「性欲をかき立てる」のは悪なのか? ガチで向き合うVTuberとAV
2022.11.06
YouTubeは現代における「メディアの王」になった。
クリエイター
この記事の制作者たち
「これだけ長く運営していても、未だに『こんな使い方をされているんだ』と驚くことも多いんです。投稿者や観てくれている人たちによって、日々成長・進化を続けているサービスだと思います」
気づけば僕らはYouTubeを観ることが増えた。というか、仕事中も飯を食べているときも、お風呂に入っているときも、寝る前も、とにかくずっと観ている(人が多いと思う)。
たとえば、この原稿を書きながらもバーチャルYouTuberとして活動する「甲賀忍者!ぽんぽこ」さんがホラーゲームの実況をしている様子を横目で観ている。
そんな風に好きなYouTuberの最新動画を定期的に観たり、レコメンドされて勝手にながれてきた動画を適当に流し聞きしたり、流行っている音楽を探したり、購入したガジェットの使い方を調べたり、とにかく生活の多くの時間をYouTubeに使っている。
YouTubeは現代における「メディアの王」になった。
長らくテレビが支配していた情報環境を刷新し、誰もが自由に自分が好きなコンテンツをYouTubeで探すようになった。特に「動画コンテンツの配信」という点で、追従し得る存在はもう二度と現れないかもしれないとも思わされる(動画プラットフォーム自体は国内外で多く立ち上がっているが、ジャンルが細分化されていたり、長らく投資フェイズを抜けられていないものばかりだ)。
今回、YouTubeの「中の人」──つまりGoogleのYouTube担当者に話をうかがい機会をもらった。Google日本法人にてYouTubeの運営に携わる、藤田舞子さん。彼女の話から、YouTubeという身近で、あまりに巨大で、その得体の知れない正体に少しでも迫れればと思う。
「これまでも非常に多くの人にYouTubeを使ってもらっていたんですが、今年のSTAY HOME期間中も、アップロードされるコンテンツ量も観る人も多いです」
多くのメディア・コンテンツ業界がコロナ禍以降、その収録すら大きく制限される中、一人でもコンテンツ制作・発信まで行えてしまうYouTuberたちの活動はその影響を受けづらい。
現実で人と会えない状況が当たり前となった今、YouTubeのようなインターネット上の「場所」にさらに人が集中することとなった。
「動画コンテンツのプラットフォームであると同時に、YouTubeには”インフラ”のような役割も生まれてきています。その点では、責任が大きくなっているのも実感していて、実際に取り組みも行っています」
新型コロナウィルス感染症に関するニュースを、YouTubeで調べる人も多い。そういった情報にリーチしたユーザーに対して、内閣官房からの公式情報へのリンクを出す、保健所の情報を表示させるといった施策も行っている。YouTubeのトップページでも「COVID-19」のニュース動画を特集のようにわかりやすく表示させている。
子どもから大人まで、常に多くの人が集まる場所として、まさにYouTubeは”インフラ”足り得る場所となった。そしてその責任をYouTubeは自覚し、全世界の喫緊の問題である「COVID-19」の関連情報を優先してレコメンドしてくれている。
だが、その規模感と複雑性ゆえに、社会的で公共的な振る舞いが求められる”インフラ”としての責任という側面から考えると、看過することが難しい事件が2020年に起こった。
あえて名前は伏せるが、とある有名な「迷惑系YouTuber」が逮捕されるという事件が発生し、メディアがこぞって「迷惑系YouTuber」として報道したのは、多くの人の記憶に残っていることだろう。
一方で、YouTuberが新時代を担うポジティブな意味での「職業」として注目されているのも事実だ。HIKAKINさんやはじめしゃちょーさんといったYouTuberは、もうタレントという域を越え、時代を象徴する「スター」のような存在というほうがふさわしい。
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