Creepy Nutsの世界的ヒットは、なぜ“日本語ラップの偉業”として語られないのか?
2024.10.18
「自分はオワコンだ」と語ったやみえん。
彼の多岐にわたる活動を振り返り、一個人として今後やりたいことをうかがう。
クリエイター
この記事の制作者たち
「自分はもうオワコンだと思う」──予想外の言葉を口にしたやみえんさんが語ったのは、期待されながら走り続けた2年間への疲れと、「自分自身は応援されたいとは思わない」という、赤裸々な心境だった。
しばらくは配信者としては「隠居」するとも語る中、残された目標は何か。今後の展望について尋ねる前に、動画投稿者、配信者、役者、コンカフェプロデューサーなどなど、様々な活動を積み重ねてきた、これまでの人生を振り返っていただいた。
■撮影:Vket2024S The Alter Vista - Crescent Calm(VRChat)
目次
- 2007年のニコニコ動画から始まった動画投稿と配信
- 配信者は最初から職業になると考えていた。それでも「お金に興味はない」
- 最初は「声優になりたかった」役者・やみえんの歩みをたどる
- 配信とは違う、現実逃避の場としての舞台
- 「百合」コンセプトのコンカフェで叶えたいもの
- 「いいなと思ったものを伝えていく」あらためて、やみえんとは何者か
- やみえんさんのチェキ読者プレゼントキャンペーン!
──やみえんさんが、動画投稿プラットフォームで活動を始めたのはいつ頃でしたか。
やみえん 2007年頃、ニコニコ動画に動画を投稿したのが最初です。それ以前にも、身内向けにモバゲーなどで動画共有したことはありましたが、誰でも見ることができる場所への投稿はその時が初めてでした。
当時のニコニコ動画への投稿動画は、身内ノリのものが多かった印象です。2ちゃんねるの「vip歌ってみた」スレなどの派生から、テニミュの替え歌をする人が現れ出し、vip店長さんや雌豚閣下さんが登場した時期でした。なので、「誰かに見てもらいたい」というよりは、そうした動きを見ていて「自分もやってみよう」と思い始めたと記憶しています。同じような感覚で、2008年にネットラジオの配信もスタートしています。
──配信よりも動画投稿の方が先だったのですね。
やみえん 当時は動画投稿も配信も大差ない時代だったと思います。インターネットの片隅、暗いところに趣味でしゃべっている人がいる。そういう時期だったかなと。
──当時のニコニコ生放送は、お金を払って枠を確保し、配信する場でした。そして、言い方は悪いですが「見世物小屋」のような場でもあったかなと思いますが、当時を振り返ってみていかがでしょうか。
やみえん ニコニコ生放送の登場が2007年、ユーザー生放送の登場が2010年だったと思いますが、いわゆる「迷惑系YouTuber」のはしりのような人もいっぱいいた印象はありますね。でもそれだけでなく、歌枠、声真似枠、ゲーム実況枠もありました。ゲーム実況枠ではRTAも盛んでしたし、意外と現在につながる文化形成はされてたな、という印象は個人的にはありますね。
──そうした環境下で、やみえんさん自身が生放送を始められたのはなぜでしょうか?
やみえん 単純に、「動画もあるんだし生放送もやってみよう」くらいの感覚でしたね。「今から自分は生放送をやるぞ」と気負ってはいなかった。今ほどハードルは高くなかったんです。
──それは例えば、当時に配信開始ボタンを押すのと、今それを押すのとでは、やみえんさんの中でも意味が違ってきているということでしょうか?
やみえん だいぶ違いますね。ニコ生時代は、「わこつ」の起源でもある「枠取り」こそ手間でしたが、マイクは数千円の安物マイクを使い、音質をちょっといじってマシにしたような配信がほとんどでした。一方で今は、それなりの配信者であればマイクは数万円もするものを使う人が増えているし、顔出しする人ならちゃんとしたWebカメラや、一眼カメラを使う人もいる。
──配信初心者向けのWebメディア記事などでも、「最初に音質にこだわれ!」とはよく指南されますよね。
やみえん 音質が悪ければ、その時点で見る意欲が削がれますからね。
──さらに当時は帯域制限の問題もあったはずですよね。
やみえん 今ならば、だいたい5000〜9000kbpsくらいは出せると思いますが、当時はせいぜい320kbpsくらいで、それを「FFmpeg」などを使ってなんとかしていた時代でしたからね。今一般的に利用されている「OBS Studio」のような、誰でも簡単に配信ができるソフトウェアもありませんでした。
※FFmpeg:2000年から公開されている動画と音声を記録・変換・再生のためのフリーソフトウェア
やみえん なので、今よりも技術的なハードルは高かったですが、そのハードルさえ乗り超えれば、とりあえず自分の手元にあるもので配信してみてもいい時代だった印象です。今は、技術的には簡単になりましたが、心理的なハードル以上に、機材面でのハードルがかなり高くなってるような印象がありますね。
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