Interview

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  • 2020.02.28

Mika Pikazoのキャラクターデザインへの哲学と挑戦 創作の責任をとれるのは誰なのか?

キャラクターデザインの哲学、VTuberの発展性。

時代を代表するクリエイターの一人であるMika Pikazoが語ったすべて。

Mika Pikazoのキャラクターデザインへの哲学と挑戦 創作の責任をとれるのは誰なのか?

Mika Pikazoさん

極彩色を巧みに操り、独特の色彩感覚で魅力的なイラストを描くことに定評のあるイラストレーター・Mika Pikazoさん。

KAI-YOU.netでのインタビューでは、その特徴的な画風を形成したルーツを探ると共に、イラストレーターにとどまらない幅広い創作に挑むクリエイターとしての信念をうかがった。

近年ではバーチャルYouTuber(VTuber)・輝夜月さんのキャラクターデザインを手がけたことでも知られるように、その唯一無二の才覚は「キャラクターデザイン」という領域でも発揮されている。

カラフルで個性溢れるキャラクターを生み出す具体的な工程や、切っても切り離せない関係にある輝夜月さんとの関係性、そしてVTuberカルチャーはクリエイターの目からはどう映っているのか。

かつて「(VTuber以前と以後で)世界が変わった」とまで表現したMika Pikazoさんの胸中をうかがうことで、「VTuberとは何なのか?」という問い直すきっかけとなった。

取材対象:Mika Pikazo 取材・執筆:オグマフミヤ 編集:新見直

目次

  1. Mika Pikazo語る、キャラクターデザインの極意
  2. キャラクターが動き出す瞬間
  3. ファンの解釈がキャラクターを膨らませる
  4. 創作の責任をとるのは、誰なのか
  5. VTuberという総合芸術

Mika Pikazo語る、キャラクターデザインの極意

──前半ではイラストを描く際に意識することについておうかがいしましたが、キャラクターデザインをする際はいかがでしょう?

Mika Pikazo イラストで「愛でたくなる感じ」を意識するという話をしましたが、キャラクターデザインにおいても同じで、性別問わず愛されるキャラクターにすることを意識しています。

愛でたくなるというのは美少女キャラクターに限った話ではなく、たとえば物語に出てくる主人公の家族とか、老若男女問わず、どんなキャラクターでも愛せる部分があると思っています。それはデザインに限らず性格や声、キャラクターに関連したいろんな要素によってではありますが、必ず「誰かに愛されるキャラであってほしい」という願いを込めるんです。

STREET PAIRLOOK

──たとえば企業からキャラクターデザインの依頼があった場合は、具体的にどのような工程で制作が進むのでしょう?

Mika Pikazo まず打ち合わせをしてイメージを膨らませますが、場合によってはその場で紙やiPadでこんな感じかなと描いていくこともあります。

クライアントがどういうキャラクターにしたいか、特にそのキャラクターが何に使われてどんな展開をするのかについて詳しく聞きます。たとえばVTuberになるとか広告でポスターになるとか、どう見せるものかによって表現も変わるので、とにかく質問しまくってそれを詰めていくんです。

話し合いを通して、自分に何が求められているか、相手が本当にどういうことをしたいかもわかってきます。

──まずキャラクターデザインの方向性をキチッと定めるんですね。

Mika Pikazo メールのやり取りだけだとわからないことも多いので、直接会って話すことも大事にしています。メールでいただいた時はまだよくわからなかったけど、実際に会って話してみたらこの人面白いなー!なんか不思議なことが起こりそう!と思って仕事を受けることもありました。

案件として魅力を感じるのもそうですが、話をしてくれるこの人になにかを感じたり、面白いものを見せてくれそうだなと思ったら、自分の実績になるとかも考慮せずに興味で仕事を受けちゃいますね。

──そのイメージを元に、デザイン案を提出する?

Mika Pikazo そうですね。イメージがある程度固まったらラフを描いていきます。髪型や身長、スタイルなどを決めた通りに描いてみて、このイメージで合っているのか実際に描き出してみて確認するんです。

複数のパターンを提案する場合と、一案で決める場合があります。

具体的にイメージが固まっていれば一案ですが、その子がどうなっていくかわからない時は複数案を出して模索しながら進めるような感じです。

Mika Pikazoさん提供

Mika Pikazo 模索する時は髪型を10パターン以上つくったり、それぞれ髪色も変えてみたりとか、依頼していただいた方々との話し合いを重ねて、ビジョンを確認しながらつくっていくこともあります。

基本的には最初のイメージ案はモノクロで描きますが、イメージがより固まっているなら色をつけることもあります。具体的な肉付けをしていくのはこのあとなので、その為の土台づくりをするような感覚です。

ベースが決まったら本格的に色をつけたり、細部をブラッシュアップしていきます。一枚のイラストにする時は設定を基にまた1から描いていきますし、三面図になる場合は背面や側面を仕上げます。

デザインや設定を出した後に仕上げる中で、この子はこんな人間なのかもしれないというイメージが膨らんでいくこともあります。そんな時は、「事前の設定にはなかったのですが、こういう要素があったら萌えますよね」とこちらから提案して、仕上げながらどんどん要素を盛り込んだりもするんです。

──具体的にデザインが一発で決まったキャラクターをうかがえますか?

Mika Pikazo ピンキーポップヘップバーンちゃんは一発でした。

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