
10億ドル産業に変貌するポッドキャスト 音声広告に見るSpotifyの野望
アメリカで爆発的に成長するポッドキャスト産業。ホスト/番組に寄せる聴き手からの高い愛着を生むことから、いまポッドキャストは、ラジオなどが担ってきた「耳」というチャンネルに新たな価値を宿そうとしている。

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2021年までに、10億ドル産業への成長が見込まれている米・ポッドキャストビジネス。2004年頃に登場して以来、聴覚メディアの一角を担ってきた同産業が、なぜ今になって急成長しているのか?
日米の比較から紐解くその可能性。
執筆:LIT_JAPAN
ポッドキャストの誕生
ポッドキャストはインターネット上で聴取できる音声番組を指す。2005年にAppleがiTunes上でポッドキャスト機能を実装、2012年に独自のアプリとして切り離すなど、Appleがポッドキャストの市場を下支えしてきた。
「iPod」と「broadcast」が組み合わさった造語が語源であるポッドキャスト。それは地方在住のラジオ・リスナーにとっては福音以外の何物でもなかった。ラジオ世代の父親から借りたAMラジオで微弱な電波を拾うという健気な苦労は過去の話になり、iTunesがチューナーに取って代わった。
お気に入りの番組が全くノイズの入っていない状態で、好きな時に、場所を選ばずに聴ける。日本におけるポッドキャストは、いわばラジオ番組のオンデマンド化という形で受容された。その状況は2020年現在でもあまり変わっていないように見受けられる。日本国内のポッドキャスト・ランキングの上位を見てみれば、いまだに既存のラジオ番組の切り抜きというコンテンツが名を連ねている。
しかし、当のポッドキャストの大手配信者であるラジオ局にとっては、同コンテンツの人気は諸手を挙げて喜べるものではなかった。それを象徴する事件が、2016年に起きた、当時月間300万ユーザーを誇っていたTBSラジオのポッドキャスト撤退だ。「収益化の目処が立たず」という理由は、ポッドキャストという媒体の抱えるジレンマを如実に表すものだった。
ポッドキャストの収益化が難しい理由は、なんといっても「ターゲティング広告の難しさ」だ。「誰が聞いているのか」が分からないため、ラジオ局側としても広告主へのアピール力が弱い。サービスのユーザー層にマッチしたデジタル広告を配信するのが主流である時代においては、ポッドキャストの不透明性が同サービスの発展を頭打ちにしてしまうのだ。
そんな日本のポッドキャスト事情とは裏腹に、アメリカのポッドキャスト産業からは景気の良い話題が聞こえてくる。車文化のアメリカでは現在に至るまでラジオをはじめとした聴覚メディアの人気が高いことは有名だが、ここ数年で有名セレブリティたちが続々とポッドキャスト業界に参入し始めている。しかも旬の過ぎ去った芸能人がYouTubeに浮気をする感覚とは明らかに違う。
さらには音楽ストリーミングサービス最大手のSpotifyが日本のポッドキャスト産業を「未開拓」だとして目を付け始めたり、昨年には天下のソニーミュージックがポッドキャスト・ビジネスに進出するなど、途端にカネの匂いが漂い始めてきた。2021年には10億ドル産業に成長されることが見込まれている。これは2018年の倍の数字にあたる。

IAB「FY 2018 Podcast Ad Revenue Study」(外部リンク)
一部ラジオ愛好家のニーズを満たすだけだった存在のポッドキャスト業界で、いま何が起きているのだろうか?
なぜYouTubeではなくポッドキャストなのか?
アメリカのポッドキャスト業界では何が起きているのか?やや短絡的かも知れないが、日米のポッドキャスト事情を比較するには、配信ランキングを見てみるのが手っ取り早い。
以下が3月26日付けの日本のTOP27だ。まず英語学習系の番組の多さが目を引く。その他もやはり既存のラジオ番組の切り抜きが多く、オリジナルコンテンツは極めて少ない。

iTunesより
ではアメリカのランキングはどうだろうか?

iTunesより
ぱっと見てどういった番組が並んでいるかよく分からないかも知れないが、語学学習系の番組は皆無だ。ここで注目すべきはオリジナルコンテンツの多さだ。NPR(米公共ラジオ局。日本でいえばNHKラジオのような存在)制作の番組が7つもランクインしているが、そのうちの4つがポッドキャスト専用のオリジナルコンテンツだ。ラジオ局の本気度がうかがえる。
日本では顔なじみがないかもしれないが、セレブリティの顔を前面に押し出したサムネイルも目立つ。これもほとんどが電波には乗っていないポッドキャストオリジナルの番組だ。2019年8月時点のデータでは、上位200番組の内、実に73番組がセレブリティによるものだいうから驚きだ(外部リンク)。
日本では旬の過ぎた芸能人が一発逆転を狙ってYouTubeに参入するというケースが増えているが、アメリカではその真逆の現象が起きている。すでに支持を得ているセレブリティが自身の人気を確固たるものとするべくポッドキャストを持つことが一般的になりつつあるのだ。
しかし、なぜYouTubeではなくポッドキャストなのだろうか?
アメリカの芸能エージェントによれば、ポッドキャストは”SNSよりもファンと密接な関係が築ける”ツールとして利用されているという。また、Apple Podcastsのランキングの恩恵を受ける形で新規ファンの獲得にも繋がっているという。動画の埋もれやすいYouTubeには無いメリットだ。

YouTubeにはランキングシステムが存在しない。近いものでは、動画の注目度をまとめた急上昇チャートのみ 画像はYouTubeより
また、セレブリティの参入は企業のスポンサー獲得にも繋がりやすい。ポッドキャスト広告の半数を占めるのは「Host-Read Ads(番組のホストが読み上げる広告)」であるため、リスナー・ファンに与える安心感が従来の広告とは桁違いだ。実際にポッドキャスト広告は非常に有効であることが近年のリサーチで証明されてきており、Super Listener (ポッドキャストを1週間の内に6時間以上聞く人)の70%が広告を参考に新商品や新サービスの購入を検討しているという(外部リンク)。
これはアメリカのCM事情とも照らし合わせる必要がある。日本のCM文化とは異なり、セレブリティがテレビCM等に出演することはほぼ皆無だ。広告のブランドよりも「自身のブランド」の価値を重視するアメリカ芸能界ならではのしきたりだ。稀に海外のセレブリティが日本のCMに登場することがあるが、あれも「自身のブランドを切り売りする小遣い稼ぎ」として母国ではひた隠しにされている。
そういった点で、ポッドキャストという媒体は、セレブリティを利用した広告に関する可能性を大いに広げている。セレブリティ側は慎重に広告を選べるし、広告主は「セレブのブランド」を比較的安価に買うことが出来る。シークバーをいじれば簡単にスキップすることが出来る音声広告だからこそ、セレブの読み上げる広告を挿し込むだけで、番組とCMがシームレスになるという利点もある。
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ポッドキャスト業界に殴り込むセレブリティたち
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