トレカバブルの裏側……闇オリパに価格吊り上げ「業界団体も存在しないからルール無用」
2023.08.19
クリエイター
この記事の制作者たち
ここ数日、配信者(ストリーマー)シーンを、音声合成AIによる「歌ってみた」動画が賑わせています。
配信者の声を学習したAI(以下、AI配信者)に既存の楽曲をカバーさせたこれらの動画。
似ているところは似ている、似ていないところはまだまだ怪しい。そんな出来栄えが注目を集め、学習させられている配信者本人たちも反応しています。
一方で、こうしたAIの利用には批判や反対意見も多く、健全な文化として発展していくのかはまだ未知の状況ともいえます。一体どのような問題があるのでしょうか。
目次
- 突っ込みどころのある再現力! AI配信者によるカバー
- 無断に声を学習しAIにカバーさせたことへの批判も 肖像権や氏名権の議論
- ドレイクのAI騒動 音声合成AIによる人物の再現に賛否両論
- アンダーグラウンドな文化と、健全な文化
※本稿は、2023年8月18日にKAI-YOU.netで配信された記事のアーカイブ
話題になっているのはSHAKAさんやボドカさん、sasatikkさんといった人気配信者の声を学習させたAIによる「歌ってみた」動画。
声の再現度や歌としての完成度のムラ、選曲などツッコミどころがあり、(AIに学習された配信者と関係性のある)他の配信者たちも取り上げるなど、注目が集まっています。
一方で、声を本人に無断でAIに学習させ、「歌ってみた」動画をつくることに対しての批判も寄せられています。
法的観点から言えば、他人の著作物(ストリーマーの場合は配信音声など)をAIに学習させることは基本的には認められています。しかし「著作権者の利益を不当に害してはいけない」という但し書きがついています。
また、ストリーマーの名を冠した音声合成AIは、そのストリーマーの肖像権や氏名権を侵害しかねません(※)。
(※)日本では、肖像権や氏名権などに関して法律上では明文化されていません。しかし(憲法13条を根拠に導かれる)人格権のひとつとして認められており、保証されるべき権利と考えられています。音声とジェネレーティブAI(生成系AI)を巡っては、6月に日本俳優連合が「声の肖像権」の設立を提言したことも話題になりました。
なお、YouTubeはJASRACと利用許諾契約を結んでいるため、JASRACの管理楽曲であればカバー動画を載せられます。
しかし、原曲の音源を使用する場合は著作隣接権も絡んでくるため、手放しに健全なコンテンツだとは言いがたいです。
ただ、これまでの歩みを振り返ると、実は権利的に問題を孕んでいる二次創作がストリーマーシーンの発展に寄与してきた側面があることもまた事実です。
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