体との接点
- 冷戦時の大衆文化をオマージュする『SPY×FAMILY』
- アニメ表現の妙、人間離れな紅茶を使ったアクション
- Official髭男dism、星野源、そしてAdo──『SPY×FAMILY』と音楽
アニメ『SPY×FAMILY』のはじまりを告げる「クラクラ」を用いたOP映像。
冒頭から、背景に使われたドット柄が印象的に映る。映像全体を通じて、様々な場面からドット柄を見つけるのも楽しいかもしれない。
例えば、一瞬よぎるシーケンスの切り替え場面でも。
そしてスピーディーなカーアクションのシーンにも。
OP映像で繰り返し使われるこのドット柄は、ただ背景として存在しているわけではない。
これらを通じて筆者が思い浮かべるのは、漫画のトーンだろう。そして、その理由は『SPY×FAMILY』がコミックス原作であることだけに限らない。
原色的なドットからは、漫画やアニメーションを参考にしたポップアートで有名なアメリカの画家であるロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)さんとの接点が見られる。
『SPY×FAMILY』は20世紀冷戦期の大衆文化をオマージュしている。
作中のオマージュ対象にハリウッドのスパイ映画があることを踏まえると、同じく1960年代のアメリカ芸術の作法をつくり上げたポップアーティストのリキテンスタインさんの活動範囲も、オマージュ対象として重なるのではないか。
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