『ペルソナ5R』は大衆社会論である──安易な自己責任論とディストピアの困難について
2024.10.04
昨今のストリーマーによるブームの中、VRChatでの企画を始めた配信者やみえんさん。
話をうかがうと、やみえんさんは「自分はオワコンだ」と語り始める。活動を振り返る2時間の取材記録。
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この記事の制作者たち
謎めいている──配信者・動画投稿者であるやみえんさんへの、率直な感想だ。
経歴を調べていくと、2000年代から動画投稿・配信を始め、YouTubeを中心に活動しつつ、時には俳優として舞台に立ち、時にはコンセプトカフェのプロデュースも手掛けている。それぞれの活動領域が重なっているようには、パッとは見えない。非常にマルチな活動を精力的に展開している人物だ、と感じた。
そしてなにより、直近ではバーチャルアバターを獲得し、ソーシャルVRプラットフォーム・VRChatにやってきた。昨今のストリーマーによるVRChatブームが巻き起こっている中、VRChatの住民たちを招いて話を聞くユニークなインタビュー企画を仕掛けてきたやみえんさんに、現役VRChatユーザーである筆者も以前から注視していた。
様々な興味が湧く中、筆者はやみえんさんに、2時間に渡るインタビューを実施した。不意に切り出されたのは、「自分はもうオワコンだと思う」という思いもかけない言葉だった。
■撮影:Vket2024S The Alter Vista - Crescent Calm(VRChat)
目次
- 「やみえんVは服のようなもの」──VTuber化についての独白
- 「バーチャルマーケット」をきっかけに飛び込んだVRChatの世界
- リアルでは頓挫してきた企画を、VRでなら叶えられる
- 「一人でなんでもできそう」と思われやすいけど……
- 「自分はもうオワコンだと思う」の真意
──先日、やみえんさんは「やみえんV」というバーチャルな名義とアバターをつくり、VRChatにて企画配信を実施しました。いわばバーチャル方面への進出になると思いますが、まず「やみえんV」を準備されたのはなぜでしょうか?
やみえん もともと、バーチャルな身体としてのアバターは以前からつくろうと考えていました。去年からずっと「つくりたいな」とは言っていましたね。
──今回は、3Dモデルだけをご準備されましたよね。Live2Dモデルをつくらなかったのはなぜでしょうか?
やみえん 普段の配信ではリアルの顔を見せればいいので、Live2Dモデルは不要だと判断しました。
一方で3Dモデルは、配信などでVTuberの方の世界へお邪魔する時、一人だけグリーンバックで実写合成するよりも、一緒に3Dモデルで並んだ方ができることも増えるんじゃないかと思ったからですね。
──気になることとして、「やみえんVはVTuberではない」と明言されていましたよね。では、「やみえんV」とはどのような存在なのでしょうか?
やみえん 配信でも少し触れたのですが、そもそもボクはバーチャルの人間ではないです。リアルに存在するし、顔も出している。
そんな人物が、アバターをつくり、「これからVTuberをやります」と宣言することに対して、ボク自身は違和感があったんです。全く別の名前に変えて、キャラクターもつくり上げて、その声優をやっているというスタンスなら違和感はないのですが。
──ご自身にとっては、あくまで動画投稿・配信を行う名義のバリエーション、あるいはツールのような存在なのでしょうか?
やみえん ボクの中では「服」のようなものと捉えています。
ちょっと高級なレストランに行くときには、オフィスカジュアルくらいの服を着ていきますよね。それと同じで、 バーチャルの人と接する時は、やはりバーチャルの体の方がTPOに合っている気がするんですよね。バーチャルな人が持っている世界観へお邪魔する際の正装・ドレスコード、というイメージです。
実際、VTuberの方と配信などでご一緒する機会も多く、その時に着ていく服がないのも恥ずかしかったので、必要性が強かったのも大きいです。
──なるほど。それではやみえんさんにとって、VTuberはどのような存在なのでしょうか。
やみえん “仮想の世界にすでに存在するもの”だと思っています。
身も蓋もないことを言うと、そんなものは存在しない。けど、その人たちが「この世界から来ました」と名乗った時点で、そのように存在するものであってほしいなと。
どんな経緯かはさておき、我々が単一の世界だと思っているこの現実世界に向けて、YouTubeなどの媒体を通じて、自分の世界を発信してくれる人たち。それが、ボクはVTuberだと思います。
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