Vol.1 生き残るクリエイターは叩き上げ

Interview

Series

  • 2019.04.26 17:00:00

クリエイターの出自は様々ながら、才能同士は必ず惹かれ合う。

“天才”と呼ばれる表現者たちの遍歴や本音、お金の話から、生き残るために必要なものが見えてくる。

Vol.1 生き残るクリエイターは叩き上げ

(左)田中秀和(右)大石昌良

アニソンが物語を失っている

2016年当時、「君じゃなきゃダメみたい」の大ヒットによりその名を轟かせ、Tom-H@ckとのユニット・OxTとしても数々のアニメ主題歌を担当するなど、アニソン界の最前線を走っていた大石昌良/オーイシマサヨシが語った言葉だ。

音楽的にオルタナティブな楽曲が増え、前衛的になりすぎるがあまりユーザーを置き去りにしていたシーンを憂いていた彼は、その後作「ようこそジャパリパークへ」の歴史的大ヒットを生み出し、ソロとしては「オトモダチフィルム」、OxTとしては「UNION」など数々の名曲を世に送り出してきた。

時には自ら歌唱し、時にはタレント業にも励むなど多角的なアプローチで幾多のクリエイターに刺激を与える存在として、名実共に現代のアニソン界を背負う存在となっている。

稀代の天才・大石昌良を、その音楽活動のルーツであるバンド・Sound Schedule時代からリスペクトしているという、同じく関西出身、もう一人の天才クリエイターがいた。

それが田中秀和だ。アニソン界に確固たる地位を築くクリエイター集団「MONACA」に所属し、『THE IDOLM@STER』や『アイカツ!』、『Wake Up, Girls!』といったアイドル系アニメの楽曲を数多く手がけていることで有名だが、主題歌からキャラソン、時には劇伴まで幅広く制作し、やはり現代のアニソン界を語る上で欠かせない一人。

大石昌良の対談連載の初回ゲストに彼を迎え、現代アニソン界のトップランナー同士による対談を実施。

お互いをリスペクトしあう両者がアニソンというフィールドに紡ぐ物語とは。

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撮影場所:MONACA

田中秀和に受け継がれるオーイシマサヨシの音楽的ルーツ

──初回ゲストとして、大石さんのご希望で田中さんにご登場いただきました。クリエイター仲間でお会いされている写真はTwitterにも投稿されていますが、お二人がお会いされるのは何度目なんですか?

大石 直接会うのは今日で3回目くらい?

田中 4回目ですね。最初は1年くらい前で、色んなアニソン作家が集まる席でした。

大石 そうだったね、僕の後輩のやしきん君を囲んで「やしきんがオープニングをとれないのはなぜだろう会」をやったんだった(笑)。

※やしきん:大石昌良の所属事務所であるF.M.Fに所属する音楽クリエイター。『てーきゅう』シリーズの主題歌や、声優アーティストへの楽曲提供など精力的に活動している。

田中 2人きりでお会いしたことはなく、こうして2人で面と向かって話すのもはじめてのことです。直接お会いしたのはその時がはじめてでしたが、僕は大石さんのことをSound Schedule(サウスケ)時代から知っていて、高校の時にはコピーもしていたくらいです。これは何回も大石さんには言っていますけど。

大石 会うたびに言ってくるよね。あの田中秀和にコピーさせてたって考えると光栄ではあるけど、正直最初は話を合わせてるだけで、サウスケ時代を知ってたのは本当でも、コピーしてたってのはちょっと盛ってるんだろうなって思ってた(笑)

でも最近サウスケでイベントをやった時に、ファンの中に「田中秀和の後輩です」っていう人がいて。「高校の時に田中にサウスケを教えてもらったんです」って言ってたから、ちょっと信憑性は上がったかな。

田中 信じられてないと思ったから何度も言っていたんですが、ちょっとでも信じてもらえたなら良かったです(笑)。

大石昌良さん

大石 サウスケをコピーしてみてどうだった? 田中秀和の音楽に影響を与えたのかな。

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