Interview

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  • 2019.12.18

コスプレビジネスの未来、その可能性

昨今、さらなる盛り上がりを見せる「コスプレ」の文化とビジネス。

"トップ・オブ・ザ・コスプレイヤー"えなこさんと、彼女のマネージャーで自身もコスプレイヤーのよきゅーんさんへの連続インタビュー、最終回。

コスプレビジネスの未来、その可能性

左:乾(よきゅーん)さん 右:えなこさん

目次

  1. 海外のコスプレ事情のリアル
  2. 二次創作が根底にあるコスプレ、その可能性
  3. 「やっかいなファン」へのスタンス
  4. コスプレイヤーが事務所に入るメリット、デメリット

海外のコスプレ事情のリアル

──コスプレといえば、2000年代から外務省が後援も行う「世界コスプレサミット」が開催され続けているなど、海外との親和性も非常に高いイメージを受けます。実際に日本とはまた違った盛り上がり方をしてういるのでしょうか?

World Cosplay Summit 2020 Trailer (English Sub)

えなこ 私は事務所に入る前から、海外のイベントにも呼ばれて、いくつも参加しているんですが、特に中国やアジア圏でのコスプレ熱の勢いはすごいです。

中国では、写真の撮影技術や加工技術も年々上がっています。先ほどの話にも少しあがりましたが、たしかに日本だとコスプレイヤーさんが上でカメラマンさんが下という印象を持ってる人が多いと思うんですけど、中国は完全に逆なんです。

カメラマンさんがクリエイターとして、とても高い地位にある。そういう意味で、日本とは違った形で発展しているかもしれないですね。純粋に、彼らは日本のアニメや漫画がすごく好き。主題歌とかも日本語で歌えるんです。喋ると日本語も上手くて、それも「アニメで覚えました」と。

あとは、コスプレのイベントなのに、更衣室が会場に用意されていないんですよね(笑)。家からコスプレしてきていいよって。日本は絶対にNGなんですけど、普通に電車にもコスプレで乗車してOKなんです。ハロウィンみたいな雰囲気かも。周りの人も何とも思ってないらしく。そこも日本と違うところかなって思いました。

──オープンな雰囲気ですね。海外のコスプレイベントって具体的には何をされるんですか?

えなこ 私が呼ばれるのは「ショー」ですね。ステージがあって、声優さんお呼びする企画があったりする中で、日本のコスプレイヤーとして呼んでいただいてます。トーク+撮影会みたいな感じが多いです。 結構熱烈なファンの方も多くて、コミケの時には日本まで来てくれる方もいらっしゃいますし、みんな日本語を喋れる。

コミケまでいらっしゃる中国や韓国の人もここ数年で本当に増えましたよね。コスプレイヤーさんも、カメラマンさんにも多いです。

──よきゅーんさんの時代から、海外でのコスプレ人気というものは強いものがありましたか?

よきゅーん コスプレというよりも、アニメと漫画がとにかく人気で。アニメエキスポはずっと前からありますし、海外のイベントに参加する日本のコスプレイヤーも多かったです。アニメと漫画がある限り、大好きでいてくれると思います。

その盛り上がりも、年々強くなっている印象です。さらに日本産ではなく、中国で原作からつくるアニメが近年は増えてきたり。しかも、そのクオリティが本当に高いらしいです。

──海外のアニメーターやスタジオもたくさん増えているという背景もありますね。スタッフロールでも中国の方が本当に多くなっています。「ジャパニメーション」という言葉がありますが、近い将来、日本固有の文化ではなくなるかもしれません。

よきゅーん アニメ業界の方からそう言ったお話しを聞いてから、その危機感は私も持っています。頑張んなきゃ、日本! 今までは日本発祥で、日本が主流だったものが変わりつつあります。日本のアニメが好きで、日本のキャラクターのコスプレをしてっていう流れが主流だったところに、韓国や中国がどんどん追いついてきている。日本のコスプレ界をもっと盛り上げないと。アイドル文化も同じような流れで海外に流出していった印象です。

──よきゅーんさんの事務所にも中国出身コスプレイヤーの綺太郎さんが所属されましたね。

綺太郎.jpg

綺太郎さん

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オタクは日本の固有文化ではなくなった