FPSタイトル「コール オブ デューティ」（CoD）シリーズをこよなく愛し、学生時代から同コミュニティを率先して牽引。現在はゲーミングライフスタイルブランド「ZETA DIVISION」に所属し、ストリーマーとして日夜ゲーム配信に勤しむk4sen。

「CoD」シリーズのゲーム実況で知名度を上げ、その個性的なキャラクターで耳目を集めるだけでなく、ストリーマー兼プロゲーミングチーム「RIDDLE」オーナーの顔を併せ持つボドカ。

本稿では両名による対談の後編をお届けする。

一本のFPSタイトルを通して邂逅を果たした2人は、変容するゲーム文化やe-Sportsシーンの成長に合わせて価値を磨き続ける。勢いそのままに精力的な活動を見せる両名には、自身を含めて数多のストリーマーを取り巻く環境がどのように映っているのか。

そして、一流のストリーマーに必要な心構えとセンスとは。

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目次

1. 10年間で体感したストリーマーを取り巻く環境の変化
2. ストリーマーに必要なのは独特の嗅覚
3. e-Sportsに必要なのはハングリー精神
4. 幅の広がりによって変容したコラボ配信の今
5. 変動の激しいストリーマー界隈で不変の活躍を願う
6. 鈴木ノリアキさんのポスターをプレゼント！

10年間で体感したストリーマーを取り巻く環境の変化

──k4senさんとボドカさんは10年来の仲だとうかがいましたが、ではこの10年間でストリーマーやゲーム実況者を取り巻く環境で大きな変化はあったのでしょうか。

k4sen　まず見る人が増えた。

ボドカ　そうそう、目につくようになったな。単純に見てくれる人が前よりも多くなった。

k4sen　俺のリスナーも大学生とか社会人が増えた気がします。ボドカとか10代のリスナーが多いんじゃない？

ボドカ　いや、10代は10％ぐらいかな。『フォートナイト』をやり込んでた時は20％ぐらいいたけど、大分減った。前から見てくれているリスナーが大人になったのもありますけどね。

──ちなみに2人は以前ストリーマーのマナー問題について語っていましたが、実際のところはどういった印象でしょうか？

k4sen　今の子はすごく礼儀正しいですよ。真面目というか、悪人が残らない世の中になってきましたね。

ボドカ　悪人が幅を効かせられないんで。悪さをしたら干されるし、誰にも相手にされない風潮になっています。k4senの言った通り、最近の若手ストリーマーはマナー面もしっかりしてます。

k4sen　昔の生配信とかゲーム実況の界隈って、どこかアングラな雰囲気でしたからね。

おかしい人がいて、それを面白半分で見にいく場所みたいな。自分で髪の毛を燃やすとか当たり前だったんで。今はもう、Twitterで変なこと言ったら「公衆の面前で何を言ってるんだ！」ってことになるじゃないですか。だから悪いことなんて言えないですよ。

──確かに。視聴者の目線でもアングラっぽさは薄まった気がします。

ボドカ　「人として言っちゃいけない発言は駄目だよね」って、当たり前のことが当たり前に批判されるようになったね。

k4sen　「駄目なものは駄目」。ただそれだけ。いろいろなストリーマーがそういう悪ノリというか、「こういう発言は駄目なんだ」って今までの認識を改めていると思う。

粗さがしみたいな、「気に入らないストリーマーを燃やしてやる！」という人もいるし（笑）。キツい発言ばっかり言わないと有名になれない人はおそらく配信が面白くないと思うので、そもそも（配信が面白ければ有名になるためにキツい発言を）言う必要がないんですよ。

──なるほど。今年の一月、StylishNoob（スタヌ）こと関優太さんにも出演していただいたのですが、ZETA DIVISIONのメンタルコーチから「『死ね』までは言って良い」と言われたと。

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たった9ヶ月前からも大きく環境が変わったように思いますが、2人はどのように感じますか？

k4sen　（『死ね』発言も）本気じゃないと思うし、言って良いと思いますけどね……。

ボドカ　俺も配信で言ってますね。個人的に気をつけているのは差別発言。それ以外はある程度だったら言っても良いと解釈してるし、そこを本気にするんだったらリスナー側も配信を見なくていいと思うので。

k4sen　前は冗談でヤバいことを言ってたりもしたんですけど、そういうのはなくなったよね。

あと俺の場合は大会の実況もやってたから、「殺す」みたいなワードは使わずに「倒した」と言い換えてた。なのでキツい発言自体、キャスター業を通じて使わなくなったのかな。

ボドカ　最近の子はマナーいいと思いますよね。ただ、マナーは良いけどキャラクター（個性）が立ちにくくなった。キャラが立ってないとなかなか目立てないし、いつかは廃れてしまいます。

k4sen　最近のストリーマーはキャラ立ってないの（笑）？

ボドカ　そう。キャラが立ってないから、一つのゲームで死んでいく。「一つのゲームが上手い」というのは、入り口としてはすごくいいと思う。でも、そのままずっと今までと同じ活動しかしてないような人たちはやっぱ死んでっちゃってる印象ですね。

一つのゲーム配信で伸びた後に、結局何をするかが重要というか。伸びてる間に別作品を触ったり、見ている人がいなくても新しいことにチャレンジする。頑張ってる人は何だかんだしぶとく生き残ってるイメージです。

ストリーマーに必要なのは独特の嗅覚

k4sen

──ゲーム作品を選ぶ際の決まりごとや、逆に別の作品へ移行する指針等はお持ちですか？

k4sen　何にも考えてないです（笑）。オープンレック（配信プラットフォーム「OPENREC.tv」）で『League of Legends（LoL）』をやってた時は10人ぐらいしか見てなかったから。

ボドカ　確かにk4senはわりとそういうタイプかも。俺は移行タイミングを考える方だな。