若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
あなたは、頼れる大人ですか?
クリエイター
この記事の制作者たち
「誰か泊めてくれませんか? #家出少女」
金曜日の深夜、23時にこうツイートすると、10分で約50件のDM(ダイレクトメッセージ)が届く。
「何歳?どこ住み?」
「いいですよ。迎えに行きましょうか?」
「暇なの? 返事ください」
どれも似たような誘い文句が並ぶ中、画面をスクロールしていくと、あるメッセージで指が止まる。
埼玉住みです。Wi-Fi環境、PC、PS4、Swich、貸し出し用iPhoneあります。長期OK。平日は仕事なので一人になれます。興味あれば返信してください
まるでホテルの紹介文のようなDMに思わずプロフィールを見てしまう。アカウントの主はおそらく男性で、実際の部屋の写真が載せられたツイートには未成年とおぼしき女性からのリプライもついていた……
日本の13歳から19歳の約80%が、スマートフォンを持つ現代。インターネットは若者にとって、ますますなくてはならないものになってきている。
内閣府が発表した、全国の15歳から29歳までの男女6000名に調査した「平成29年版子供・若者白書」(出典:内閣府)では、「インターネット空間」を自分の居場所だと感じている若者は6割以上にもなり、49.2%の学校、39.2%の職場、58.5%の地域を上回った(選択式の回答ではなくそれぞれ回答)。
また、これまでスマホ持ち込みに厳格だった教育の場でも、今年2月、文部科学省が「小中学校は持ち込みを原則禁止」「高校は校内での使用を禁止」という指針を見直す方針を明らかにして賛否両論を呼んでいる。
賛否が出る理由は、スマホ普及を背景に、近年SNSを使った犯罪が増加していることが理由の一つに挙げられる。
警視庁によると、2017年、SNSを使って事件に巻き込まれた18歳未満の子供の数は年間で1813人にのぼった。5年連続の増加、統計を始めた2008年以降、被害児童数は過去最多を記録している(出典:警察庁「平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について」)。
事件に巻き込まれた子どもたちの年齢別では15~17歳が全体の約7割を占め、使っていた主なSNSはTwitterだった。
Twitterでの出会いをきっかけに家出をした女性が性的な被害にあったり、男性が未成年者誘拐罪で逮捕されるケースは後を絶たない。
今回追いかけた「#家出少女」は、何らかの事情で家や居場所がなくなった女性が、Twitterでその日宿泊させてくれる男性を募集するために以前から使われているハッシュタグだ。
ハッシュタグ検索をしてみると、家族との関係に悩む若者や実際に家出をした女性がいまだに使用しているのがわかる。
インターネットの光と闇が今まで以上に色濃くなってきた現代において、私たちはSNSとどう向き合っていけばいいのか。
「#家出少女」を利用したことのある少女たちへの取材を通して、その先で起こっていることの実像が見えてきた。
取材・執筆:EN Mami 取材・編集:新見直
目次
- 家に帰れない。誰か泊めてくれませんか?
- #家出少女の隙間を埋めるもの
- SNSは「気づいたら必需品」
- ネットの闇に紛れていく#家出少女
- 大人に期待されること
親がおかしいんです。学校行きたくないのに行けって言われて。本当は家出したいわけじゃないさきさん
土曜日の深夜。家にいられない。誰か泊めてくれませんか?というツイートを見つけ、事情を聞くためにメッセージを送ると、こう返ってきた。
ツイートをしたさきさんは神戸に住む16歳。学校に行っていれば高校2年生だ。
親とケンカしたから帰れない、追い出された、といった、彼女のような境遇の若者の書き込みは山のように見つかる。
「#家出少女」や、家出した子供を泊めたり金銭を援助したりする「神」のような男性を探すために使われる「#神待ち」というハッシュタグもある。
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