Vol.1 再生と反省、YouTubeが仕事になった瞬間

Interview

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  • 2019.07.20 18:30:00
Vol.1 再生と反省、YouTubeが仕事になった瞬間

禁断ボーイズ(左から:モーリー、田中、メサイア、いっくん)

ヒカルさん、ラファエルさんといった関西勢の過激系YouTuberを牽引した禁断ボーイズ。2016年の夏に爆発的に人気を伸ばし、様々なライバルを一気に追い抜き、瞬く間にトップYouTuberの仲間入りを果たした。

しかし、2017年に起こしたVALU騒動によって、人気絶頂の最中に急遽活動休止。活動再開後は、かつての過激さや奇抜さはなりを潜め、動画の方向性を模索する期間となる。

トレードマークといえるまでに個性的だった髪色も反省の意を込めているのか、黒に戻したまま。かつてNextStageに所属したレーベルメイトが次第に再生数や登録者数などで復活を見せる中、彼らは2019年現在も未だにVALU騒動をひきずっているように見えた。

しかし、2019年7月20日を皮切りに突如として髪色を元に戻し、さらなるブーストをかけていくことを宣言。なぜ彼らは立ち直ることができたのか。この2年の間に、彼らの4人の間にあったのか。

禁断ボーイズのグループ存続について

KAI-YOU Premiumではこれまでの禁断ボーイズの足跡や、今一度「YouTubeのトップを獲る」と決意を固めた理由、絶望と希望、YouTuberとして、クリエイターとして、人間としての生存戦略のすべてを聞いた。

「人を傷つけない動画」をつくる能力

──モーリーさんが遅刻していますが……。

メサイア はじめちゃましょ〜〜!

田中 スタッフが起こしにいってるはずなんで、二度寝ですね。

──禁断ボーイズといえば、良くも悪くも、2017年のVALU騒動という印象がかなり付いてしまったと思います。その炎上から2年という月日が経とうとしていますが、禁断(ボーイズ)は他の人──もう元気に活動しているラファエルさんやヒカルさんに比べて、未だにその事件を引きずっているように見えている。あれから何を考えて、どういう気持ちで動画投稿を続けてらっしゃったんでしょうか?

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いっくん まず、たくさんの人を傷つけた、という事実があって。そこから自分たちがYouTubeの活動をしている意味というのは何だろうと見つめ直していました。2年前にあの事件が起こるまで、何のためにやっているのかがふわっとしていた。目的はとにかく「チャンネル登録者は伸ばすこと」だったんです。僕らがYouTubeを続けることで多くの人を傷つけてしまうのであれば、別に辞めてもいいんじゃないかと考えるようになりました。

それを考え続けていく中で、僕らがYouTubeをやってる理由は、誰か見てくれる人に喜んでもらいたい、幸せにしたい、元気や勇気与えたいってことだと思った。それが原点だから、人を傷つけることがないようにということを第一優先に、動画をつくるようになりました。

もちろん、何かを表現する上で、誰かが傷つくことは避けられないです。どれだけ有名なYouTuberでも、その人が存在するだけで嫌な人もいる。それは表現する人の宿命として理解しています。けれど、その上で自分たちは恣意的に人を傷つけたり、不快な思いをさせる必要はないと思ったんです。

──VALU騒動があそこまで炎上したのは、禁断ボーイズがある種、その過激さゆえに一部の層から異常なほどに嫌われていたというのは確かにあると思います。具体的に、それまでは人を傷つけていたという自覚があった?

いっくん 正直に言うと以前までは炎上も、小さなものならYouTubeのコメント欄だけで収束して、世間的には問題にならずに、むしろほどよく話題に繋がると思って動画を出していたこともあった。少数といえど誰かが傷ついたり、嫌な思いをする人がいるのを分かった前提でやっていました。もう、そういうスタンスでの動画制作は絶対に良くないから辞めました。

けれど「人を傷つけたりしないこと」を第一優先に持ってくると、自分たちにはその力が足りないと思った。今までの禁断ボーイズは、賛否両論を呼んだり、誰かに迷惑をかけたり、人の感情を悪い意味で揺さぶるような動画をつくって数字を伸ばすことが得意なユニットでしたから。そういうコンテンツって数字を伸ばすのが簡単なんです。人が何か思って意見するから。

人を傷つけない面白い動画、みんながハッピーで終われる動画を撮れる能力がなかったんですよ、シンプルに。お笑いの力が低いというか、表現力が低いというか。何かに頼んなきゃできないっていう、自分たちの弱さというか、自分たちの中身のなさに気づいた。活動を再開して今までは、それを蓄える2年間だったのかなって。

──その能力を蓄えて、磨くという時間がこの2年間だったわけですね。

YouTubeを続けていくために必要なこと、決めたこと

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いっくん そうですね。事件を引きずってるわけではないんです。ただ自分たちが本当にやるべきことをやるための準備をしていた。第一優先はその人を傷つけない、傷つける人を減らす。そして第二優先に、チームの目標として、日本一のYouTuberになりたいというのがあります。日本一のYouTuberになりたいという目標がなかったら、ただやりたいことやってればよかったんですが、もっと頑張んなきゃいけないなと。自分たちの力じゃまだまだだなと思って、個の力じゃなく、4人だけの力じゃなくて、裏方や協力者も増やして、組織化を進めていきました。

──リーダーのいっくんさんの意見としてはそうですが、例えば田中さんから見ても、それは変わらなかったですか?

田中 間違いないです。自分もこの2年間はめちゃくちゃ考えてたんですけど、そもそもさっき言ったように、自信がある分野を根本から変えなきゃいけないと思った。これまではモラルを壊すような、ルールから片足はみ出してしまうような笑い──ガキがイキがってやっちゃうようなことをYouTube的に見やすくしていただけなんで。もちろん好きなんですけどね、個人的にそういう笑いは。

──あ、モーリーさんおつかれさまです。

モーリー 単純に寝坊したんです。本当に申し訳ないです。

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いっくん 寝坊じゃないです、二度寝です。

メサイア そこは違うからん。

田中 いつも後輩が起こしに行ってるんです。(ドアを)ドンドンやって「モーリーさん!」って呼ぶと出てくるんだけど、もう一回寝るっていう。

──これも全部記事の方に起こさせていただきますね。

モーリー ありのままで。すいません。

メサイア なんかこの感じも懐かしいわ、むしろ。。禁断あるあるにゃ、これは。

いっくん ここでマウントとるメサイアも悪い(笑)。

──表現とモラル、自己規制という話が出ていましたが、むしろ尖った表現という意味では、それがYouTubeの良いところでもあった。テレビや他のメディアだと規制されてしまうようなことも、YouTubeだと可能になる。それも、繰り返される規約変更などで現在ではYouTubeもマスメディアと変わらなくなっている印象もあります。

田中 もう同じですよ。

いっくん いや、変わらなくはないっしょ。僕らもテレビでは挑戦できない面白いことはやっていきたいです。ただ、その中でモラルを守るのは大事。モラルを守らずに動画を撮るスタイル自体を否定するわけではないんです。過激な動画で面白いと思う他のYouTuberたちもいるけど、僕らがさらに「上」に行くには厳しい。それに、人としてそういう動画はもう撮りたくない。

──より人気になる、よりファンを増やすためにも、過去の方向性では駄目だという判断もあると。

いっくん そうですね。もちろん心配はあって、方向性と体制の変化によって──この夏も追い込まれると感覚が狂ってくる、とかあると思うんです。正常な判断ができなくなったり、変化が増えたりとか。そうならないために、ちょっとでも仕事を分散して安定させていきたいと思ってます。

自分たちって本当に何もできないんです、基本的に。そもそも人間一人にできることは限られていて。自分にはできないことはちゃんとできないと認めて、任せられる部分は人に託していく。できる人には感謝の気持ちを伝える。それはすごく意識したし、それを意識するような環境をつくってきました。みんなができることをやって、自分の得意なところを伸ばす、それを掛け合わせるのが組織だと思う。

僕はもともとリーダーシップ論を語れるようなタイプのリーダーではないんです。結構ワンマンで「やれ、やれ、やれ」って言っちゃうタイプで。でも、昔よりは優しくなれたかな。

メサイア にゃった、にゃった、本当にん(笑)。

いっくん 人の気持ちが理解できない自分も分かっていて。でもすぐに直るようなものではないから「自分はこういう人間です、ごめんなさい」っていうのは常にみんなに言いつつ、意識して直せるとこは直して。感謝の気持ちはめちゃ持ってるけど、厳しく当たったりすることは、どうしてもまだまだあるのかなって。

なんとなくリーダーという存在の理想はわかるんですよ。でも、それを考えると自分のクリエイティブを追求できないというか、妥協せざるを得なくなっちゃうんですよね。みんなの気持ちを考えて、全員の気持ちを正しく汲み取って、ただ楽しくやるだけのグループになっちゃうと、僕の中でクリエイティブが追求できなくなる。

変化した、禁断ボーイズの人間関係と役割

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──これは普段から活動を追って動画を見たり、改めて映画を見直して思ったことなんですが、メサイアさんが特にいっくんさんや禁断ボーイズというチームに対して、反抗的だなって印象を受けました。

メサイア イェーイ!

一同 (笑)

──不満を感じることは多いんですか?

メサイア 多いよん! でも、いっくんが頑張ってるのは間違いないんよん、それはもう間違いにゃい。一番頑張ってるのは知ってる。でもやっぱり口調とか、言うタイミングとか、あるじゃにゃいですかん(笑)。そういうのがあるから、カチンときたり。

でも時間をかけて、穏やかになってきた(笑)。いっくんだけじゃなくて、みんなもそうかも。鋭すぎた棘がなくなってきた気がする。

モーリー 大人になったというか。前のみんなも良いんですけどね。僕は、本当にどっちも好きですね。

いっくん 昔ほどは言わなくなったからね。人ってやっぱケツ叩かれる方が頑張れるじゃないですか。

田中 モーリーとメサイアに関しては特に、喧嘩したときに俺といっくんが怖いって言ってそれで仕事場に全然来なくなってしまって。ずっと不登校児だったんですけど、ここ1年ぐらいはしっかりしてきて「ああ今日も来ねえよ」と思わなくなった。でもいっくんは頑張って抑えてるよね。

いっくん いや、もう昔みたいに俺はできないな。

田中 たまにめちゃくちゃ出てるけど(笑)。

いっくん もちろん出ちゃう時はあるけど、追い込まれたりしてたら……。でも人として無理になってきたな、あんまり人を怒ったりすること。

田中 怒るというかブチ切れるんですよね。

──具体的にどういうことでブチ切れたりするんですか?

いっくん 何でキレるんですかね。

メサイア しょうもないこともあるよにゃ〜。

モーリー 結構あるかもしんない。

いっくん 本当に僕は理不尽なんです。チームとしてうまくいってない時にすごい、何が正解か分からないからとりあえずキレてるみたいなのは多い気がしますね。

田中 でもバカなんで、残り3人が。だからやっていけてるのかもしれない。考えが楽観的なんで、現実逃避する。メサイアはずっとドラえもんばっか見てるし。

メサイア いや面白いんだよん、ドラえもんは本当にん。

田中 あまりに楽観的なんで、お前ら一緒に考えてくれよ、っていっくんは思ってる。ワンマンでやりつつも、心配になると一緒に考えてくれよっていう。いろんな面を持ってるのがいっくんだから。考えることが多くなってパンクしそうになると、暴発するのは普通ですよね。

いっくん まあそこでキレないほうが人間として良いけどね。俺はキレないと感情表現できなくて。本当は助けてって、一緒に考えてって言いたいんだけど、キレちゃう。でもまあなるべく一緒に考えて……。

田中 最近はそう。キレる前にキレそうだなって自分で気づいて「もう俺やばいからね、今助けろよ」って言うようになった(笑)。わかりやすくて良くなったよ。

いっくん 人に何かを頼むのって弱い部分を見せるみたいな感じがするんです。そういうのが嫌だっていうプライドがあるんでしょうね。しんどいとか、こういうのやって欲しいとか、言ったらいいんですけど、人にもの頼むのが苦手なんですね。田中さんは意外と得意。

田中 俺が(笑)? 時間をかければ、例えばいっくんの仕事を俺が考えることもできるけど、でもいっくんは「自分のほうが考えられるし、負けたくない」みたいな気持ちが根本にあるから人に頼めないところもあるのかな。こっちもこっちで考えが浅い状態で言うとめっちゃ突っ込まれまくって、ひねり潰されるんで。だからちょっとビビってる側面はありますよ、僕もモーリーも。

──いっくんの話にもあった通り、組織づくりという点について。今は周りに編集チームや、サポートしてくれる人たちも多いと思いますが、4人の中で不満や悩みを話せないと思った時に、相談できる人はいないのでしょうか?

田中 全然いなくて。そういう人に出会えるのは2〜3年で1〜2人とかですよ。

メサイア 俺はインキャの友達にめっちゃ話してにょ。俺はインキャの友達にめっちゃ話してにょ。

田中 2回言いましたね(笑)。

いっくん 相談する時って誰かの悪口を言っちゃうじゃないですか。ムカつくみたいな。それって良くないよなって思っちゃいません? でもそれって別に悪いことじゃないじゃないんだよね。それでストレスを発散できて、次の日にメンバーと会って仲良くできるなら全然良いじゃないですか。溜め込んでギスギスするより全然良いのに、なんか悪口とか愚痴を言うのが良くないなと思って言えないんです。それが一番得意なのがメサイアかな(笑)。

メサイア 俺はね、どうしても言っちゃうんだよにゃ〜(笑)。ガンガン言っちゃうんだよにゃ〜。

いっくん 悪口を言われるじゃないですか、それを友達から聞かされることってあるじゃないですか。そういうのがめっちゃ嫌なんですよね。こいつちっちぇなと思っちゃって。だから自分は言わないでおこうと。大人になるって怖いですよね。でも絶対言った方がいいんですよね、悪口とか。

──ここまで聞いていると、YouTuberグループというよりも、会社っぽいというか。会社での悩み、同僚との人間関係の悩みに似ている気がします。そもそも禁断ボーイズの始まりとしては、いっくんがモーリーさんを誘って、友達同士で始めたという認識であっていますか? 今は4人で禁断ボーイズですが、当初のように友だちという意識なのか、それともどこかで意識が変わったのか。

いっくん 僕は最初っから友だちと思っていないですね(笑)。仲間って感じです。友だちっていう概念はマジないっすね、基本的に。

友達と思ってないのは、悪い意味じゃなくて。でも友だちが入ると俺は無理だな。辛くなる。辛いことを友だちと一緒にやる必要はないと思ってる。友だちなんて楽しいことだけ共有できてたらいい。だから仲間って感じなんです。

メサイア マジで、それ。なんか他の言葉が思いつかんわ。友達もなんかちゃうし。かと言って、仕事って割り切ってるわけでもない。仲間が一番妥当な気がするな、言葉として。

──モーリーさんは初期メンバーですよね、そういう意味でどうですか?

モーリー 僕は、ずっと友達だと思ってます。

田中 モーリーはそう言うと思ってました。

モーリー 逆に友だちと思わないと、僕は無理だと思います。 友だちだからなんとかついていけるというか、許せるというか、一緒に頑張れる。

田中 俺はちょっとだけ(友だちという意識も)あるかな。でも、楽しくやりたいけど楽しくやってるのが得意なだけのやつはいらないなと気付いた。後輩としてかわいいとか、いると癒されるとか──でも仕事できないんだったら、不要だと思ってしまう。それが何か、友だちと仲間との違いなのかなとは最近は思いますね。僕が呼んだやつは何人もクビになってきた。

いっくん 人を入れるって大変。人を仲間にするって大変だから

田中 俺もダメージを食らうからね。どうすればよかったんだろうって、どこが違ったんだろうなって。どこを見抜けなかったんだろうとかすごい考える。

──採用と言っていいのか。採用する時って、どういう形なんでしょうか。

田中 面接はないです。連れてくる奴が事前に見定めて、こういうことできるからって言って。編集マンとして連れてきたやつもいれば、普通の社員のように裏方みたいな形態もあります。

YouTubeが遊びから仕事になった瞬間

──いわゆるYouTuberって最初はみんな遊びの延長で、友だち同士ではじめる感覚が強いと思います。でもやっていくうちに、変わっていくと思うんですよね。活動を続けるためにとか、お金がついてくるようになったらとか。禁断ボーイズは最初から仕事としてやっていた?

いっくん 僕の意識は仕事です。田中さんも後入りなんで仕事、真剣にYouTube活動をやるってイメージだと思うけど、メサイアとモーリーは最初は全く仕事的な意味合いを持ってなかったと思います。もちろんその時はお金も発生してなかったし。

田中 メサイアは仕事だったんじゃない? ちゃんと禁断ボーイズの動画に出るようになってからは。

メサイア おい、言うにゃよん! 最初は面白そうだからやってみようって──そうだにゃん、どっかのタイミングで、自分の中で仕事に切り替わった時期はあったにゃ。あ、本当は辞めようと思ってたんだにょ。

いっくん それ、何回もあるから。

メサイア でも、ネガティブに辞めるんじゃにゃくて、大学にちゃんと行こうと思った時に……思い出したん。3年前の夏、すごい忙しかったんでしゅよ、禁断ボーイズが有名になった時期で、あん時にいっくんに「いっぱい出てくれ、動画に」と頼まれてん。でも俺は回転寿司のバイトしててん(笑)。正直バイトと両立きついにょと。正直きついにょとなって。

これは本当にいっくんのすごいとこなんだけど、「じゃあ、いくらぐらいバイトで稼いでるの?」と。「だいたいこんなもんですにょ」と。「じゃあそんだけあげるから、その代わり全部動画参加してくれ」と。そんで「ああ、これ(YouTube)はいいぞよ」と(笑)。

だからその時点で俺、仕事に変わったにゃん。お金をもらえる感覚で、完全に仕事に変わったにゃ。そっからあんま文句は言わんようになったにゃ。それに関しては──あ、めちゃくちゃ文句も言ってるにょ(笑)。

──やはり禁断ボーイズと言えば、3年前の夏は凄まじい勢いでした。新進気鋭のYouTuberとして明らかに群を抜いていて、みるみるうちにチャンネル登録も増えていきましたね。

いっくん 田中さん入った時か。その前から少しずつ伸びてましたけどね。でも爆伸びは夏休みか。

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──あの夏。当時を振り返ると、どういうテンションで動画投稿をしていましたか?

いっくん 今でも鮮明に覚えてるんですが──過去の話なんで正直に話しますが、僕は自分の好きなYouTubeに対して、凄まじくやる気があって。でもメサイアとモーリーは学校のこともあるし、俺に誘われてやって、完全に遊び半分だった。

ネガティブな意味じゃなく、YouTubeはやはり遊びの延長線で、それが当たり前なんです。でもどうしても俺は仕事としてYouTuberをやりたくて、温度差を感じていた。だから温度感が近い人と一緒にやりたいと思って田中さんを入れたんです。

最初に田中さんが入る時、「大阪来い」って。21歳のガキが、社会人の26歳を「一ヶ月以内に大阪来て」って言って来させて。それで田中さんは職も失って、一ヶ月パチンコばっかしてたんです、ずっと(笑)。でもちょくちょく動画を出してくれて、それが全部面白くて伸びるんです。それで「俺ら毎日投稿したらめっちゃ伸びるんじゃね?」と思って毎日投稿したらめっちゃ伸びました。本当にそんな感じです、マジで。

──その頃は嫌なこともなかった?

いっくん いや、田中さんと壮絶な喧嘩もしました。

──21歳のガキに何でこんなこと言われるんだろうと。

田中 それは全くないですね。普通に「おつかれさま」言ってくれなかったから、キレた(笑)。

──動画を出す/つくるという点で、続ける中で意識が変わってきたと思うんですが「楽しさ」という意味ではどうですか?

いっくん 昔の方が100倍楽しい。

田中 まだ人気がなかったんで、これからどうなるんだろうって。人気になったらどうなるんだろうって好奇心が強かったよね。街中で話しかけられるのかな? とかめっちゃ思ってたし、1年半ぐらいやって一回しか話しかけられたことなかったから。

いっくん はじめての景色を見るのって楽しいじゃないですか。長く続けているとどうしてもマンネリ化してくる。楽しみ方が変わってくというか──完全に仕事になったんだろうな。今はみんなで頑張って、頑張ったから旅行に行くとか、そっちが楽しくなっちゃってますね。あの時は、ただ動画を出すことが楽しくて、周りの反応が楽しくて。

でも今が正常だとは思います。普通に仕事してる人ってそうだし、週5日を頑張って、土日の休みを楽しむとか。僕らもYouTube以外の遊びを探したり、意識していますね。ずっと同じことをやっていると、本当に潰れる。

──他のYouTuberも似たような悩みを抱えていたりしますか?

いっくん どうなんですかね。続いてるのは変な奴が多いとは思います。

──登録者が100万人を超えて休止したり、辞めたりする人が最近増えてきたなと。

いっくん 多いですね。続けられる人と続けられない人に分かれるんです。100万人とかある程度の目標を超えて続けられる人はマジで変人なんですよ。

例えば、ヒカルさんは本当に狂ってます。YouTube界で一番ストイックだと思っていて「頑張ることが楽しすぎる」みたいなタイプです。でも趣味はあるらしいですけどね。Instagramのストーリーに漫画と女って書いたんで。「動画、動画、漫画、動画、女、動画、動画、女」みたいな。後半女多いな(笑)。

禁断ボーイズ、連載インタビュー



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