『すずめの戸締まり』プロデューサーの戦略 韓国発「WebToon」に見出す世界への道
2024.01.30
クリエイター
この記事の制作者たち
2022年10月21日から23日にかけて開催された、漫画・アニメ業界のカンファレンス「IMART2022」(「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima」)。
セッションには、アニメや漫画の制作を行う企業の代表などが登壇。急速に変化する業界で何が起きているのか知見を共有した。例えば、アニメ『チェンソーマン』で注目されるスタジオ・MAPPAの担当者による基調講演も実施された。
本稿では、Webtoonを扱うニュースサイト「Webtoon INISIGHHT」の編集長兼、同媒体を運営するフームの代表取締役・福井美行さんがモデレーターをつとめたセッション「早くも危機を迎える日本のウェブトゥーン制作」の内容をレポートする。
目次
- 「comico」と『ReLIFE』から始まった日本のWebtoon業界
- 『俺レべ』のレッドセブン代表が語る国内の現状
- 「相当ハードルが高い」試行錯誤するフーモアの見解
- スタジオ形式の課題は「クオリティを担保する主体の不在」
- 「スタジオは乱立しているが…」編プロ代表が見据える未来
- Webtoonはビジネスか、文化か
- 「ビジネスの打ち出し方より次のスター作品をつくるべき」
- センス? 経験? Webtoon業界で成功するために必要な人材
- Webtoonの発展に必要なのは日本漫画からの脱却
- 集英社が漫画業界の帝王である理由
本稿は、2023年2月にKAI-YOU.netで掲載されたものを再構成したもの
セッションには、『俺だけレベルアップな件』など多数のヒット作を手掛けるレッドセブンの代表取締役・李ヒョンソクさん、漫画・Webtoonの制作を行うフーモアの代表取締役社長・芝辻幹也さん、編集プロダクション・シャインパートナーズと制作スタジオStudio TooNの代表取締役・岩本炯沢さんらWebtoonに携わる3人が登壇。
業界が迎えた危機や課題はなんなのか。Webtoonと漫画の違いについても意見を交わされた。
福井美行さん
セッションが始まると、福井美行さんが現在の日本国内のWebtoon事情を「PVがすごく上がってきていて、急に皆さんの注目が集まっているので戸惑っています」とコメント。
日本のWebtoonの原点として、国内初のWebtoonプラットフォーム「comico」とヒット漫画『ReLIFE』があったことに触れ、その後しばらく続いた停滞期の中で登場したのが「待てば無料」のビジネスモデルを持った「ピッコマ」であり、日本ではWebtoonの代表作として知られる『俺だけレベルアップな件』だったと振り返った。
そして「ピッコマ」や「LINEマンガ」が牽引する現在のWebtoon業界では、ファンタジー作品が需要と供給の多くを占めていることに言及。レッドセブンなどのヒットメーカーはすさまじい売り上げを出しているものの、その陰にはWebtoonに参入してみたものの思うような収益をあげられていない作品が多くあり、それこそが「早くも訪れた危機」なのだと提起した。
李ヒョンソクさん
これに対し、登壇者である3名はそれぞれの立場から意見を交わした。
まず李ヒョンソクさんは、韓国でも日本でもWebtoonの市場は成長しており「危機は起きていない」との立場を表明。
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