若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
「友情・努力・勝利」を原則に掲げる『週刊少年ジャンプ』。中でも異彩を放つのが、冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』だ。
わかりやすさが求められがちな少年漫画において、少年漫画の持つ非論理性をいかに超克するかという挑戦を、その構造とモチーフ、テーマ性から読み解くことができるかもしれない。
『HUNTER×HUNTER』が休載で生きる意味を見失いかけているあなたへ。僕もです。
かと言って冨樫義博先生のお身体が何よりですし、『HUNTER×HUNTER』を読むためには死ぬわけにもいきません。
休載に悲観していてもしょうがないので、愛読者の皆様も案外気付いてないんじゃないかな? という点について書かせていただきたいと思います。
まずは前提の確認から。
登場キャラクターである「ジン」「カイト」「コルト」という名前、また冨樫先生の奥さんである漫画家・武内直子先生の宝石趣味を鑑みると、ジンカイトというトルコ石が「転生」を意味し、カイトの運命を示唆していた、というのは有名な話ですね。
……が、重要なのはそんな言葉遊びではありません。これは1話時点で、冨樫先生が蟻編ラストまでを想定して描かれていた証左ということです。
※本稿は、2016年10月「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
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評論家の宇野常寛さんは、冨樫先生を「キメラアントのような作家だ」と評しました(出典:ニコニコ生放送出典:ニコニコ生放送)。
念能力が『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド能力そのまんまだったり、グリードアイランド編がMMORPG的世界観だったり、自民党から民主党へ政権交代した後に選挙編を描かれたり、劇画風・少女漫画風・筆での作画と場面によって絵柄が変わりまくったり、例を挙げるとキリがありませんが、要は面白いと思ったものを見境なくジャンジャン取り入れていく作家ということです。
その上で、1話から蟻編ラストまでを想定したとき、『HUNTER×HUNTER』には、まず間違いなく下地にしているであろう作品が存在します。
それは、ジャンプ史上最大の代表作と目される、鳥山明氏の『DRAGON BALL』(ドラゴンボール)です。
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