若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
急成長を続けるVR法人HIKKY。その求心力となっている世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」。
引きこもりだったクリエイターの確信から生まれたその空間は、かつて誰にも思い描けなかった未来を実現し得る場所になろうとしている。
クリエイター
この記事の制作者たち
何度目かのVR元年を乗り越え、ようやく本格的な発展をはじめたVR領域。
その革新的な業界をリードする「VR法人HIKKY」の舟越靖さんと動く城のフィオさんは、VRという世界そのものに熱い思いを持ち、バーチャル空間での経済活動を未来のスタンダードとするべくビジネスを展開する。
前編ではバーチャル空間に経済圏をつくるという目標へ向け、「VR法人HIKKY」が取り組む事業についてうかがった。
後編となる今回は、現在のVRシーンを語る上で欠かすことのできないVTuberの存在について、そしてすべての基幹でありきっかけとなった「バーチャルマーケット」(Vket)が生まれた理由とその目指す未来について、動く城のフィオさんに語ってもらった。
──「バーチャルマーケット5」は来場者数が100万人を突破し、世界最大のバーチャル空間でのイベントとして大成功を収められました。運営側から見て、シーンの変化など感じるものはありましたか?
動く城のフィオ(以下フィオ) 今回の開催で来場者数100万人という一つの大台に乗ることが出来たので、感慨深いというか素直に嬉しいですね。
今回は「ワールドビヨンド」をテーマにしていて、会場に世界中のランドマークを置いたりいろんな国の要素を取り入れています。本格的に英語対応したことによって、英語圏からの出展やお客さんがすごい増えたんです。
英語対応を頑張っていただいた日本の出展者さんもいらっしゃって、海外からの売り上げが増えたみたいな嬉しい話も聞いています。
──全体の中でも英語圏の来場者による売り上げは大きかったのでしょうか?
フィオ 具体的な数字を言うことはできないんですが、ざっくり言うとめっちゃ多いです(笑)。VRChatは元々アメリカのサービスですし、しっかりとあちらのシーンにリーチすることができたんだと思います。
もう一つOculus Quest 2が発売された影響も大きいと感じました。前のQuestより2倍くらい性能がいいのにお値段は安くなっていて、これをきっかけにVR機器をはじめて買うという人も多かったのではないでしょうか。
フィオ 今までVRChatにアクセスするにはVR機器に加えてそれなりに強いPCが必要で、バーチャルマーケットもクオリティ重視でハイエンドな体験を届けることを志向していました。なのでQuestからのアクセスには対応していなかったんです。
ですが今回から、Questしか持っていないユーザーに向けて軽量化した会場、ブースをつくって出展者を募集しました。開催前から期待度も高くて、実際に開催後も満足していただけたと感じています。
バーチャルマーケットではワールドの世界観と出展者さんのブースの融和を楽しんでもらいたいと思っているのですが、Quest会場でもそれを表現することができ、新しいユーザーさんたちにも体験していただくことができました。
今までVRChatを楽しんでいた人たちは、自分でUnityもBrenderもいじれるみたいなギーク、イノベーター層が多い印象でしたが、今後はPCを持っていない層も増えてくると思います。PanasonicやHTCなどのメーカーも独立型のヘッドマウントディスプレイを発表していますし、そうして広がった裾野へアプローチできるコンテンツをつくっていかないとマーケットの拡大に乗り遅れてしまうかもしれない。
Quest会場の来場者もかなり多かったので、今後はプラットフォームやイベンター、クリエイターさんにとってもQuestユーザーを意識することが重要になってくるのかもしれないと感じましたね。
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