Vol.2 「容姿革命」の本質
2019.06.11
──いわゆるYouTuberって最初はみんな遊びの延長で、友だち同士ではじめる感覚が強いと思います。でもやっていくうちに、変わっていくと思うんですよね。活動を続けるためにとか、お金がついてくるようになったらとか。禁断ボーイズは最初から仕事としてやっていた?
いっくん 僕の意識は仕事です。田中さんも後入りなんで仕事、真剣にYouTube活動をやるってイメージだと思うけど、メサイアとモーリーは最初は全く仕事的な意味合いを持ってなかったと思います。もちろんその時はお金も発生してなかったし。
田中 メサイアは仕事だったんじゃない? ちゃんと禁断ボーイズの動画に出るようになってからは。
メサイア おい、言うにゃよん! 最初は面白そうだからやってみようって──そうだにゃん、どっかのタイミングで、自分の中で仕事に切り替わった時期はあったにゃ。あ、本当は辞めようと思ってたんだにょ。
いっくん それ、何回もあるから。
メサイア でも、ネガティブに辞めるんじゃにゃくて、大学にちゃんと行こうと思った時に……思い出したん。3年前の夏、すごい忙しかったんでしゅよ、禁断ボーイズが有名になった時期で、あん時にいっくんに「いっぱい出てくれ、動画に」と頼まれてん。でも俺は回転寿司のバイトしててん(笑)。正直バイトと両立きついにょと。正直きついにょとなって。
これは本当にいっくんのすごいとこなんだけど、「じゃあ、いくらぐらいバイトで稼いでるの?」と。「だいたいこんなもんですにょ」と。「じゃあそんだけあげるから、その代わり全部動画参加してくれ」と。そんで「ああ、これ(YouTube)はいいぞよ」と(笑)。
だからその時点で俺、仕事に変わったにゃん。お金をもらえる感覚で、完全に仕事に変わったにゃ。そっからあんま文句は言わんようになったにゃ。それに関しては──あ、めちゃくちゃ文句も言ってるにょ(笑)。
──やはり禁断ボーイズと言えば、3年前の夏は凄まじい勢いでした。新進気鋭のYouTuberとして明らかに群を抜いていて、みるみるうちにチャンネル登録も増えていきましたね。
いっくん 田中さん入った時か。その前から少しずつ伸びてましたけどね。でも爆伸びは夏休みか。
──あの夏。当時を振り返ると、どういうテンションで動画投稿をしていましたか?
いっくん 今でも鮮明に覚えてるんですが──過去の話なんで正直に話しますが、僕は自分の好きなYouTubeに対して、凄まじくやる気があって。でもメサイアとモーリーは学校のこともあるし、俺に誘われてやって、完全に遊び半分だった。
ネガティブな意味じゃなく、YouTubeはやはり遊びの延長線で、それが当たり前なんです。でもどうしても俺は仕事としてYouTuberをやりたくて、温度差を感じていた。だから温度感が近い人と一緒にやりたいと思って田中さんを入れたんです。
最初に田中さんが入る時、「大阪来い」って。21歳のガキが、社会人の26歳を「一ヶ月以内に大阪来て」って言って来させて。それで田中さんは職も失って、一ヶ月パチンコばっかしてたんです、ずっと(笑)。でもちょくちょく動画を出してくれて、それが全部面白くて伸びるんです。それで「俺ら毎日投稿したらめっちゃ伸びるんじゃね?」と思って毎日投稿したらめっちゃ伸びました。本当にそんな感じです、マジで。
──その頃は嫌なこともなかった?
いっくん いや、田中さんと壮絶な喧嘩もしました。
──21歳のガキに何でこんなこと言われるんだろうと。
田中 それは全くないですね。普通に「おつかれさま」言ってくれなかったから、キレた(笑)。
──動画を出す/つくるという点で、続ける中で意識が変わってきたと思うんですが「楽しさ」という意味ではどうですか?
いっくん 昔の方が100倍楽しい。
田中 まだ人気がなかったんで、これからどうなるんだろうって。人気になったらどうなるんだろうって好奇心が強かったよね。街中で話しかけられるのかな? とかめっちゃ思ってたし、1年半ぐらいやって一回しか話しかけられたことなかったから。
いっくん はじめての景色を見るのって楽しいじゃないですか。長く続けているとどうしてもマンネリ化してくる。楽しみ方が変わってくというか──完全に仕事になったんだろうな。今はみんなで頑張って、頑張ったから旅行に行くとか、そっちが楽しくなっちゃってますね。あの時は、ただ動画を出すことが楽しくて、周りの反応が楽しくて。
でも今が正常だとは思います。普通に仕事してる人ってそうだし、週5日を頑張って、土日の休みを楽しむとか。僕らもYouTube以外の遊びを探したり、意識していますね。ずっと同じことをやっていると、本当に潰れる。
──他のYouTuberも似たような悩みを抱えていたりしますか?
いっくん どうなんですかね。続いてるのは変な奴が多いとは思います。
──登録者が100万人を超えて休止したり、辞めたりする人が最近増えてきたなと。
いっくん 多いですね。続けられる人と続けられない人に分かれるんです。100万人とかある程度の目標を超えて続けられる人はマジで変人なんですよ。
例えば、ヒカルさんは本当に狂ってます。YouTube界で一番ストイックだと思っていて「頑張ることが楽しすぎる」みたいなタイプです。でも趣味はあるらしいですけどね。Instagramのストーリーに漫画と女って書いたんで。「動画、動画、漫画、動画、女、動画、動画、女」みたいな。後半女多いな(笑)。
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