米山舞インタビュー 絵における「伝える力」を研ぎ澄ますには
2021.05.10
アニメ『SSSS.GRIDMAN』から考える、特撮的想像力の拡がり(とその閉塞性)について。
※本稿は、「KAI-YOU.net」にて2018年に配信された記事を再構成して掲載したもの
「……『大日本人』だこれ」
アニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』を見て、そう思ってしまいました。独特のリズムを持った本作は、平成が終わる年に“平成怪獣特撮”というジャンルで黙殺された要素を抱えていると感じます。
一体『SSSS.GRIDMAN』の何を見て『大日本人』だと感じたのでしょうか? そして平成特撮とはなんだったのでしょうか。一言で言い表すなら、僕にとって新条アカネは松本人志です。
※この記事には『SSSS.GRIDMAN』のネタバレが含まれております。ご注意ください。
目次
- ドキュメンタリー的な怪獣特撮アニメとは?
- 公開から11年『大日本人』の持っていた可能性
- 怪獣特撮のもうひとつの可能性を追求していた両作
1993年に放送された円谷プロ制作による『電光超人グリッドマン』。日本アニメ(ーター)見本市にて公開された短編アニメーション版を経て(外部リンク)、2018年10月より、最新作『SSSS.GRIDMAN』が放送されました。
『キルラキル』のTRIGGERが制作すると聞いたとき、アップテンポな演出に期待した自分は、『SSSS.GRIDMAN』のある種ドキュメンタリー的な手法に驚きました。
「ドキュメンタリー的」というのは、まるで現実のハンディカメラで撮影したかのようにアニメのキャラクターを映す質感のことです。第1話を観たとき、冒頭から戦闘までBGMがまったく入っていないことに驚きました。環境音や部活の音が無造作に入り込み、ジャンプカットもガンガン入っています。
これらは『涼宮ハルヒの憂鬱』の「サムデイ イン ザ レイン」や『リズと青い鳥』を代表とする、京都アニメーションの手法を思い出させます。ドキュメンタリー的な演出によって、キャラクターがまるで現実にいるかのように感じさせる効果を出した、先駆的なスタジオです。
ただ『SSSS.GRIDMAN』は、「ドキュメンタリー的」と言い切れるわけではありません。話数によっては、あまり気持ちよくない映像のリズムだったり、奇妙なカットもいくつか入っていたりします。つまりは映画の素人がつくったように見える部分すらあるのです。
もちろん、その「下手さ」は意図的なものでしょう。
続きを読むにはメンバーシップ登録が必要です
今すぐ10日間無料お試しを始めて記事の続きを読もう
残り 3479文字 / 画像2枚
800本以上のオリジナルコンテンツを読み放題
KAI-YOU Discordコミュニティへの参加
メンバー限定イベントやラジオ配信、先行特典も
※初回登録の方に限り、無料お試し期間中に解約した場合、料金は一切かかりません。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。