Interview

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  • 2020.05.12

バトルだけが好きってヤツがいてもいい

MCバトル史における2019-2020の特異性とは何か?

バトルだけが好きってヤツがいてもいい

戦極MCBattle」主催のMC正社員、「MRJ」主催のMC派遣社員、「凱旋MCBattle」主催の怨念JAPという名によるMCバトル対談。

三者三様のイベント制作に対する新しい視点が、著しく新鮮に映る。それは通ってきた道だけでなく、現在進行形のシーンに対する考え方や方法論にまで及んでいる。

キャリアの長いMC正社員だけではなく、MC派遣社員と怨念JAPの、ネット世代ならではの豊富な情報量と、ビジネスに対するリアルな向き合い方も、とても20代前半とは思えないほど。

昨今取り沙汰されるアイドル化していくラッパーのこと、今期に突出した才能を発揮した新世代のラッパー、そしてバトラーのお金の話について聞いた。

取材・執筆:有田帆太 撮影:山崎奏太郎 編集:新見直

目次

  1. ラッパーの「アイドル化」について、それぞれの胸中
  2. ヒップホップにイケてるやつが戻ってきた
  3. なぜ“バトラー“は下に見られるのか?

ラッパーの「アイドル化」について、それぞれの胸中

──これはバトルシーンに限らない現象ですが、ラッパーが「アイドル化」しているということも起き始めています。みなさんはどう受け止めていますか?

MC正社員 アイドルの定義がよくわからないけど…。人気者やファッションアイコンになってることでしょ?全然いいと思いますけどね。っていうかあたりまえの流れでは?

MC派遣社員 アイドルラッパーなんて死ぬほど出てきた方がいいと思いますよ。

怨念JAP 人気のあるラッパーがメディアに露出する回数が増えれば、当然ファンも増える。自然な流れのように思います。

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MC派遣社員 怨念さんなんて、ある意味アイドルですよ。かっこいいって思って、ファンになってる人がいっぱいいる。それって良いことじゃないですか。

MC正社員 (アイドル化について)文句があるやつって、ネットにいる内向的なHIPHOPファンだけなのかなって。酷い叩きみたいなことしてる人はひがみじゃないですかね。たまに匿名じゃなくて、名前の代わりの写真で顔が出ればいいのにって思いますよ(笑)。

──アイドル化の象徴的な事例として、例えばNovel CoreさんのAbemaTVの恋愛リアリティーショー「月とオオカミちゃんには騙されない」への出演がトピックとして挙げられています。

【月とオオカミちゃん】Novel Core

MC正社員 俺はNovel Coreが『オオカミちゃん』に出たのはすごい嬉しかったんですよね。一番最初に「戦極スパーリング」っていう無料イベントにエントリーしてきて、「俺は日本のシーンを変える男です」ってDM送ってきたやつですよ。

『戦極スパーリング』って無料で出たい人が手を上げて出れるイベントだったんですが、途中から人が多すぎ希望者が出れなくなってたんだけど、「俺は選ぶ価値がある男です」ってわざわざDM送ってきたりしてた。会った時も奇抜な格好してて面白かったんですよ。

『オオカミちゃん』に出て叩かれたりもしたけど、『オオカミちゃん』に出演してから、彼のインスタライブとかも視聴者数が1万8000とかいってるんですよ。そもそも出たくても出れるものじゃないですよ。あれは10代の人気番組じゃないですか。

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