PALOW.インタビュー 絶望の淵で生まれた創作哲学「いかに毒を美味しく飲ませるか」
2023.04.15
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韓国在住、2011年ごろから歌い手としての活動をスタートしたダズビーさん。彼女が放つクールながらやわらかい歌声と圧倒的な表現力は海を超え、日韓のリスナーの心を掴んだ。
2022年、ユニバーサル ミュージックからメジャーデビュー。2023年1月には「イビツナコトバ」で、念願のひとつだったTVアニメOPテーマ起用を果たした。YouTube登録者数は100万人以上、2週間に1回歌ってみたをアップするなど、活動10年を超えた今も精力的に活動を続けている。
ひとりの学生だったダズビーさんが、どのようにして歌ってみたと出会い、やがて日本のメジャーアーティストとなったのか。その数奇なキャリアとともに、気になる韓国の歌ってみた文化についてもお話をうかがった。
──学生時代のダズビーさんはどんなタイプでしたか?
ダズビー 高校の頃と大学の頃とで結構違ったなと思います。高校の頃はすごく恥ずかしがり屋だったんですけど、大学に行ってからは活動や友達の影響もあって、外向的になった気がします。
──ご自身でも歌い手デビューをする前には、どんな歌ってみたを聴いていましたか?
ダズビー よく聴いていたのは、現在はキクチリョウタというお名前で活動しているばずぱんださんですね。今もずっと聴かせていただいてます。ばずぱんださんの歌ってる古川本舗さんの曲を聴いて、歌ってみたが好きになりました。
──もともと歌を歌うのは好きだったんですか?
ダズビー いや、あまり歌ってこなかったですね。ピアノなら子どもの頃に少しだけ弾いたことがあるんですけど。家で歌を録音できることも最初は知らなかったので、自分も投稿してみようと考えるまでは結構長かったです。最初は、プロの人がスタジオに行って録音してると思っていました。
中学生の頃からどんどん、ボカロにはまったおかげで歌ってみたも気になったというか、目覚めたって感じ。家で誰でも歌を録音できることを知って、それで「自分もやってみようかな」と思いました。
──そうだったんですね。ボカロや歌ってみたを知ったのはニコニコ動画で?
ダズビー はい。あと韓国には、日本のアニメ好き同士で集まる「NAVERカフェ」というネットコミュニティがあるんです。ニコニコカルチャーはそこでどんどん広がっていました。
──歌ってみた動画のつくり方や投稿の仕方はどのように勉強していったんでしょうか?
ダズビー 最初は歌ってみた音源をエンコードする方法もよく知らなかったので、周りの方に手伝ってもらいました。
Vlogをつくるぐらいは今はできますが、タイポの知識や頭に入っているイメージを映像化するのはなかなかできなくて。最初は映像も借りていましたが、ここ5年くらいはTranquilloさんが、私の歌う曲の映像を担当してくれています。
──イラストレーターさん選びもダズビーさんがやられているのでしょうか?
ダズビー はい、自分でやってます。曲を聴いて自分の中にイメージを浮かべてみて、そのイメージに一番フィットしてる方を探したり、過去に一緒に作業したことのある方の中で考えたりもします。
──日本語の曲の歌い方はどうやって覚えていきましたか? 初めて聴いたときは発音が本当に自然で、韓国の方と知って驚きました。
ダズビー 自分の発音とネイティブとのどこが違っていて、どこが近いのかを考えながら、とにかくたくさん聴きました。特によく聴いていたのはAimerさんですね。
昔一緒にニコニコ動画で活動していた日本の友達がいるんですけど、その友達から「街を歩いてたらダズビーの声が聴こえてきて、(似てると思って)調べてみたらAimerさんだった」という話を聞いて(笑)。気になってAimerさんの歌を聴いたらすごく好きになって、それからたくさん聴きました。
──これまでの活動の中で、続けることを悩んだり、やめちゃおうかなって思うことはなかったですか?
ダズビー 実は、悩まない瞬間がほとんどないぐらい悩みが多いんです……。
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