紛争国で、スケボーが女性人気No.1スポーツになるまで
2020.03.03
2017年3月末、2020年の東京オリンピックに向けた工事のため、渋谷区宮下公園を突如閉鎖した渋谷区。それに端を発する、ストリートシーンとオリンピックを取り巻く現状について。
現役スケーターの複雑な胸中。
渋谷区にある宮下公園の閉鎖は、様々な波紋を呼んだ。閉鎖当日の「事前告知」によって追い立てられた路上生活者への対応について批判の声も挙がっている。
そして、ここには有料のフットサル場やボルダリング施設、スケートパークが存在した。特に、スケートボードは、新たにオリンピック競技として選ばれ、2020年の東京オリンピックに向けて期待がかかっている種目の一つだ。
スケートパークの閉鎖に対して、スケーターの居場所を行政が一方的に奪ったとは僕は思わない。
実際に2020年の東京オリンピックに向けたリニューアル構想の中にはスケートパークのリニューアルも含まれているようで喜ばしいことだ。オリンピックをこの国で開催することの素晴らしさも、いうまでもないと思う。
今回のスケートボードパーク閉鎖の本質的な問題は、別のところにあると感じている。
前回は、宮下公園の閉鎖をスケーターがどう受け止めているのか話を聞いた。しかし、話はそれで終わらなかった。
取材を続ける中で見えてきたのは、宮下公園の一件そのものよりも、もともと活動していたスケーターやスケートカンパニー、つまりカルチャーそのものが置き去りにされたまま進む、ストリートシーンとオリンピックを取り巻く現状だった。
取材・執筆:和田拓也 取材・編集:新見直
目次
- 「スケーターのいないオリンピック」
- 夢を持てるだけの環境がない
- スケートはスポーツである同時に、カルチャーだ
- 経済的にも、カルチャー的にも、オリンピックを迎える準備ができていない
- カルチャーは、うわべだけではつくれない

スケートボードとサーフィンが新たに正式種目として採用されたことは大きな話題となった。
世界的に見ても、ストリートのシーンがビジネスとしても大きなマーケットとなり、日本にも「ストリートカルチャー」がオリンピックという巨大なフォーマットとともに競技として入ってきたことで、スケーターがメディアに取り上げられることも少しずつではあるが増えてきた。
オリンピックの影響で、パークの建設も昔と比べて確実に、積極的に進んでいる。リニューアルや新しくできる予定のパークは噂レベルのものを含めると数多くあり、地方にも海外のようなパークの設計を意識したものができている。
スケーターにとってパブリックに滑れる環境は少しずつできているといえる。
変化は否応なしに起きている。
では、スケーターたちは、スケートボードがオリンピック正式種目になったことをどう受け止めているのか。NYのスケートカンパニーの一員としても活躍するスケーターの藤井佑也さんは語る。
藤井「賛否両論という感じです。」
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