若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
ジャーナリスト・数土直志氏が、日本アニメを世界に届ける総本山を訪問取材。
彼らは、アニメ産業の本質をすでに見抜いている──
クリエイター
この記事の制作者たち
日本アニメが海外ファンにどのように届けられるかは、意外に知られていない。
ひと昔前ならテレビ放送やDVDなどのビデオソフトだった。しかし2010年代以降は間違いなくインターネットの動画配信に取って替わった。廉価で気軽に利用できる配信で、作品を知り、楽しむ。近年の日本アニメの世界的な注目やファン拡大も、配信が果たした役割が大きい。
なかでも日本アニメを専門に、世界中に配信ネットワークを築くクランチロール(Crunchyroll)はその最大手だ。米国・サンフランシスコに拠点を持ち、2019年夏現在で世界の登録ユーザー数が5000万人以上、有料会員数も200万人を越える。全てが日本アニメのファンだから驚きだ。
しかし2006年にクランチロールが立ちあがったばかりの頃は、アニメ業界から歓迎されたものでなかった。ファングループによる動画配信サイトは、ファンサイトと呼べば恰好いいが、コンテンツの大半は違法にアップロードされた日本アニメだったからだ。
それが多くの変遷を経て、2018年8月にワーナーメディアの完全傘下になる。ワーナーメディアは、ワーナーブラザース映画やDCコミックス、HBO、CNNなどを抱えるハリウッドの一大エンターテインメントグループである。クランチロールはいわばハリウッドエンターテインメント産業の一角を占めることになったわけだ。
巨大な資本とネットワーク、アニメを通じたワーナーメディアのグループ各社と連携。クランチロールはこれらを得た。
誕生から13年、米国エンターテインメント業界の中核に組み込まれたクランチロールはどう変わったのか。これから先、何を目指すのか。筆者は7月の初め、サンフランシスコにあるクランチロールを運営するイレーション(Ellation)本社を取材で訪れた。
またその後にロサンゼルスで開催された日本アニメ・マンガの祭典「アニメエキスポ2019」(Anime Expo 2019)での様子も合わせて、クランチロールのいまを紹介したい。
執筆:数土直志 編集:新見直
目次
- ロサンゼルス国際空港にアニメキャラ!の驚き
- 違法配信からスタート、10年でアニメ配信のトップ企業に
- サンフランシスコの中心地、巨大オフィス訪問
- ワーナーメディア傘下でオリジナルアニメ製作も
- クランチロール・オリジナルアニメの可能性は?
- 収益拡大を狙う二次展開ビジネス
- 日本との関係はどうなる クランチロールはどこに行く
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