若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
クリエイター
この記事の制作者たち
目次
- コスプレイヤーも、世に出たい人ばかりではない
- えなこ、よきゅーんのオタクとしての矜持
- 「ビジネスレイヤー」に陥らないために
- コスプレイヤーと「カメコ」の不思議な関係
──よきゅーんさんといえば、MMORPG「ラグナロクオンライン」とコラボして「公式コスプレイヤー」という概念をつくられました。「公式コスプレイヤー」は、現在でもコスプレを仕事にする上での登竜門であり、「プロ」としてコスプレを行う上でのスタンダードなものとなっています。
よきゅーん 最初かどうかは正確には分かりませんが、はしりではあるかな?。自分より上の世代のコスプレイヤーのことを正直あまり知らなくて。一人ではじめたから、最初の1年は本当に一人もコスプレ友だちすらいなかったんですよ。
そのせいか、コスプレイヤーの同士の横のつながりも当時はまったくなかったんです。少しずつ、ゲームショーのコンパニオンさんにもコスプレイヤーが起用されはじめていきました。
──10年前の、えなこさんが高校生だったころ。乾さんから見て、当時はコスプレで生きるという選択肢は当たり前になっていましたか?
よきゅーん 当たり前ではないかもしれないけど、もうその頃だとコスプレはお金を生めるようなものにはなっていたかな。実際、私もコスプレROMの販売だけで生活していた時期はあります。
その時は、現在のコスプレ経済圏に繋がるモデルとなるような前身もいらっしゃいました。彼女たちは同人だけではなく、商業としても作品を出してたんじゃないかな。
「同人の写真集ROM」という形式自体は広まっていたと思います。それで稼げる一部の人は稼げるようになっていた。今ほどではないにしろ、ある程度の人数はいたとは思いますよ。
えなこ 一応、私も当時からコミケに出店して写真集やグッズを売ってたんですけど、そんなに利益にはならなくて。制作費とトントンという感じでした。コスプレで食べていく、という人たちは近い場所にいるけど、別世界の出来事というか。全然交わってない文化だったのかも。
──なるほど。最近は 「公式コスプレイヤー」になることがプロのコスプレイヤーになることの一つの登竜門になっているとも感じます。
えなこ 「公式コスプレイヤー」になることがコスプレイヤーとして一つ上のキャリアになる、という見方はたしかにあります。でも、結局は人によるんじゃないかな。
コスプレイヤーも多様で、コスプレをやっているからといっても、世に出たい人ばかりじゃないんです。もちろん雑誌の表紙を飾りたい、テレビに出たい、と思う人がいる一方で絶対に見ないでほしい、自分のテリトリーでひっそりと楽しみたいという人もいます。
そもそも「コスプレっていう文化自体を掘らないでくれ」と思ってる人もいます。同じジャンルに見えて価値観がバラバラなのは、どこの世界でも一緒だと思うんですけどね。
──えなこさんやよきゅーんさんは積極的にメディアに出て、コスプレという文化の存在を表舞台にしてきたと思うのですが、「掘らないでくれ」と思ってる人たちとはどうやって折り合いをつけているんですか?
よきゅーん 究極的には「よそはよそ、うちはうち」です(笑)。何か言われたとしてもしょうがない、意見として尊重はするけど、結局は生き方の違いもあるのかなと。「みんな同じ高校に行かないでしょ?」って。遠くの進学校に行く人もいれば、地元の高校に行く人もいますからね。
えなこ 棲み分けが大事になるとは私も思います。どのジャンルも多様化と言いますか、人が増えることで起こる争いがありますよね。それはコスプレに限らず、スポーツとかでも。なのでそこは仕方ないことだと思うしかないですよね。
それに対して自分の意見を100パーセント伝えようとしても、どうしても無理なので。良い意味で諦めるしかないんです。
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