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  • 2019.08.20

「夢は世界一の農家」いつも共にあり、向き合い続ける愛しき存在

ヒップホップ集団「舐達麻」の率いるAPHRODITE GANG。その由来は、「APHRODITE」というオリジナルの品種にあるということは知られていない。

それほどまでに、彼らの愛し続ける“唯一無二の存在”について。

「夢は世界一の農家」いつも共にあり、向き合い続ける愛しき存在

(左から)G PLANTS、BADSAIKUSH、DELTA9KID @熊谷・Lagoon

クリエイター

この記事の制作者たち

今一番“リアルなラッパー”との呼び声も高いヒップホップクルー・舐達麻

これまで断片的にしか語られてこなかったその結成前夜についてありのままに、数々の歴史や名シーンを紐解いた前回。

一向は、BADSAIKUSHが運転するメルセデスベンツに乗り込み、取材場所を熊谷のクラブ・Lagoonから彼らの根城の一つであるBADSAIKUSHの自宅に移して話を続けた。

前回、「すべてはWeedのおかげ」という言葉があった。それは、彼らを強く深く貫く信念でもある。

shit、Mary Jane、ネタ、Weed…様々な言い回しで表現されるそれ。

舐達麻と共にあり、曲の中で必ず歌われている唯一絶対と言っていいワードだ。

日本ではあまり聞き馴染みのない名称だが、ヒップホップの中には、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)を筆頭に、マリファナにまつわる曲を発信し続ける「ストーナー・ラップ」と言われるジャンルも存在するほど。

彼らはなぜ、ビートを変えリリックを変え繰り返し繰り返し、それを歌い続けるのか?

舐達麻が向き合い続けるものについて。

取材・執筆:新見直 撮影:I.ITO

目次

  1. 舐達麻とMary Jane、その出会い
  2. 「なぜラップにするのか?」という愚問
  3. 「アムスも熊谷もそんなに変わらない」
  4. 舐達麻唯一のルール
  5. 舐達麻の、Weed至上主義
  6. 夜が来て朝が来る 麻で回すサイクル
  7. 夢は世界一の農家
  8. 「やりたい様やる じゃなきゃ頭狂う」

舐達麻とMary Jane、その出会い

生活の一部なので、出ちゃうんですよね。ラップってそうじゃないですか。別に(ストーナーラップとか)そんな意識はないです」

静かに、ゆっくりと口を開くDELTA9KID。「おこがましいけど、本当に好きで」と少し照れながら答える。

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切れない縁 メリージェーン 誓う永遠
夢で見るhigh time 夢でも会いたい
どこにいても変わらない 唯一無二の存在
「FUTURE」DELTA9KIDのverseより

出会いは中学のことだった。「すげー話なんすよ、これがまた」と当時を思い出すBADSAIKUSH。「たまたま、俺とBADSAIの吸ったタイミングが一緒だったんです」とDELTA9KIDが話を引き継ぐ。

「昔からBADSAIの家に、大量のゴミ袋に詰め込まれてるのを見てたんですけど、最初はお互い『そんなの吸わないっしょ』みたいなスタンスだったんですよ」

BADSAIとDELTA9KIDが暴走族として繋がっていた上の先輩たちの仲良くしている、ある老人がいた。その老人は、毎年何キロも栽培していた。

収穫されたそれらの保管先として後輩のBADSAIの家が選ばれ、ゴミ袋に無造作に詰め込まれたものが常に大量にそばにあるという普通ではない環境は、当然ながらそこに身を置く人間に強く影響を及ぼす。

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