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2021.07.13
クリエイター
この記事の制作者たち
「アバターポルノ」──この言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。これは、今回バーチャルリアリティ空間で広がるあるコンテンツを紹介するために、本稿が便宜上用いる単語だ。
VRChatを長くプレイしていると、「フレンドの〇〇さんがFantiaに出演したらしい」「あの〇〇さんはFantia男優で有名だ」といった会話を耳にすることがある。
Fantiaとは、月額課金プランなどでクリエイターを支援できるプラットフォームであり、特にアダルトコンテンツに強い点が特徴だ。このFantiaで、「総合(男性向け)」からカテゴリーを「VTuber」に絞り込むと、検索結果の1ページ目から、いわゆるVRChat向け3Dアバターを用いたクリエイターがヒットする。
クリエイター支援プラットフォーム「Fantia」にて、「総合(男性向け)」
そのコンテンツ内容は、VR空間でアバターを操作するプレイヤー同士の“絡み”を撮影するというもの。通常の3Dアダルトコンテンツが手打ちモーションによりキャラクターを動かしているのに対し、こうしたコンテンツは「プレイヤーによるリアルな身体性」が売りだ。
しかしVRChatは利用規約で、「成人向けヌードおよび性的コンテンツ」の共有や公開を規制している。一方で、VRChat向けアバターの利用規約には、性的表現を許可しているものが少なくない。つまり、普段VRChatで使用されるようなアバターを用いてアダルトコンテンツを制作することは、「場」と「ツール」の規約の隙間において許容される行為ということになる。
その規約の隙間で生まれたこのアンダーグラウンドな経済圏は、すでに150人以上のクリエイターを生み出し、中には年間数百万円を稼ぐ人もいるという。水面下で静かに拡大しつつあるアバターポルノの世界──筆者は今回、そのクリエイターの一人へ匿名での取材をすることができた。
これは、単なる「VRでの性表現」の進化なのだろうか。それとも、匿名というベールを纏い、新たな自己表現と収益化を可能にした「性の革命」と言えるのだろうか。本稿では、この閉鎖的なコミュニティに深く入り込み、その実態と創出された新たな経済活動、そして人間関係のあり方を追う。
今回、匿名での取材に協力してくれたAさんがVRChatをはじめたのは、2022年。
ちょうど、Meta Quest 2が安く販売されていた時期だったという。元々人とのコミュニケーションが苦手で声を出すことに抵抗があったが、はじめてみたら楽しくてのめり込んでいったとのことだ。
「Just Matching Chihaya Room」
自身のことを「むっつりスケベ」と話す彼は、VRChatをはじめた当初からブログ記事などを通して、「Just」と呼ばれるアバター同士の性行為や、それを目的とした人たちが集まるワールドの存在などを知っていくことになった。まだVRChatをプレイしはじめて間もない頃から、そうしたワールドに出入りし、見知らぬプレイヤーとの「Just」を繰り返していたという。
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