若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
Jin DoggとREAL-Tによる『街風』を語るには、《朝鮮人部落》と語られる生野区について知らなければならない。
賑わいだコリアタウン、しかしその歴史は凄惨だ。
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5人に1人。この数字は、大阪・生野区の外国人人口の割合を示している。
生野区は、日本全国で最も外国人が占める割合が高い地区だ。
「面白い街っすよ」Jin DoggもREAL-Tも、口を揃えてそう語る。2人の出身地で、ともに現在も暮らしている地元だ。
おもろい人に、おもろい地形……彼らの言葉を借りるなら、生野はそんな街だという。
関西人にとって「おもろい」かどうかは重要な指標だ。だからこそ、そんな彼らの「おもろい」という評価は信頼できる。
同時に「寒い街」だとも形容されるその理由は何なのか?
目次
- 生野区の光と影
- コリアタウンの起源は、韓国の離島「済州島」
- 二重の差別の歴史
- 「在日」「外国人」「よそ者」「仲間」
- 「豪快やったなあ」Jin Doggのオカン
- なぜ「生野区」なのか
- 「身内は身内で よそはよそ」
- 「『街風』には全部詰まってる」
- 出て行きたい気持ちもある。相反する感情
大阪は生野区。そこは「日本の中の朝鮮」と呼ばれることもある。
在日韓国人三世として長年生野区に暮らすラッパーのJin Doggは、地元の仲間で同じくラッパーとしてデビューしたREAL-Tと、生野区について歌う『街風』を2020年にリリースした。
「大阪は知ってても、生野のことはあんまり知らんだろうと思った」。Jin Doggはそう語った。
生野区は──彼らの言うように──知れば知るほど強烈な街だった。
Jin Doggは鶴橋、REAL-Tは今里と、どちらも生野区だ。
「鶴橋なんかはもう、観光スポットみたいなってますね。韓国のアイドルショップとかいっぱいありますよ」(Jin Dogg)
「靴下とかよう売ってますよね(笑)」「アイドルがプリントされたやつな。あれ何なんやろな(笑)」Jin DoggとREAL-Tは、それぞれ街の変化を目の当たりにしてきた。
生野区には、週末になると区外から若者が多く訪れ、韓国グルメやファッション、コスメ、アイドルグッズなどを求める人気スポットとなっている。その点では、東京の新大久保にも似ている。
一見すると、華やいだ街だ。
しかし、生野区の成り立ちには、痛ましい過去が横たわっている。あまりに長くなるので、読み飛ばしてもらっても構わない。
ただ、生野区について知ることは、とりもなおさず、Jin DoggとREAL-Tというラッパー、そして『街風』という曲を知ることでもある。
前述の通り、生野区は日本一外国人の人口比率が多い地区だ。
大阪市生野区の人口12万6千人に対して、外国人は2万7千人(2021年3月時点)。
外国人人口の割合21.6%という数字が尋常ではないことは、関東有数の多国籍街である新宿(2021年3月時点で10.9%)の倍と説明すれば伝わるだろうか。
その外国人2万7千人のうち、韓国人が2万人と、その大部分を占めている。
生野区には、日本最大級のコリアタウンが存在する。
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