
「ヒッピーの集う島」で育まれたラッパーの常識
ヒップホップMC・SILENT KILLA JOINTは、関西圏のアンダーグラウンドシーン、そしてユースからカリスマ的な存在となっている。 …
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SILENT KILLA JOINT
淡路島のヒッピー・カルチャーとコミュニティに揉まれ、そこで特異的にヒップホップという道を見い出したラッパー・SILENT KILLA JOINT。
インタビュー前編では、新世代から多大なリスペクトを受ける人柄に加え、YouTuber・かずきむぎちゃという別人格との違いを深くうかがい知ることができた。
2年半の服役の経験を経て、音楽への向き合い方も変わったというSILENT KILLA JOINT。
後編では、ある種彼にしか気づくことができない、2年半の間にストリートが様変わりした様子を、独自の視座で分析しながら語ってくれた。
淡路島という片田舎で、ただ信頼できる仲間と築き上げてきた価値観。決して周囲と慣れ合うわけでもなく、自分という存在を研ぎ澄ましていった彼は、丹念に未来へと繋がる言葉を選びとっていく。
取材/文:米村 智水 撮影:山崎奏太朗
──YouTubeとラップはまったく違うものという話をされましたが、以前は一緒のチャンネルで楽曲やMVもアップしていましたよね。
SILENT KILLA JOINT そうですね。今回はKAKKYが自分のチャンネルであげるとか言い出して。「POLINKEY MOVIE見てる人には見られんようにするな」って(笑)。
SILENT KILLA JOINT チャンネルに何をアップするとかは、ぼくはそんなにこだわりはないんですよね。
ただ、最終的にはYouTubeでも音楽だけができたら良いなとは思ってます。自分でこれだけ注目されるメディアをつくれたから、あとはどうプロモーションしていくか。
だから今後はいまのコメディみたいな動画は減っていく方針なんです。
──音楽により特化していく。
SILENT KILLA JOINT その予定です。でも、みんながどこまで受け入れてくれるかですよね(笑)。
──周りとは、ファンとか「かずきむぎちゃ」についている人のこと?
SILENT KILLA JOINT 違います違います。やっぱりヒップホップに関連した動画を出すんだったら周りの仲間に出てもらわんかったら成立しないと思うんです。でもYouTubeには出たがらない人もいるでしょうし。
もっとフランクにラフに、たとえばラッパーにどうやって曲つくってるんかを聞いていく動画とか、それがエンターテイメントとして成立して再生数がいくんであれば、それこそ最強やなと思うんで。
──音楽バラエティみたいなこともできるってことですね。
SILENT KILLA JOINT そうです。もっとクリエイターが増えるような動画というか。もっと音楽聞いてるやつの耳の質をあげることができればって思ってますね。
──ヒップホップが日本でも流行るようになって、あまりストリートカルチャーを知らない子も聴くようになっています。その反動か、漢さんが捕まった時にすごいみんな驚いたりとか。本来なら、曲を聴いていれば誰もが漢さんは大麻やドラッグに非常に近い存在だと知っていたはずなのに、そこで驚くんだみたいな。
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