Interview

  • 2021.09.18

5000人のオタクが集う議員VTuberのディープなネットコミュニティに潜入

生粋のオタク議員が主宰するコミュニティ「バーチャル大田区Discord支部」。ネットと政治との結節点は、成立し得るのか? コミュニティを覗いてみた。

5000人のオタクが集う議員VTuberのディープなネットコミュニティに潜入

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今、「議員系VTuber」の運営するネットコミュニティが盛り上がっている。

コロナ禍以降、現実で対面するコミュニケーションが困難になって久しい。趣味やカルチャー、ビジネスの現場がそれぞれ工夫し、ネット配信やリモートワークを絡めた体制を模索している。

そしてそれは、政治の現場も同じだ。政治家にとって有識者や利害関係人、各種団体の意見に耳を傾け取りまとめることは活動の生命線とも言える。コミュニケーション無くしては成立し得ない政治活動にも他の活動と同じくコロナ禍の困難は降りかかる。

そんな困難を解決する試みの一つが、ネット上にコミュニティを成立させることだ。

東京都の大田区議会のおぎの稔議員は、無料チャットアプリ・Discord上に「バーチャル大田区Discord支部」というサーバーを運営。参加メンバーは5,000人を超える大規模なもので、政治や生活のみならず、漫画やアニメのようなポップカルチャーについての話題が盛り上がり、ボイスチャットでは参加者同士の交流がなされている。

おぎの稔氏は、巨大即売会「コミックマーケット」にサークル参加もしており、コロナ禍での即売会開催にも尽力する生粋のオタク議員で、現在「議員系VTuber」としてアバターを纏ってネット上でも活動している。

サーバー内に設立された「コロナ禍でのイベント会場、参加や実施の課題について」のチャンネルでは、おぎの氏が都庁へ要望書を取りまとめる様子が随時更新されていた。

大規模なサーバーの運営も、役職を振り分けられた有志が協力。毎週開かれる定例会議で運営上の取り決めをおこなう体制が整えられている。

オープンなSNSで、日に日にコミュニティ同士の対立が顕在化する現在。「バーチャル大田区Discord支部」を覗いてみた。

なお、おぎの稔氏への取材はVRChat上で行っている。

目次

  1. 有志による合議で5,000人のコミュニティが運営
  2. オープンなSNSと整備されたDiscordとの違い
  3. ネットコミュニティと政治との関わり
  4. 世界から集まる参加者とそれを大田区に反映する展望
  5. Discord外での発展性
  6. 「若い人がなぜ熱中するのか、体験するのも政治家」
  7. 失敗した革命とネットの声を政治に届ける場所の重要性

有志による合議で5,000人のコミュニティが運営

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生身のおぎの稔さん

「バーチャル大田区Discord支部」が設立されたのは今年の1月上旬に遡る。

「元々は他のVTuberさんや配信者さんのように、コラボ配信向けのDiscordサーバーとして設立したんですよ」(おぎの稔)

コミケで同人誌も頒布した経験もあるおぎの氏は、SNSにも生粋のオタクとしての投稿が目立つなど、議員としてだけでなくそちら方面での知名度も高い。

議員系VTuber・おぎの稔氏

議員系VTuber・おぎの稔氏

2020年4月からは自身も議員系VTuberとして精力的に活動。Discordサーバーについても、コラボ相手とボイスチャット機能を利用する手段としての運用を当初は想定していた。

ただしコラボ関係者だけでなく一般の参加者も歓迎としたところ、1週間で4,000人近い参加者が集まる事態に発展。当時は困難もあったという。

「始めた直後はやっぱりスパムみたいなアカウントも入ってきた」ことへの対策として、おぎの氏のTwitterアカウントへダイレクトメッセージを送ってきたユーザーに対して、サーバーに参加するためのリンクを送り返すというアナログな仕組みを続けている。

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オープンSNSでは成し遂げられないこと