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  • 2024.06.01

無名のイラストレーターが「女子小学生が好きなVTuber」になるまで──甘狼このみの軌跡

小学館『ちゃお』が実施した「好きなVTuberアンケート」にて、2位にランクインした甘狼このみ。

美術を学んでいる学生が、登録者50万人に至る軌跡とは。

無名のイラストレーターが「女子小学生が好きなVTuber」になるまで──甘狼このみの軌跡

『ちゃお』の「好きなVTuberアンケート」で2位にランクインした甘狼このみさん。

大手事務所の話題が華々しく飛び交うVTuber業界にも、時折、思わぬ方角から「期待の新星」がやってくる。「ミリプロ」所属VTuber・甘狼このみも、その一人だろう。

イラストレーターとしてのスキルを活かしたショート動画が好評を博し、2022年デビューの個人勢ながら、現在のチャンネル登録者数は50万人超。2023年にはVTuber事務所「ミリプロ」を立ち上げ、今年に入ってからは法人化に踏み込むなど、積極的な活動を続けている。

そして、小学館『ちゃお』が実施した「好きなVTuberアンケート」にて、彼女は2位にランクインした。1位はホロライブ兎田ぺこら、3位も同じくホロライブの宝鐘マリン。国内でもトップクラスの強豪に挟まれた新星の名に、多くの人が驚かされたことだろうし、こうも感じただろう──「何者なのだ?」と。

そこで今回、様々な方角から注目を集める甘狼このみへ、ロングインタビューを実施した。

「女子小学生に支持されるVTuber」となった現在の心境から尋ねつつ、2022年という後発のデビューに至った経緯から、後発から伸ばすための戦略、そして「VTuber業界のためになにができるか」という決意表明まで、期待の新星にあますことなく話をうかがった。

目次

  1. 「こんなにも応援されている感覚はなかった」ちゃおっ子からの支持
  2. 最初はつくる側に興味があった──勢いでデビューしてから50万人登録に至るまで
  3. こちらから、リスナーのもとへ入り込む。イラスト×ショート動画のパワー
  4. 名もなきイラストレーターからVTuberになって、変わったこと
  5. かわいいことは当たり前。イラストレーター自らが「受肉」する強み

「こんなにも応援されている感覚はなかった」ちゃおっ子からの支持

──先日、小学館の『ちゃお』読者・女子小学生1000人を対象にした「好きなVTuberアンケート」にて、甘狼さんはランキング2位になりました。1位に兎田ぺこらさん、3位に宝鐘マリンさん、と強豪にはさまれた中でのランクインです。この結果、正直どう思われましたか?

甘狼このみ めっちゃうれしかったです! 同時に、畏れ多すぎますね(笑)。

──ちゃおっ子に支持されていることについて、「こんなに女子小学生から支持されている実感はなかった」という趣旨の発言をされていました。今回、アンケートという形で女子小学生の支持を集めていることを知ることになったと思いますが、ご自身が「支持されている理由」についてはピンときていることはありますか?

甘狼このみ それについては自分でも考えてみました。

私はイラストを使ったショート動画を投稿しているんですが、ショート動画って視聴者層の年齢が低めなんですよね。そして漫画を買っていたり、漫画家さんになりたい子って、他のイラスト系のコンテンツにも興味があるんだと思います。

少なくとも『ちゃお』を読んでいる女の子にはそんな傾向があるのかなと。(小さい頃の)私自身や私の周りもそうでした。

──今の小学生は、YouTuberやイラストレーターなどのクリエイティブな職業に憧れる傾向がありますよね。

最初はつくる側に興味があった──勢いでデビューしてから50万人登録に至るまで

──甘狼このみさんも憧れられる立場なのかと思いますが、デビューに至った経緯などをお話しください。

甘狼このみ 最初、VTuberに興味を持ったのは、VTuberさんのお体をつくっていく動画でした。それを見て「自分の絵が動くかもしれない!」と知って、最初はLive2Dモデルをつくる方に興味を持ったんです。

それで、実際に自分でモデルをつくってみて、いざ完成したものを見たら、「いっそ自分でVTuberになっちゃえ」と思って、配信を始めてみました。もともと、ゲーム実況者や配信者を見るのが好きで、なることにも憧れがあったので、勢いでデビューしちゃえって(笑)。

──Live2Dモデル制作にはどのくらいの時間を費やしましたか?

甘狼このみ 実は「つくりたいな」と思った当時はパソコンを持っていなかったんです。

手に入れるまでの間はずっと勉強しつつ、実際に制作に着手したのはそれから1年後。制作そのものには1か月くらいかかりました。

今使っているものほどのクオリティはなかったですけど、ひとまず動くものはそのくらいで出来上がりましたね。その後も、自分のLive2Dはアップデートを続けています。

ぐだぐだかみかみ!?Vtuber一問一答自己紹介

──VTuberそのものはいつ頃から知りましたか? ハマったVTuberやハマった動画などもあればぜひ教えてください。

甘狼このみ VTuberそのものは、キズナアイさんが活動を始めた頃から、なんとなく知ってはいました。個人的に印象に残っているのは、ホロライブEnglishのがうる・ぐらさんの切り抜き動画だったと思います。

──事務所所属ではなく、個人活動としてスタートしたのはなぜでしょう?

甘狼このみ 「事務所に所属する」という考え自体、そもそも出てこなかったですね。

セルフ受肉(※自分でLive2D/3Dモデルを作成し、VTuberとして活動すること)した人が事務所に所属するという話ってあまり聞いたことなかったですし、そもそも配信者としての実績もなかったので、オーディションに合格できる気もしませんでした。

──勢いで個人活動を始めて、チャンネル登録者数は1年以内で50万人を突破。後発デビューVTuberとしては記録的です。これまでの活動において、チャンネル登録者数を伸ばす上で大切にしてきたこと、意識してきたことはありますか。

甘狼このみ VTuberさんって、いまや何万人もいらっしゃいますよね。そんな中で、自分にしかできないこと、自分の強みを意識しつつ、常に流行を探しながらコンテンツを投稿していくのが大事だと思います。

同時に、リスナーさんや仲間、家族など、周囲の人や環境にも感謝して活動していくことも大切ですね。

こちらから、リスナーのもとへ入り込む。イラスト×ショート動画のパワー

──甘狼さんの強みといえば、やはりイラストレーターのスキルかなと思います。このスキルを動画や配信に活用しようと思ったきっかけはありますか?

甘狼このみ 実は、もともとイラストを描いて活動していこうとも、自分の絵が強みになるとも思っていなかったんです。

ただある日、試しにイラスト関連の動画を出してみたら、明らかに他のコンテンツと反応が違うことに気づいたんです。

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