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2022.11.05
※本校は、2019年に「KAI-YOU.net」に配信された記事を再構成・配信したものとなります
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この記事の制作者たち
アメリカのヒップホップグループ・Migosの代表曲「Versace」が発表されてから9年が経ちました。
「べサチ、べサチ、べサチ」というブランド名を連呼する中毒性の高いサビは、彼らを瞬く間にスターダムへとのし上げると同時に、ヒップホップ・ミュージックを“Versace以前とVersace以後”に二分してしまうほどに業界に大きな影響を及ぼしました。
彼らの特徴的なラップのフロウ(歌いまわし)は「Migos Flow」もしくは「Triplet Flow」と呼ばれ、日本語ではそのまま「3連符フロウ」と訳されています。
近年のヒップホップチャートを見渡してみても、この3連符フロウを楽曲に全く取り入れていないアーティストを見つける方が難しくなってしまいました。
この「Migos Flow」を含めて改めてラップのフロウとは何か、そしてその延長線にある「Scotch Snaps」というフロウについてお話します。
目次
- フロウ=ラップのリズム・デザイン
- ラップの可能性を広げた3連符フロウ
- ヒップホップ・ミュージックの進化とビート解釈の変化
- 3連符フロウに続くトレンド「Scotch Snaps」
- 言語のリズムがその国の音楽に与える影響
- 言葉の壁とフロウの問題
ラップの「フロウ」というのは、一言でまとめてしまえばラップの歌いまわしや歌い方のことを指します。
早口で迫力のあるフロウ、ゆっくりとした安定感のあるフロウ、「フリーキー」と形容される変則的なフロウ。ラッパーごとによって得意なフロウがあり、時代によってフロウのトレンドも変わります。
まずはそのフロウというものを、具体的かつ視覚的に捉えていきましょう。
ヒップホップに限らず、多くのポップ・ミュージックは4/4拍子で作曲されています。これは簡単に言ってしまえば「(1)ドン、(2)タン、(3)ドン、(4)タン」の1ループで1小節ですよ、という意味です。
よくラッパーが、「16小節に込めた俺の思い」といったようにラップするのを耳にしたことがあると思います。あれは、「ドン、タン、ドン、タン」が16回ループされる中で歌詞の一塊をラップするのが、ヒップホップでは一般的だからです。
この16小節のくくりを「VERSE(ヴァース)」とも呼びます。
ちなみに、ブルース・ミュージックにおいては12小節が基本的なコード進行のくくりとなっており、多くの音楽ジャンルでそうした「かたまり」が存在します。
一般的には、この「ドン」と「タン」をそれぞれ4分割して、
ド(ン)ツツツ/タ(ン)ツツツ/ド(ン)ツツツ/タ(ン)ツツツ
という風に、1小節の間に16個のビートを刻む様にラップします。つまりラッパーの頭の中では、1小節=16分音符が16個並んでいる、とイメージされているわけです。
この16個のビートに対して1つずつ「音節」というものをハメていきます。音節の説明は非常に厄介なので、ここでは音の区切り、つまり1音節=平仮名1個と理解して下さい。
実際に日本語のリリックを1小節にハメていくと、次の様になります。
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