LAM インタビュー「僕は天才ではない、だけど──」
2020.11.21
クリエイター
この記事の制作者たち
歌い手連載の2人目としてお話をうかがったのはluzさん。2010年に歌い手活動を開始したluzさんは、2013年から音楽レーベル・EXIT TUNESが主催していたライブイベント『EXIT TUNES ACADEMY』(通称:ETA)に出演し、歌い手としての知名度を高めていった。
2014年からは、luzさん(ボーカル)、奏音69さん(作曲/物語)、RAHWIAさん(イラスト/動画)の3人によるクリエイターユニット・Royal Scandalとしての活動。さらには、全国ツアーに約2万人を動員する屈指の人気ライブイベントへ成長を遂げたXYZ TOURのオーガナイザーとしての活動も、ソロ活動と並行して行っている。コロナ禍の2021年には、予定していたXYZ TOURなどが中止に至ったことで、2ndシングルであり、自身初作詞・作曲の「Rose」制作に取りかかる機会もできた。
今はなきETAは、歌い手やボカロP、踊り手などが一堂に会してライブをする音楽フェス。まさに知る人ぞ知るアンダーグラウンドな世界が、ETA会場には広がっていた。当時ならではのライブステージの独特な熱気を体感しているluzさんだったからこそ、様々な個性を宿したXYZ TOURを、一からつくることができた。
今でこそ歌い手はアーティストとして認識されているが、当時はアマチュア・素人として評価されていたのが実情。しかしluzさんは、そんな空気に屈することなく歌い手活動を続け、唯一無二の華やかな姿でシーンに咲いた。
luzさんの揺るがない世界観の美しさは一体どこから来ているのか。その答えは、インタビューを通して明確になった──。
目次
- luzが守り続けてきた、3つの活動の軸
- 歌ってみたに嫌悪感を抱く人もいた時代 XYZ TOURにこめられた思いとは
- 今、歌い手シーンではグループが求められている
- 人のプロデュースにもチャレンジしてみたい
- luzの直筆サイン入りチェキをプレゼント!
──耽美なluzさんの世界観はどのように確立していったんでしょうか。
luz 今は活動休止されているんですけど、Acid Black Cherryのyasuさんが、僕の音楽のルーツなんです。彼は官能的な世界観をずっと表現し続けてきた人の先駆者というか。まずそこに憧れがあって、娯楽のひとつとしてずっと拝見していました。
最初は自分自身もこういう路線でやっていくことは、考えていなかったんです。たまたま当時、奏音69さんの「チェリーハント」という曲の世界観に惹かれて、カバーしたところ、お客さんの反応がとても良かったんですよ。
──luzさんが活動を開始された2010年頃は、遊び感覚で歌を投稿し始めた方が多かったと思います。
luz 正直な話、luzとして活動することは、自分の中での“サブ”でした。本気で音楽をやろうとは、そのときはまだ思っていなかった。ちゃんとメインの人生がある中での娯楽として、活動を始めました。
──活動を続けていた中で出会った奏音69さんの「チェリーハント」がluzさんの好みにぴったりはまったと。
luz 奏音69さんがボーカロイド・巡音ルカの楽曲としてアップしていたものをたまたま僕がカバーしただけで、当時はRoyal Scandalはまだ存在していなかったんです。「チェリーハント」がお客さんの反応を得た数年後、書き下ろし楽曲を収録したアルバムを制作することが決まったときに、自分にとっても相性がいいなと思って奏音69さんにお願いしてできたのが、「クイーンオブハート」という楽曲でした。それがまた、リスナーさんにすごい響いたんです。
当時の歌い手さんのオリジナル楽曲って、そこまで受けがいい印象がなくて。基本はボカロ曲が強くて、それをカバーすることで化学反応が起きるみたいな感じだったんです。でも「クイーンオブハート」に関しては、楽曲自体と僕の声とイラストのバランスがすごく良かったみたいで。たくさんの方に聴いていただける作品になりました。
──10月には、活動12周年を迎えられました。それだけ長く活動を続けていれば、悩んだこともあったのではないでしょうか。
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