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2023.08.30
本稿は、韓国の音楽批評家から見た、一連のNewJeansおよびK-POPを巡る騒動への所感である。
日本のSNSで流行した造語「NewJeansおじさん」に対して、ついに韓国メディアも報道を行いました。
韓国の芸能メディア「Sports Kyunghyang」は8月28日(月)、日本のカルチャーメディア「ENCOUNT」の記事を引用しつつ、「NewJeansおじさん」のキーワードがSNSで盛り上がっている現象を話題に(外部リンク)。
「Sports Kyunghyang」の記事は、「NewJeansおじさん」の由来とリアクションに触れ、NewJeansが公式な日本活動を行っていなかったにも関わらず「NewJeansおじさん」という言葉が流行るほど文化的な現象になったことに注目しています。
目次
- 改めて、「NewJeansおじさん」とは何か
- 若者のカウンターカルチャー“K-POP”に踏み込むこと
- 無視と別格視の連鎖──音楽ジャーナリズムの責務放棄
- NewJeansが特別である理由と、切り離せない文脈性
「NewJeansおじさん」とは、「ENCOUNT」の記事によると、K-POPが好きじゃないのに、NewJeansだけを別格視して慕う、権威的な中年男性ファン層を指す言葉──蔑称になっています。
その一方で、「NewJeansおじさん」を自称する人々も現れつつあります。
同記事では、8月19日(土)~20日(日)開催された「SUMMER SONIC 2023」のアクトにNewJeansが出演した際、これまでK-POP文化に無縁だった新規男性ファン層が“NewJeansおじさん”だと開き直って、NewJeansの推しへの想いをポストする様子が多く見られたといいます。
この造語は年齢差別や性差別や新規ファンへの“マウント”など、数多くの問題を同時に含むワードであると筆者は受け止めています。
その一方で、なぜレッテルを貼ってまで「おじさん」たちの文化やファンダムへの介入を警戒するのかについて、関心が生まれたのも事実です。
K-POPシーンにまつわる受容の歴史から、少し考えていきたいと思います。
Z世代。
例えば、この言葉を規定する人々は、大抵その外側にいます(広告代理店やマーケティング会社やメディアなど、様々です)。
『90年生まれがやってくる(原題『90년생이 온다』)』と題された本が韓国でベストセラーになったことからもわかる通り、未曾有の文化を生まれつき享受してきた世代と中年層の認識格差が生じる中、NewJeansはレトロ戦略によって、中年世代との接点をつくり出しました。
K-POP文化に馴染めなかったけれど、ようやく関心を持ち始めた対象と出会った中年層からすると、「NewJeansおじさん」呼ばわりはたしかにキツいかもしれません。
この呼ばわりの正当性は疑問視されるべきですが、それを前提とした上で、踏み込んで考えてみたい理由がいくつかあります。
飯塚みちかさんは「日本の10代女子に「韓国」がこんなにウケてる「本当のワケ」」という記事で、「若者たちが韓国に熱狂するのは、若者たちの感じている「韓国のよさ」が「大人にはわからないもの」だから――つまり、「韓国」が、若い世代にとって一つのカウンターカルチャーとして機能しはじめている」と分析します。
つまり(日本において)K-POPを含めた韓国の文化をたしなむことは、日本の「若者の」文化であって、そこにおそらく「理解が乏しい(と思われる)大人」が踏み込むことに対して、警戒心が強まってしまう可能性が高いのです。
しかも、若者の趣味を制裁する主体として捉えられてきた中年世代なら、なおのことでしょう(ことさら、BIGBANGや少女時代、Wonder Girlsが牽引した2000年代~2010年代のK-POP文化に対して、日本の音楽有識者やヒップホップリスナーは批判的でした)。
実はこれは、日本だけの問題ではありません。K-POPファンが「NewJeansおじさん」を警戒する理由は、ジャンルに対する根本的な誤解にあります。
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