海外トップアニメYouTuberが語るアニメの現在地 「Shonen」ジャンルと日米ヒーロー比較論
2021.04.20
冨樫義博が『HUNTER×HUNTER』で挑み続けているのは、少年漫画という枠組みに収まるはずもない、漫画という物語形式そのものに対してだろう。
複雑極まりない設定や一読しただけでは読み解けない心理描写、いくつもの登場人物と出来事が同時進行する構成。わたしたちにはそれを、読み解く自由が与えられている。
『HUNTER×HUNTER』において、なぜヒソカ対クロロ戦が、あのタイミングで挟まれたのかについて。
前提として、幻影旅団の面々もカキンの船に乗り込むために必要なエピソードなのですが、もう少し別の視点から考えていきます。
※本稿は、2017年6月「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
目次
ヒソカ対クロロ戦の開始冒頭、リングアナウンサーによって、ヒソカのフルネームが、ヒソカ=モローだということが判明しました。
ファンの間では、画家のギュスターヴ・モローが元ネタではないか? とささやかれていますね。その多くは、モローの描いたサロメ(新約聖書では「ヘロディアの娘」)の絵が根拠となっています。
モローが謎かけに答えられなかった者を殺すスフィンクスの絵を繰り返し描いたことなども興味深いですね。
サロメと言えば、モローの絵画と並ぶ有名な作品、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』を多くの人が連想することでしょう。
この戯曲『サロメ』が元ネタで、サロメ=クロロ、ヘロデ王=ヒソカなら、ヒソカが最終的に勝つのでは? という意見もありますが、ここでは「エロド(ヘロデ王)が繰り返しダンスに誘ったこと」と「新約聖書が元ネタである」ことに留めておきます。
クロロは男でサロメは女じゃん! という意見もあると思うのですが、『HUNTER×HUNTER』世界では性別という概念が極めて希薄なため、その疑問も割愛します。
ギュスターヴ・モロー「サロメ」(パブリック・ドメイン)
重要なのは、(モローが多く描いていた)“首”というモチーフだと自分は考えます。
※この記事は期間限定でプレミアムユーザー以外にも開放されています。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。