“最強の絵師”こと韓国のキム・ジョンギ「韓国Web漫画の勢いは日本以上。けれど不安もある」
2021.01.11
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2022年10月21日から23日にかけて開催された、漫画・アニメ業界のカンファレンス「IMART2022」(「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima」)。
急速に変化する業界の各分野で何が起きているのか。漫画・アニメ業界の先端で活躍するイノベーターや実務家らの基調講演・セッションなどを通じて、知見を共有し、文化産業の発展を目指すイベントだ。
2019年、2021年の開催を経て、2022年は韓国発の漫画文化「WebToon」にフィーチャー。運営会社代表らのセッションが行われたほか、アニメについても、今最も注目されるスタジオ・MAPPAの担当者の基調講演も実施された。
本稿では、『チェンソーマン』『呪術廻戦』などのTVアニメを手掛けるMAPPAの取締役/企画部部長・木村誠さんがスピーカーを、アニメジャーナリスト・数土直志さんが聞き手をつとめた基調講演「アニメスタジオの現在と未来」の内容をレポートする。
目次
- Netflixの成長が転機、アニメ業界に訪れた変化
- “売る”ことに責任を持つ──『チェンソーマン』が一社提供の理由
- アニメ市場にあるビジネスは制作だけじゃない
- 新たな技術への投資と若い力の成長
- 魅力と技術を追求する、MAPPAが持つ覚悟
本稿は、2022年10月にKAI-YOU.netで掲載されたものを再構成したもの
木村誠さん
木村誠さんは、もともとフジテレビのアニメ枠・ノイタミナのプロデューサーをつとめていた人物。ノイタミナで放送されたMAPPA制作の『残響のテロル』に携わった縁でMAPPAへ入社し、現在は取締役・企画部部長をつとめている。
数々の人気作を手掛けてきたMAPPAだが、中でも2022年10月から放送された『チェンソーマン』におけるMAPPA一社提供という方式は業界でも異例であり、注目を集めている。
数土さんも「これまでも一社提供のアニメはあったが、設立して10年ほどの会社(編注:MAPPAは2011年設立)、それもスタジオが行ったことは業界的にもインパクトが大きかった」と、いかに“異例”の取り組みであるかに言及した。
数土直志さん
一社提供の理由に続く話として、木村さんは「6~7年前に配信ビジネスが成長してきたことが業界にとっての転機になった」と語る。
元来アニメは、ビデオやDVD/Blu-rayを売ることで制作費を回収していくビジネスモデルだったが、NetflixやAmazon Prime Videoの成長によって、配信でアニメを見る層が増加。
それによって、時差なく世界でアニメを楽しむことができるようになった。
「MAPPAの公式YouTubeチャンネルでアニメのPVを公開すると、海外からのコメントがかなり多い」と、タイムラグのない作品の広がりを実感しているという。
英語のコメントが多く見られる/画像はMAPPAのYouTubeチャンネルより
状況の変化によって、配信モデルであれば制作会社が自ら費用をかけ、宣伝を行い、ユーザーに届けるという、これまで宣伝会社が担当してた業務を含め、一連の展開を一社で手掛けることも容易になった。
木村さんは、『チェンソーマン』の一社提供も含めたチャレンジの根幹として「“売る”ということについても責任を持つ」という方針があったと明かす。どういうことか?
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