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  • 2019.07.20

Vol.1 再生と反省、YouTubeが仕事になった瞬間

変化した、禁断ボーイズの人間関係と役割

メサイア_1.jpg

──これは普段から活動を追って動画を見たり、改めて映画を見直して思ったことなんですが、メサイアさんが特にいっくんさんや禁断ボーイズというチームに対して、反抗的だなって印象を受けました。

メサイア イェーイ!

一同 (笑)

──不満を感じることは多いんですか?

メサイア 多いよん! でも、いっくんが頑張ってるのは間違いないんよん、それはもう間違いにゃい。一番頑張ってるのは知ってる。でもやっぱり口調とか、言うタイミングとか、あるじゃにゃいですかん(笑)。そういうのがあるから、カチンときたり。

でも時間をかけて、穏やかになってきた(笑)。いっくんだけじゃなくて、みんなもそうかも。鋭すぎた棘がなくなってきた気がする。

モーリー 大人になったというか。前のみんなも良いんですけどね。僕は、本当にどっちも好きですね。

いっくん 昔ほどは言わなくなったからね。人ってやっぱケツ叩かれる方が頑張れるじゃないですか。

田中 モーリーとメサイアに関しては特に、喧嘩したときに俺といっくんが怖いって言ってそれで仕事場に全然来なくなってしまって。ずっと不登校児だったんですけど、ここ1年ぐらいはしっかりしてきて「ああ今日も来ねえよ」と思わなくなった。でもいっくんは頑張って抑えてるよね。

いっくん いや、もう昔みたいに俺はできないな。

田中 たまにめちゃくちゃ出てるけど(笑)。

いっくん もちろん出ちゃう時はあるけど、追い込まれたりしてたら……。でも人として無理になってきたな、あんまり人を怒ったりすること。

田中 怒るというかブチ切れるんですよね。

──具体的にどういうことでブチ切れたりするんですか?

いっくん 何でキレるんですかね。

メサイア しょうもないこともあるよにゃ〜。

モーリー 結構あるかもしんない。

いっくん 本当に僕は理不尽なんです。チームとしてうまくいってない時にすごい、何が正解か分からないからとりあえずキレてるみたいなのは多い気がしますね。

田中 でもバカなんで、残り3人が。だからやっていけてるのかもしれない。考えが楽観的なんで、現実逃避する。メサイアはずっとドラえもんばっか見てるし。

メサイア いや面白いんだよん、ドラえもんは本当にん。

田中 あまりに楽観的なんで、お前ら一緒に考えてくれよ、っていっくんは思ってる。ワンマンでやりつつも、心配になると一緒に考えてくれよっていう。いろんな面を持ってるのがいっくんだから。考えることが多くなってパンクしそうになると、暴発するのは普通ですよね。

いっくん まあそこでキレないほうが人間として良いけどね。俺はキレないと感情表現できなくて。本当は助けてって、一緒に考えてって言いたいんだけど、キレちゃう。でもまあなるべく一緒に考えて……。

田中 最近はそう。キレる前にキレそうだなって自分で気づいて「もう俺やばいからね、今助けろよ」って言うようになった(笑)。わかりやすくて良くなったよ。

いっくん 人に何かを頼むのって弱い部分を見せるみたいな感じがするんです。そういうのが嫌だっていうプライドがあるんでしょうね。しんどいとか、こういうのやって欲しいとか、言ったらいいんですけど、人にもの頼むのが苦手なんですね。田中さんは意外と得意。

田中 俺が(笑)? 時間をかければ、例えばいっくんの仕事を俺が考えることもできるけど、でもいっくんは「自分のほうが考えられるし、負けたくない」みたいな気持ちが根本にあるから人に頼めないところもあるのかな。こっちもこっちで考えが浅い状態で言うとめっちゃ突っ込まれまくって、ひねり潰されるんで。だからちょっとビビってる側面はありますよ、僕もモーリーも。

──いっくんの話にもあった通り、組織づくりという点について。今は周りに編集チームや、サポートしてくれる人たちも多いと思いますが、4人の中で不満や悩みを話せないと思った時に、相談できる人はいないのでしょうか?

田中 全然いなくて。そういう人に出会えるのは2〜3年で1〜2人とかですよ。

メサイア 俺はインキャの友達にめっちゃ話してにょ。俺はインキャの友達にめっちゃ話してにょ。

田中 2回言いましたね(笑)。

いっくん 相談する時って誰かの悪口を言っちゃうじゃないですか。ムカつくみたいな。それって良くないよなって思っちゃいません? でもそれって別に悪いことじゃないじゃないんだよね。それでストレスを発散できて、次の日にメンバーと会って仲良くできるなら全然良いじゃないですか。溜め込んでギスギスするより全然良いのに、なんか悪口とか愚痴を言うのが良くないなと思って言えないんです。それが一番得意なのがメサイアかな(笑)。

メサイア 俺はね、どうしても言っちゃうんだよにゃ〜(笑)。ガンガン言っちゃうんだよにゃ〜。

いっくん 悪口を言われるじゃないですか、それを友達から聞かされることってあるじゃないですか。そういうのがめっちゃ嫌なんですよね。こいつちっちぇなと思っちゃって。だから自分は言わないでおこうと。大人になるって怖いですよね。でも絶対言った方がいいんですよね、悪口とか。

──ここまで聞いていると、YouTuberグループというよりも、会社っぽいというか。会社での悩み、同僚との人間関係の悩みに似ている気がします。そもそも禁断ボーイズの始まりとしては、いっくんがモーリーさんを誘って、友達同士で始めたという認識であっていますか? 今は4人で禁断ボーイズですが、当初のように友だちという意識なのか、それともどこかで意識が変わったのか。

いっくん 僕は最初っから友だちと思っていないですね(笑)。仲間って感じです。友だちっていう概念はマジないっすね、基本的に。

友達と思ってないのは、悪い意味じゃなくて。でも友だちが入ると俺は無理だな。辛くなる。辛いことを友だちと一緒にやる必要はないと思ってる。友だちなんて楽しいことだけ共有できてたらいい。だから仲間って感じなんです。

メサイア マジで、それ。なんか他の言葉が思いつかんわ。友達もなんかちゃうし。かと言って、仕事って割り切ってるわけでもない。仲間が一番妥当な気がするな、言葉として。

──モーリーさんは初期メンバーですよね、そういう意味でどうですか?

モーリー 僕は、ずっと友達だと思ってます。

田中 モーリーはそう言うと思ってました。

モーリー 逆に友だちと思わないと、僕は無理だと思います。 友だちだからなんとかついていけるというか、許せるというか、一緒に頑張れる。

田中 俺はちょっとだけ(友だちという意識も)あるかな。でも、楽しくやりたいけど楽しくやってるのが得意なだけのやつはいらないなと気付いた。後輩としてかわいいとか、いると癒されるとか──でも仕事できないんだったら、不要だと思ってしまう。それが何か、友だちと仲間との違いなのかなとは最近は思いますね。僕が呼んだやつは何人もクビになってきた。

いっくん 人を入れるって大変。人を仲間にするって大変だから

田中 俺もダメージを食らうからね。どうすればよかったんだろうって、どこが違ったんだろうなって。どこを見抜けなかったんだろうとかすごい考える。

──採用と言っていいのか。採用する時って、どういう形なんでしょうか。

田中 面接はないです。連れてくる奴が事前に見定めて、こういうことできるからって言って。編集マンとして連れてきたやつもいれば、普通の社員のように裏方みたいな形態もあります。

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YouTubeが遊びから仕事になった瞬間