Interview

  • 2020.02.20

中指系ヒップホップ集団ARKHAMインタビュー なぜ彼らは“生き急ぐ“のか

LIL J率いるARKHAM。“破天荒”という表現では足りない彼らのスタイルは、風の噂で編集部にも届いた。

これは音楽についてのインタビューではない。なぜ彼らは“生き急ぐ”のか? ただただ、その疑問をほどくために耳を傾けた。

中指系ヒップホップ集団ARKHAMインタビュー なぜ彼らは“生き急ぐ“のか

ARKHAMの中心的存在・LIL J

ラッパー・LIL Jを中心としたクルー・ARKHAMがニューアルバム『DEAD!―revenge―』をリリースした。出し直したと書くほうが正確だろう。2019年末に一度発売した『DEAD!』のジャケットが表現の規制に引っ掛かり、変更するのにあわせ曲を追加して再発売したのが『DEAD!―revenge―』だ(その経緯は、聴けばわかる。LIL Jがアルバム冒頭「intro」でJOKERのように笑いながら説明している)。

このインタビューでは「この時代にアルバムを出す意味」などについて聞いたりはしなかった。つくりたくてつくった曲、出したかったから出したアルバムだろう。最初のジャケットがアウトになったのは、ARKHAMファンの女子たちのナマ乳を並べたアートワークが原因だ。無理やりやらせていたら問題だが(ARKHAMはそういう集団ではない)、ファンが好きでやっているなら良いアイディアだと思うのだが……何がいけないのだろう?

ということで、アルバムからして「問題児」の感が強いARKHAMだが、ARKHAMとはそもそもどんなチームなのか。

2019年末。この日、立川のスタジオに集まってくれたARKHAMの面々は9人──LIL J、DJ masahito、女性彫り師のGG、ラッパーのMiku The Dude、Luther Fisher(ラッパーだが顔も格好もシド・ヴィシャスそっくりなオーストラリア人)、バンドのPxlly(ポリー)からボーカルのShaun(ショーン)、ギターのrikuri(リクリ)とShimamura、そしてARKHAMマネージャー・Huka。

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(左から)DJ masahito、Shaun、rikuri、LIL J、Huka、Miku The Dude、GG、Luther Fisher ※Shimamuraは取材途中で仕事のため退席

2020年も始まって既にひと月が過ぎ、LIL JはSNSを次々に凍結されながら相変わらず活発に動いているようだった。

秒で変える。全部見えている」と真っ直ぐに話していたLIL Jの言葉をそのまま証明するように、取材時点では「ARKHAMとPxlly」だった両者は、今では「ARKHAMのPxlly」と書いた方が正確なようで、両者の勢力はさらに拡大。それにより自然と音楽の表現力の振り幅を拡大し、よりなんでもありの地点を目指しているようだ。

取材・執筆:山田文大 撮影:I.ITO 編集:新見直

目次

  1. 出会いの話はジャブ
  2. どうやって生活してるの?
  3. 「もう全部ぶっ壊しちゃおう」
  4. “死”について
  5. ドラッグ談義は早送りで

出会いの話はジャブ

──ARKHAMとPxlly(ポリー)はどんな間柄なんですか?

Shaun お互い調子いいセフレみたいな。鬼調子いいセフレです。

一同 (爆笑)

LIL J 都合のいい関係ですね。ジャンルは違うんですけど、シーンの中でも同じような感じ。突出しているというか、嫌われ者感があるっていうか(笑)。気づいたら一緒にやろうよって、仲間になってた。

Shaun 間違いない。

──出会ってからのことって覚えてますか?

LIL J 僕は厳密には覚えてないんですよね。

Shaun 俺は覚えてる。

DJ masahito 俺は(立川)COSMIC HALLでイベントやったときに初めて会ったんですよね。

Shaun マサヒトと会ったのはそうだね。ナツ(LIL J)とはその前に会ってて…その時俺もナツもBLACK BRAINのモデルやってて。

青山のイベントで「BLACK BRAINやってましたよね」って声かけてくれて。「俺もやってて」って、すげえフラフラしながら。◯◯食ってギャンギャンで(笑)。何も不思議じゃなく感じちゃったんだよね(笑)

LIL J 「ディガップ」っていう、身内だけのイベントで。そこで出会っていつ仲良くなったのか覚えてない、俺は。

Shaun それは俺もそうだよ。その後のCOSMIC HALLからじゃない?

DJ masahito ミクくん(Miku The Dude)と会ったのもそのイベントでしたね。そのイベントの少し前に、俺が顔にタトゥー入った人にボコボコにされたんですよ。

LIL J あの時マサヒト「顔に刺青入ってるやつは信用できない」とか言ってたよね(笑)。

Shaun 鬼メンヘラじゃん!(爆笑)

DJ masahito (顔にタトゥー入ってるけど)ミク君、嫌いじゃないっすよ!(笑)

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LIL J ミクとルーサー(との出会い)は覚えてる。その時はディガップで2人ともライブあったんだよね。ライダース着てるしパンクのバンドなのかと思ったらラッパーで、リハ見たらかっこいいなって。

僕の出番は最後の方で。先にミクのライブが終わって、僕の膝の上にいきなり女の子が座ってきて「さっきライブめちゃくちゃかっこよかったです!」って言われたんですよ。それは絶対ミクと間違えてるんですよね。「俺、LIL J」って。「俺のライブも見てね」って言ったら、その子飲み過ぎて帰るみたいな。それがミクとの印象的な出会いですね(笑)。

Shaun ちょうど2018年の今頃(年末)だったよね。そのときミクとルーサーとナツが出会って、俺も同じ日にあって紹介してくれて。

Shimamura 同じ日だったんだ。

Miku The Dude その頃、ARKHAMの勢力拡大に必死だったんですよ。必死っていうか、Jよりも先に上がっていったみたいなやつが昔の連れでいて、Jもその時は自分がかます年みたいのがあったっぽくて。

その時Jに「おまえも気づいたらARKHAMになってるよ」って言われて。僕は一人でやりたかったんで、それはないと思っていたんですけど…今は確かにって。人間的にめっちゃいいやつで、楽しいからJの周りは人が集まっちゃう

Shaun 集まる集まる。

どうやって生活してるの?

──普段みんなはどういう生活を送ってるんですか?

Shaun 生活、できてない(笑)……生活かぁ。なんかまぁバンドマンって言っても、すげえ陰キャな人が多いんで。実際Pxllyも陰キャが集まって音楽で調子に乗ってるだけなんで

DJ masahito 僕は仕事してビートつくって…って感じですね。

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──仕事は何してるんですか?

DJ masahito いま仕事、IT関係です。

LIL J だいぶ綺麗に話したけど、それ◯◯◯◯だから。

一同 (笑)。

DJ masahito 情報を扱う仕事ですね。

一同 (笑いながら口々に)「一気に怪しくなった」「ITじゃないでしょ」「嘘の情報??」…

Shaun 俺はこう見えて大学生です。でもちょっとそれが面倒臭くて、集まれる時はできるだけPxllyで集まって音楽をつくってます。

──Shimamuraさんとrikuri(リクリ)さんは?

rikuri 僕は表参道の、クラブとバーの中間くらいの店でバーテンダーやってます。

Shimamura 俺はキャバクラのボーイっすね。

Shaun どっちも同じ世界なのにめっちゃ面白い(笑)。

──LIL Jさんはどうされてるんですか?

LIL J 最近すか? ずっとテレアポして、おっぱいパブのボーイやって、暇な時女の子とエッチしてそんな感じですかね……最近はライブが忙しいです。

──忙しいというのは、だいたいどういうペースなんですか?

LIL J 最近は月に7本から10本くらいですね。

Shaun 超増えてきたよね。PxllyもARKHAMも。

LIL J そうなんですよ。PxllyはPxllyでヒップホップとは関係ないハードコアのイベントにも出るし、そういう時に客演の曲で参加したり。僕だけのブッキングだけじゃなくて、Pxllyのブッキングにも参加するんで、必然的にライブの本数が増えるんですよね。

Shaun ね。「今日Pxllyあるけどくる?」みたいな。デイで2本イベントがあって、はしごとかもあります。

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LIL J ハロウィンらへんとか忙しかったよね。(横のHukaを見て)精神病院行くことになったやつもいたし。

──それはなぜ?

Huka え…(笑)?

Shaun だから、頭おかしいからですよ(笑)。

LIL J 暴れて警察に保護されて。まだ未成年なんで少年院行くか……

Huka 精神病院行くかの二択で、精神病院に行きました。

LIL J で、出てきてバトンタッチで他のメンバーがアーカム(ここでは精神病院のこと)送りになりました。

Shaun だいたい誰か、拘留されてるか…

LIL J 入院か捕まるか、飛んでどっかに旅立つか(笑)。

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